2017年1月8日 6/-4℃ 晴れ
前回からの続き。
トラフズク調査を終えた後は沿岸地域へ場所を移動。
とある漁港にアビが入っているとの情報を土曜日に頂きましたが当日は仕事で観察に出ることができなかった為、こちらがまだ抜けていなければと思い足を運んでみました。
情報のあった漁港に着くと日頃フィールドで顔を合わせる先輩方が既に観察中で久しぶりに大きなレンズが並列です。
レンズの向いてる方向を見みると「こっちこっち」と言わんばかりに足振ってお出迎え。
年末に観察したオオハムやシロエリオオハムも同じ類いの鳥とあって見た目も行動もよく似ています。
このように足を振ってる時はもう一方の足で舵をとっているようで、足を降り終わると羽の内側に足を格納していました。
ゆっくりと腰を据えて観察していると羽繕いからストレッチ的な羽ばたきを何度か披露。
サービスの良い子です。
この個体は羽ばたきと同時に首を捻っていましたが、ちょっとやり過ぎなんじゃないかと思う時も。
180°反転してる。
ムチウチなりそう。
しばらく見ていると近付いてきたはずのアビが漁船の影に入ったところで姿が見えなくなりました。
おそらく潜水したのだろうと思い浮上してくるを待っていましたがこれがなかなか出てこない。
英名にDiverと名が付くだけあって潜水の達人。
姿が見えなくなって5分以上経過したところでようやく浮上してきました。
かつて瀬戸内海では潜水して海底から海面に魚を追い上げる『アビ漁』が行われていたようですが、海砂の過剰採取などで海底が荒れ過去の物語になっているとか。
名前こそ聞いたことがあったものの調べて初めて知りましたが、実際のところアビ漁はシロエリオオハムが主役だったようです。
さて浮上したアビは観察をしていた位置からやや離れた場所をプカプカしていましたが、時間が経つごとに漁船の往来が激しくなり漁港の中を右往左往。
人とは一定の距離を保とうとしていたアビも堪らず漁船から逃れるようにしてこちらに向かって泳いで来ることがありました。
これはチャンスと言わんばかりに先輩方に混ざって私も連写。
心なしか私が1枚撮影している間に先輩方のカメラは2枚撮影できているようなシャッター音。
性能が良いんだろうなと思いつつ撮影をしていましたが、アビはどんどん近付いてきて目の前を横断していきました。
この時に撮影した画像を1枚拡大して顔の特徴を分析。
オオハムやシロエリオオハムとは違って嘴がやや反っているのが特徴。
陽射しを浴びると目が赤い色をしてるのが分かります。
漁港でよく見るカイツブリの類いも赤い目をしていますが、潜水する鳥には幾つか共通点があるようです。
特別海が荒れている訳でもなく穏やかな天気でこのようにしてアビを観察できるのは珍しいことで、いつも以上に撮影枚数が増えていきました。
他の地域で同じような状況にあるのか分かりませんが、やはり今年の秋田はアビの類いが当り年になっているようです。
穏やかな天気でお腹いっぱいの観察。
盛り沢山となった日曜日の観察日記はこの辺でおしまいです。