2016年6月5日 19/14℃ 曇りのち晴れ
『吾輩は蚊が嫌いである』
かの有名な某長編小説のタイトルをパクったような今回の日記、私は蚊が大嫌いです。
勿論好きなんて人はいないでしょう。
私の場合、人一倍過剰反応するほど嫌いで蚊に刺されるくらいならハチに刺された方がいい。
それくらい嫌いなのです。
これは鳥屋にとって致命的。
これから秋の渡りのシーズンまで非常に悩ましい問題。
今日はそんな蚊を恐れる私がシマ蚊に集られながら観察するお話。
例年5月下旬ともなればアカショウビンの話題をよく耳にします。
あれだけインパクトの強い鳥ですから鳥屋じゃなくても一度は見てみたいと思う人もいるのではないでしょうか。
そんなアカショウビンと人気を二分するがサンコウチョウ。
♀のサイズは18cmですが成鳥♂のサイズは45cm
これは♂が特別大きいのではなく長い尾羽によるもの。
その長い尾羽とコバルトブルーのアイリングが特徴で非常に人気のある鳥です。
サンコウチョウに関しては「そのうち見れるだろう」と、そんな気持ちでいましたが「そのうちorいつか」はそうそう訪れない。
やはり『観察するんだ』という気持ちにならないと見れない鳥だけに、去年ようやく重い腰を上げましたが長い尾羽の個体はチラッと見ただけで終わっていました。
今年こそと今回は万全を期しての観察。
シマ蚊に集られても全く問題無いという装備で杉林のなかへ。
(イメージ写真)
早朝の時間帯はやや靄がかかっていましたが、林の奥からは口笛にも似たサンコウチョウの独特な鳴き声が聞こえてきます。
声のする方に奥へ奥へと進むと蚊に囲まれますが今日はへっちゃら。
俺・最強( ノ∀`)
鳴き声が近くなり、不意に目の前に現れた茶褐色の鳥。
サンコウチョウ!
しかし残念ながらこちらは♀のようで尾羽が長くありません。
こちらの個体を見掛けた後は辺りからパッタリと鳴き声が聞こえなくなり、しばらく
林のなかを彷徨っていると何やら動物の気配。
|д゜)チラッ
この辺りには何頭ものリスがいて枝から枝へ駆け回る様子が見られました。
なかには身嗜みを整える子もいて入念にお手入れをしているようでした。
尻尾は匂わないかな?クンクン
まぁ冗談ですけどね。
リスの観察も程々にサンコウチョウを探して歩いていると林のなかを高速で移動する鳥が頭上を通過していきました。
サンコウチョウ!と呟き飛んでいく先を確認しますが枝と枝の間をすり抜けるようにして飛び一瞬で視界から消えてしまいます。
でも遠くへ行くことはなく至近距離で囀ずり始めたので、こっそりと歩を進めようやく尾羽の長い♂を目視で確認。
しかし肝心な時に装備が邪魔で撮影しにくい(´Д`)
先ずは証拠写真でもと思いシャッターを押しますが・・・
ピントが枝にきて尾羽が切れてしまってる。
この写真、尾羽の長さがよく分かり色合いもバッチリなことから非常に悔しい。
カメラの設定を変えようと一度目を離すと既に姿はなく、辺りをヒラヒラと飛んでおり完全に遊ばれていました。
しかし肉眼でホバリングする様子を見れたりと行動を観察する意味ではいい機会となり、しばらくするとまた似たような位置に止りました。
今度は尾羽が切れてませんが、見上げる角度になってしまい特徴的な尾羽が短く感じます。
一度飛び立つと見えない位置に止り、そして再び同じような場所へ戻ってきて囀ずり始めました。
いわゆるソングポストなのでしょうか。
なかなかイメージ通りの写真を撮ることが出来ませんが、至近距離で聞く囀ずりは耳の中でこだまするようです。
サンコウチョウに夢中になっていましたが、気がつくと林の中へ入って5時間が経過していました。
防護服のせいで一切水分を摂っていなかったことから、体調のことも考慮して今日の観察はここまで。
来週は別の鳥を観察する予定ですが、サンコウチョウ観察は近いうちにまたチャレンジしたいと思います。
おしまい。