前回の続き。
日程3日目はキマユホオジロを集中的に観察。
様々な環境で探鳥を重ねるともっと多くの鳥を見つけることができたかもしれません。
しかし近年は1日1種という観察スタイルの私にとって待ち伏せ型でじっくりと見る方が性に合っています。
その為キマユホオジロの観察は充実の内容となりました。
3泊4日の日程で訪れた飛島もいよいよ翌日(3日)が最終日。
夕食を頂いていると宿の方から聞かされたのはフェリーが欠航になるかもしれないというお話でした。
4日は強風が見込まれていたため間違いなく欠航になるだろうとのことでしたが、更に5日も怪しいとの噂が..
いよいよ島流しを覚悟しなければならない状況になってきましたが明確な答えが出るのは翌朝7時45分とのこと。
島流しになったらそれはそれで思いっきり観察を楽しんでやろうと気持ちを切り替えこの夜もアオバズクの鳴き声を聞きながら就寝。
2022年5月3日
予定ではこの日が最終日。
起床して直ぐ外の様子を見てみると前日と同様に良いお天気。
フェリーの運航に問題はないだろうと高を括っていたところ突然雨が振りだす不安定な空模様に早変わり。
その為この日の早朝は宿周辺で探鳥をしてみることに。
何か変わった鳥が見られないかと集落をウロウロしていると民家の窓際に止まるキマユムシクイを発見。
上の画像からは同定不可といった状態ですが、飛び立つ際のカットには不明瞭な頭央線、2本の翼帯、三列風切に淡色の羽縁を確認できたので間違いありません。
客人はシベリアジュリンを見たようですが私は確認できず。
早朝の探鳥を終えて気になるフェリーの運航予定。
運命の結果発表は..
【午前の便・出港】【 午後の便・欠航】
予定していた午後の便が欠航となり午前の便で帰ることになってしまいました。
覚悟をしていたため荷物の整理は済ませていましたが観察時間を大幅に短縮されてしまうため物足りなさを感じます。
強制的に最終日の観察は午前の便が出航するまでの短時間になってしまったことから宿の方のご厚意でヘリポートまで送って頂くことに。
ヘリポートへ到着して間もなく目にしたのは道路へ出ていたミゾゴイが飛び去る姿。
しかし曲がりくねった道の方へ飛んでしまい見失ってしまいました..
周辺を捜索するも発見に至らず、私を慰めてくれたのはキビタキ。
校庭へ辿り着くと鳥相は前日と変わっておらず、目にする鳥をスナップ撮影しながらアカマシコの出待ちをしてみることに。
残念ながらアカマシコを見ることが出来ないままタイムアップ..
3泊4日の日程でしたが観察時間は正味1日半。
飛島での探鳥はあっという間に終わってしまいました。
宿の方が校庭まで迎えにきてくださり、その足でマリンプラザへ。
間もなく酒田を出港した船が到着しました。
船を降りてきた乗客はバードウォッチャーがほとんどで面識のある方がちらほらと..
『何で遠藤さんがここに居るの?』と驚かれてしまいましたが無理もありません。
渡り期は血眼になって地元を駆け巡っているはずと思っていたことでしょう。
知人の話によると航路は『波が高く結構揺れた』とのことで海鳥との出会いに期待が高まります。
港を離れる際は名残惜しさもありましたが気持ちは既に海鳥モード。
飛島から遠ざかっていくとオオミズナギドリが出現。
往路に比べると波があったせいか目にする個体数は明らかに多くなりました。
そして距離も近い。
オオミズナギドリの他に確認できたのはウトウ。
こちらは距離が離れていたため証拠写真。
この他にアカエリヒレアシシギを確認できましたが双眼鏡からカメラに持ち変えたタイミングで見失ってしまい撮影することはできず..
オオミズナギドリはコンスタントに出てくれたことから船から直ぐそばを飛ぶ場面もありました。
陸地がはっきりと見えてきた頃に多く見られるようになったのはアビ類。
ウミウが飛んでいるのかと思いきや飛ぶ個体全てがアビ類で、撮影した画像を拡大してみると夏羽に換羽していることが判りました。
間もなく酒田港へ到着といった頃、コアジサシの姿がちらほらと。
往路では全く見られなかったのでこのタイミングで渡ってきたのでしょうか?
75分の飛島航路は瞬く間に終了しましたが無事に帰ってこられたことが何より。
図らずも今回は飛島で探鳥を行いましたが、鳥果として今一つだったものの想像でしかなかった島の様子を自らの目で見ることができたのは大きな収穫でした。
実際に足を運んでみた感想として、飛島には早い段階でテコ入れが必要だと感じたこと。
先輩が仰っていた『昔とは随分と環境が変わってしまった』という言葉にあった通り、嘗て畑だった場所は草が生い茂り林の手入れも行き届いていないようでした。
そのため藪になってしまった場所が多く年々バードウォッチングをできる場所が狭くなっているのではないでしょうか。
これは私の住む秋田県も同様で高齢化の問題から手入れをする人が居なくなり、嘗て良い環境だった場所も立ち入ることさえ難しくなりつつあります。
宿の方も仰っていた行政と島民との温度差を解消できれば今後もバードウォッチャーが沢山訪れる島として賑わうかもしれません。
難しいことはさておき今回の経験を地元での観察に活かし、飛島で見られるような鳥を秋田県内で見つけることができるよう探鳥をしたいと思います。
2022年 野鳥観察の旅 in 飛島はこれにておしまい。