2020年12月10日
今回は地元秋田を離れての観察旅行記。
年の瀬が差し迫ったこの時期、選んだ行き先は『試される 大地』北海道。
コロナウイルス感染症拡大をきっかけに未だ航空路線の減便が続い
依然として旅行をするには厳しい状態が続いています。
クリスマス前とあって秋田犬のマスコットも衣装を身に着けていま
10時20分発の便に搭乗し千歳空港を目指しました。
雪の無い秋田を離れ冬の北海道へ。
千歳空港へは11時25分到着予定。
約1時間程のフライトですが秋田を離れて40分経った頃、津軽海
「雪が無ぇ」
近年は暖冬傾向が続いていますが、まさか12月の北海道でも雪が
定刻よりも少し早めに到着しましたが、今回の旅行では千歳空港を
北海道で一番東の空の窓口、根室中標津空港。
道東で旅をするにあたり、中間に位置することから北へ行くにも南
赤ピンを立てた場所が根室中標津空港。
1時間ほどの乗り継ぎ時間は千歳基地のF-15Jを眺めつつ当日
短い日程で旅を満喫する為には段取り良く行動しなければなりませ
12時15分に千歳空港を離れると13時05分には目的地である
非常にこじんまりとした空港でまるで道の駅を思わせる佇まい。
やはりこちらも雪が無く、冬の北海道とは思えません。
隣接するレンタカー屋で車を調達しましたが、エゾシカに衝突して
『日没後は鹿に注意して下さい』とレンタカー屋のお姉さんに諭さ
試される大地での観察旅行のはじまりはじまり。
毎度のことながら今回の旅行も何の情報も無く手探り状態。
メジャーとなっている場所に行けばそれなりに観察出来ると思いま
しかし初日の日程については正直なところ現地に到着するまで迷い
と言うのもこの日の日没時刻は15時45分。
北の地域とあって日没が秋田よりも30分ほど早く、正味2時間で
日没まで粘ったとしても16時に観察を終えて宿に着いたところで
短い日程で思う存分旅を楽しむ為に熟慮した結果、初日に目指すの
中標津空港から羅臼町までは約1時間の道のりです。
海沿いを北上する道中は各漁港を巡り、カモ類を観察しながら目的
とは言っても予定通りに旅が進まないのが北海道。
至るところに出会いが転がっていますし、何処を見ても素晴らしい
以前は車で北海道を半周したこともありましたが、予定とは大幅に
日が暮れる前にと車を走らせましたがやはりナビ通りの時間には進
中標津町には一切雪が無かったものの、羅臼町に入る頃には所々雪
本来であれば雪化粧をした国後島を背景に風景写真を撮影したかっ
ロシアが実効支配する『近くて遠い島』国後島。
目の前にある島が他国に占拠されていることを考えると色々と考え
羅臼町の看板に描かれている通り、羅臼にはオジロワシやオオワシ
ワシとの距離感も秋田とは全く異なります。
じっくりと観察したかったのですが先を急ぐ身なのでスナップ撮影
しかし移動して間もなく世界自然遺産を目の前に再び風景写真の撮
こんな事を繰り返しているので目的地になかなか辿り着くことが出
何気なく海を眺めるとアザラシが顔を覗かせていました。
普段目にすることのない生き物だけに先を急ぐと言いつつも、つい
潜っては浮上を繰り返しまるでモグラ叩きでもしているかのよう。
こちらではコオリガモの群れも見ることができました。
秋田ではなかなかお目に掛かれないカモとあって撮影枚数が嵩みま
青い海に浮かぶコオリガモは“映える”写真になっていたことでし
写真としては今一つでしたが周囲を旋回するようにして飛んでは着
後ろ髪を引かれる思いでしたが翌日の漁港巡りで出会えることに期
程なくして目的地に到着。
初日の時間の使い方として充実したものにするため思い付いたのは
ただこちらの宿での観察は要予約とあって飛び込みでの観察は難し
中標津空港に着いてから宿へ確認を取った際、宿の方から言われた
そんな訳で急ぎ足で羅臼入りを目指していました。
※シーズンによってシマフクロウの出る時間が異なるため予約の際
今回は観察のみということで観察料金の3000円を支払い観察小
間もなく特殊照明が点灯されました。
あとはシマフクロウが出る迄ひたすら待つのみ。
特殊照明の仕様やそれに合わせたカメラの設定などは鷲の宿のホー
シマフクロウが現れるのは一晩に概ね3回。
短いスパンで何度か出ることもあるようですが、大まかに日没後~
以前の観察ではかなり渋めの出現でしたが果たして今回はどうなる
些か不安が募りましたがほぼ予定時刻の16時40分に一回目の出
茶褐色の印象が強いことと金色の足環が着いていることから雄の個
渓流に造られた生け簀にはヤマメやオショロコマが放されており、
狙いを定めて飛び込みました。
日本最大のフクロウとあって翼開長は180cmもあるので上手く
参考までにこの時私が使用していた機材はフルサイズのボディに5
ハイシーズンでなければ撮影場所を移動できるため好みの位置から
魚を捕獲したシマフクロウは片足で獲物を持つと弱らせる為なのか
この後は一気に丸呑みするかと思いきやなかなか飲み込みません。
頻りに周囲の様子を気にしているように感じました。
シマフクロウの動きに注視していると身を縮めるようにして飛び立
飛び立ちの瞬間。
通常、川の上流側に飛んで行くのでここはひたすら連写。
ここも上手く撮影しなければ翼がフレームアウトしてしまいますが
飛び立って間もなく照明の届かない位置に達してしまうので、余程慣れていない限り出たとこ勝負。
後から画像を確認してみると半分の画像は翼がフレームアウトして
やはり500mmの単焦点では難易度が高め。
そんなこともあって短いレンズの方が間違いの無い写真を撮ること
余白が多くなる分、好みの構図にトリミングすることで見映えの良
雄が居なくなり次の出現はいつになるのか。
そう思いながら撮影した画像を確認してみると雄の足には獲物が握られたまま。
今時期はペアを形成する時期なので雌に給餌する為の狩りだったようです。
そのようなことから次の出現まで間隔は然程開かないことが予想できました。
雌も見ることができれば・・・あわよくば2羽揃って見ることがで
正面から見ると優しい顔しているシマフクロウですが角度によっては眼光鋭く見えることもあり、様々な表情を見せてくれます。
この時は同じようにして生け簀に飛び込むと今度はあっという間に獲物を丸呑み。
その後は直ぐに飛び立つことはなくゆっくりとした時間が流れました。
雌が宿の裏手に飛来したのか急にそわそわとした様子で落ち着きが無くなり突然飛び立ちの姿勢を見せまし
驚いたのがその角度。
一回目の出現で記載した通り通常は川の上流側へ飛んで行きます。
そのため観察小屋から撮影すると飛翔する姿は横向きの写真になり
「このまま来るのか?」と思った瞬間、私の方に向かって一直線。
真っ正面に飛んでくるとは想定外の出来事。
飛翔シーンを真っ正面から撮影するには観察小屋から離れたバスの
雄が飛び去り10分ほど経った頃、何気なく辺りを見渡すと照明が
「いつの間に飛んで来たのか」
サイズは日本最大と云えどフクロウだけに羽音が全く聞こえません
肉眼でうっすらと見える程度だった為、カメラの感度を最大まで上
木に止まるシマフクロウは20分ほどその場に留まりましたが、残
雄だったのか雌だったのかは不分仕舞。
しかし短いスパンで3回も出てくれたことを考えると上出来です。
この後19時過ぎまで待ってみましたが、再び現れる気配は無し。
おそらく次の出現は真夜中になると判断して宿泊先である中標津町
※シマフクロウが出ていないタイミングでの退出は可能ですが、宿
戻りの道中はエゾシカやキタキツネの飛び出しに注意しながらの安
翌日は早朝から野津半島での観察を予定していたので早めに就寝を
翌日の様子は後日更新の日記に続きます。