2023年7月15日
本日更新する日記は旅先での思い出を綴る観察旅行記。
旅の目的地は道東・根室半島。
今回は常連のお客さんと共に落石ネイチャークルーズを利用してエトピリカの観察を計画しました。
しかし旅立ちの一週間前、お客さんの都合により旅行をキャンセル。
私一人で行こうかとも考えましたが道東の天気予報を確認してみたところ怪しげな予報が...
せっかくの連休を有意義に過ごしたいと思い悩みに悩んだ結果、宮古島の旅行を決断。
直前での計画であったため旅券を確保できない恐れもありましたが、幸いにも僅かながら空席が残っていました。
間もなくして迎えた旅行当日。
全国的に報道された通り秋田県は15日から大雨に見舞われ災害が発生。
当日の朝、秋田県には【大雨・洪水・暴風】の各警報が発令されJRは全線において計画運休との報道も。
飛行機の欠航も危ぶまれた為、万が一の事態に備え急ぎ足で秋田空港へ向かうと...
いつもと変わらぬ様子に拍子抜け。
到着便は視界不良のため条件付き運航であったものの定刻に到着。
出発までだいぶ気を揉みましたが秋田空港を無事離れることができました。
大雨から逃れるように秋田を離れたのも束の間、宮古島へ向かう機内では地元の災害を伝える報道が繰り返され目を疑うような映像に驚愕。
宮古島へ到着するまでの間、可能な限り情報収集に努めましたが“緊急安全確保”が発表されるなど状況は刻一刻と悪化するばかり...
しかし私が地元へ居たところで何が変わる訳でもありません。
ただ見守る他なく、機内のモニターを眺めているとあっという間に着陸態勢へ入りました。
定刻より少し遅れて14時50分、宮古島へ到着。
今回は極めて短い旅程である為のんびりしている余裕はありません。
レンタカーを調達後、寄り道することなくやって来たのは大野山林。
初日に残された時間は僅かということもあり、定点観察ができるこちらの場所で日没まで観察を楽しむことに。
観察場所へ到着するや否や目に飛び込んできたのは3羽のキンバト。
そのうちの1羽を撮影した画像がこちら。
キンバトの他、リュウキュウアカショウビン・リュウキュウサンコウチョウ、リュウキュウヒヨドリも見られ賑やかな様子でした。
慣れない三脚をセットし迷彩ネットを被ってスタンバイ。
先に挙げた4種はほぼ出ずっぱりの状態。
観察場所となる池には入れ替わり立ち代わり鳥たちがやって来るため何の苦労もなく観察を楽しむことができます。
たまに耳元で聞こえる蚊の羽音に戦慄を覚えますが、どの個体を観察または撮影しようか迷うほど。
但し非常に薄暗い環境であるため撮影に関しては三脚が必須となります。
私にとっては普段使うことのない代物とあり、リュウキュウサンコウチョウは縦構図の撮影が間に合いませんでした。
終始ヨナグニカラスバトの鳴き声が聞こえたものの唯一撮影できたのは頭上に止まったこちらの場面。
水飲みに飛来した場面ではキンバトに意識を取られたことが災いして、気付いた時にはレンズを向けることさえできず...
時々姿を見せてくれたのはオオクイナ。
こちらは成鳥・幼鳥共に何度か姿を現し水飲みと水浴びの場面を観察することができました。
水浴びの様子は動画でも記録。
宮古島の旅行は今回で3回目となりますが、大野山林ではこうした観察が定番となっています。
そのため何か目新しい出会いがないかと淡い期待を寄せていたところ池に現れたのはオオクイナの雛。
親鳥と一緒に姿を見せましたが、私の見た目には全ての行動がおっかなびっくりといった様子でした。
またチュウダイズアカアオバトも飛来し、電線に止まっていない姿は新鮮です。
18時を過ぎた頃には陽の傾き加減から暗さが増したため初日の観察はここまで。
駐車場へ戻りスマホを確認すると全国各地の知人・友人・お客さんから心配の連絡が入っており後ろめたさこの上なし。
南の島へ遊びに来ている事実を伝え宿へ移動すると...
目にしたのは地元の惨状を伝える報道。
普段見慣れた風景がこうした形で報道されることに恐怖を覚え、独り身で暮らす母親に連絡しましたが音信不通の状態。
リアルタイムの情報を収集するためTwitterを開くと雨は断続的に降っており実家近くの川も氾濫。
夜中になってようやく母と連絡がつき、職場周辺が冠水し車も浸水して大変だったとのことでしたが身の安全を知り漸く安堵しました。
それでも地元の様子が気になり、まともに寝ることのできないまま翌朝を迎えることに...
2023年7月15日
日程2日目の早朝はミフウズラの観察を計画。
この旅において一番のお目当てとしたのはミフウズラの観察でした。
ミフウズラは早朝と夕方の時間帯に姿を見る機会が多く、カンカン照りの日中はサトウキビ畑に隠れ暑さを凌いでいるようです。
そのため一日中粘ったところで良い鳥果は得られません。
以前の経験を基にミフウズラの観察へ繰り出しましたが...
全くもって視界に入らず。
ミフウズラを観察したいという気持ちと裏腹に地元の様子が気になり心は上の空。
探鳥に全く集中できていませんでした。
それに加えて私が気になったのは野良猫の存在。
以前は見られなかった野良猫をあちこちで目撃するようになり、あるお宅の敷地では10匹以上の野良猫を目にしました。
餌を与えているのか幾つも皿が並んでおり、急増の原因はここにあるのかもしれません。
今後この野良猫たちが繁殖を繰り返すことによりミフウズラにとって大変な脅威となることでしょう。
全く視界に入らないミフウズラとは対照的に否応なく目に入るのはツバメチドリ。
作付前のサトウキビ畑だけではなく道路に出ている個体も多く、そこかしこで観察することができました。
こちらは秋田で見ることができないセッカ。
旅先ではよく目にするものの撮影となると一筋縄でいきません。
しかし宮古島に限っては容易に撮影できるのが不思議です。
お目当てのミフウズラをなかなか見つけることができずにいましたが、やっとの思いで見つけたのはこちらの個体。
道路を横断する姿を目撃し、暫く様子を伺っていると道路脇の繁みに出たり入ったり。
そこで進行方向へ先回り。
待ち伏せした結果、予想通りの行動を取ったためやっとの思いで観察に漕ぎ着けることができました。
その後は遠巻きながら親子連れを二度見ただけに留まりミフウズラの観察は終了。
9時を過ぎると途端に出が悪くなるという経験則から他の鳥類の観察へ。
過去に足を運ぶことのなかった地域を散策していると偶然にもオニアジサシを発見。
想定外の出会いに歓喜しましたが休憩中だった為かオニアジサシはほとんど動かず。
そこで干潟の様子を見に行ってみるとカラシラサギを発見。
こちらの干潟では、アカアシシギ・キョウジョシギ・チュウシャクシギ・オオメダイチドリが見られ、シギチの渡りが始まっているようでした。
また移動した先ではヘラサギとクロツラヘラサギの混群も。
こちらではクロハラアジサシも見られましたが、いずれも休憩中でほとんど動きは無し。
この頃になると陽も高くなり気温は上昇する一方。
移動の途中で目撃したシロハラクイナの親子も陽炎の影響により今一つピントがシャッキリとしません。
滴る汗を拭いながらの観察でしたが、過酷とも思える気候を忘れさせてくれたのは宮古ブルーと称される美しい海。
東洋一と言われるだけあって何処を見ても美しいグラデーションが広がります。
私にセンスがあればより良い写真になったと思いますが、素人の私でさえ見栄えの良い写真が撮れてしまうのは宮古島マジックと言ったところでしょうか。
観察そっちのけで風景の撮影を楽しんであるとあっという間に正午を迎えようとしており、午後からは伊良部島へ行ってみることに。
午後からの様子は後日更新の日記へ続きます。