前回の続き。
日程3日目は雨に降られ思うような観察が出来ず島を右往左往する一日でした。
加えて湿度の影響からレンズに曇りが発生しここ一番というタイミングを何度逃したことか...
結局この日は観察を早めに切り上げ宿泊先から最寄りの居酒屋へ。
前回のあらすじとして鳥の写真を掲載したいところですが、私にとって原点回帰とも言えるこちらの居酒屋がこの日一番の思い出です。
初めて石垣島へ訪れた当時のことを懐かしみ楽しい夜を過ごすことができました。
2022年6月27日
3泊4日の旅もこの日が最終日。
宿泊先の朝食バイキングで八重山そばを腹いっぱい食べたところでフィールドへ。
始めに回ったのは稲刈りの終わった水田エリア。
前日と同様にベニバトを探して回りましたがやはり見つけることはできず。
その際にシマキンパラを間近で見ることができ採餌の場面を撮影しようとカメラを構えてみると...
またしてもレンズに曇りが発生。
宿泊先でエアコンを効かせ過ぎたのかレンズが冷えきっていたようです。
拭いても拭いても一瞬で曇るレンズに腹立たしさを覚え「友人はいつもどうしているのだろう?」と考えているうちにシマキンパラは遠くへ飛び去ってしまいました。
唯一それらしく写すことができたのはこちらのカット。
ふと空を見上げると雨雲が湧いており「最終日も雨に降られてたまるか」と大きく場所を移動。
次に足を運んだのは毎年リュウキュウアオバズクの繁殖が確認されている観察地。
辺りを探して回りましたがそれらしき姿は確認できず...
不思議に思い友人に問い合わせてみたところ『今年は何処も繁殖が早く既に巣立ってしまったかも』とのことでした。
当てが外れ途方に暮れていると前方から正体不明の猛禽が接近。
頭上を掠めるようにして通過した飛翔体は猛禽ではなくヤエヤマオオコウモリであると判明しました。
明るい時間帯に見るヤエヤマオオコウモリの飛翔する姿はド迫力でしたが、一瞬の出来事で撮影に至らなかったのはちょっと残念。
こちらの観察地で気になったのは謎のトカゲ。
大きさとしてはカナヘビよりも少し大きいくらいのサイズ。
ネットで検索してみたところサキシマキノボリトカゲが一番近いように感じます。
しかし爬虫類の知識を持ち合わせてないことから間違っているかもしれません。
知識こそありませんが鳥以外の生き物も普段目にしないものばかりとあって旅先に居ることを実感させられます。
こちらから場所を移動して次に探したのはカタグロトビ。
年々個体数を増やし以前に比べると観察し易くなっているようですが果たして出会うことは出来るのか...
あちこち探し回ったことで貴重な時間をだいぶ費やしてしまいましたが何とか見つけることが出来ました。
一度見失ってしまう時間があり暫くその場で待機していたところカラスを追うように目の前を通過。
間もなくもう1羽のカタグロトビが現れるとペアで枯れ木に止まる姿を確認しました。
しかし観察する間もなく再びカラスを追うように飛び立ってしまい残念ながら証拠写真を撮影しただけで終了。
後に友人から聞かせて頂いた話ですが、広く知れ渡った観察地の個体は悪質なカメラマンが出入りするようになり繁殖の失敗を繰り返しているそうです。
何とも残念なお話。
カタグロトビを見た後は初日に情報を頂いたリュウキュウコノハズクが顔を覗かせるという虚のある場所へ。
現地へ着いて感じた違和感。
虚の様子が何となく違って見えました。
しかしリュウキュウコノハズクが顔を覗かせているようには見えず不思議に思いながらも双眼鏡で確認してみたところ...
虚から顔を覗かせていたのは巣立ち前の雛と判明し慌てて数カット撮影。
しかし出会いは一瞬。
一度視線を外した隙に雛は虚の中へ姿を消していました。
ほんの一瞬の出来事でしたがタイミング良く雛を見ることができたのは望外の喜び。
長居は無用ということで早々ににこの場を後にしましたが、次に観察したのは2日目に偶然発見できたリュウキュウコノハズクの成鳥。
ほぼ同じ場所に止まっていることを確認でき、この時はサイズ感を表現したいと思い広角レンズで撮影してみることに。
次いで動画でも記録。
ほとんど動きはありませんがこれも旅の思い出にとちょっとだけ撮影させてもらいました。
動画の撮影を終えたところで時刻を確認してみると間もなく正午。
帰りの便は石垣空港15時15分発であったことから移動の時間や搭乗手続きを考慮して車の返却は13時30分を予定していました。
それまでの僅かな時間をどのように過ごすとよいものか...
行き先に悩みながらもトイレ休憩に立ち寄り一息ついたところ偶然にも友人と再会。
『近場でリュウキュウアオバズクを確認できたので案内しますよ』と嬉しい申し出がありました。
友人の案内のもと見ることができたリュウキュウアオバズク。
以前観察した際には亜種アオバズクと差異を感じませんでしたが、今回見ることができた個体は全体的に褐色みが強く胸から腹にかけての縦斑がやや太いと感じました。
亜種の違いに関してはあくまでも個人的な印象であり、光の加減または個体差の範疇かもしれません。
アオバズクを観察した後は一度友人宅へ。
残された時間はあと僅かでしたが友人より『今回の滞在中にカンムリワシは見られましたか?』という問いがありました。
繁殖期のカンムリワシは観察が難しいと知っていただけに無理に探そうと思いませんでしたが友人曰く『島の人間でも今時期は難しい』とのこと。
しかし友人がドライバーを務めて間もなくカンムリワシが目の前に。
きっと最後の思い出にと秘密の場所へ案内してくれたのでしょう。
撮影しやすいように車の位置を変えてもらえたお陰で正面と背面を見ることができました。
友人の厚意により最後の最後まで楽しい時間を過ごすことができ思い残すことはありません。
そう思った瞬間、枝に止まっていたカンムリワシが突然の飛び立ち。
驚いたことにこちら側へ向かって一直線に飛んできました。
咄嗟にこの場面を撮影。
カンムリワシは雄々しく翼を広げ私たちの目の前に。
あまりにも距離が近く思わず見惚れてしまいましたが、ここでタイムリミット。
今回の旅行、急遽行き先を変更し石垣島を訪れましたが友人のサポートがなければ実現しない旅行でした。
友人には最初から最後までお世話になりっぱなしで感謝の意に堪えません。
空港でお別れする際には名残惜しさもありましたが年内中に再訪する計画もあり「また一緒に飲もう」と再会できる日を楽しみにして思い出いっぱいの石垣島を後にしました。
本来であればここで旅行記は終了となりますが羽田空港へ着いてからまさかの展開が...
この日は本州の各地で梅雨末期の大雨が続いており、その影響から遅延または条件付きの運航が相次いでいるようでした。
ターミナルでは不安そうにしている人、カウンターへ問い合わせをしている人が多く見られ「秋田便は大丈夫なのか?」と思った矢先の出来事。
多少の遅延はまだしも羽田へ引き返すことは何としても避けたいところ。
仕事の予定も立て込んでおり祈るような気持ちで羽田空港を離れましたが、山形県上空を通過した頃から機体は大揺れ。
前の座席に乗っていたお姉さんたちが目を見開いて悲鳴を上げるほど激しく揺れ、今まで乗った民航のなかでは一番の挙動でした。
この頃、機長からアナウンスが入り『現在のところ秋田空港周辺に積乱雲が発生しているため暫く上空で待機します。また濃霧の影響により着陸をやり直す場合もございます』と次から次へと問題発生。
しかしILSのお陰でゴーアラウンドすることなく無事に秋田空港へ着陸。
一時は羽田に引き返し延長戦を覚悟しましたが帰ってくることができて本当に良かった...
始まりから終わりまで波乱続きの旅行となりましたが2022年 野鳥観察の旅 in 石垣島(夏)はこれにておしまいです。
~ご紹介~
今回お世話になった石垣島在住の友人が運営するホームページがこちら。
石垣島を中心として沖縄県で見られる野鳥情報をリアルタイムに発信。
普段目にする機会のない鳥たちが沢山掲載されているので是非どうぞ。
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