2021年7月9日(午後)
前回の続き。
日程2日目の午前は早朝からミフウズラを複数個体観察できましたが、8時半を過ぎた頃には出が悪くなってしまったので観光を兼ねて伊良部島を目指しました。
宮古島と伊良部島を結ぶ伊良部大橋からの景色は想像以上で野鳥観察の時間を潰してまでも眺めていたいと思わされるほど。
伊良部島ではエリグロアジサシのコロニーを見つけ思いがけず雛も観察できましたが、近くで観察するばかりではなく絶景を活かして海を背景にしたエリグロアジサシも撮影。
宮古島入りをしてからは時間を持て余すということが一切無く、一分一秒何をしていても楽しいと感じさせられました。
午後からは観光地巡り第2弾となる東平安名岬(ひがしへんなざき)へ。
東平安名岬は宮古島の南東端に位置する半島で、日本の都市公園百選にも選ばれている国指定の名勝です。
東平安名岬を目指し再び伊良部大橋を走行していると停車帯には大勢の観光客が。
皆さん伊良部大橋から望む絶景を写真に収めているようでした。
私も右に倣って記念撮影。
もっと画角を広く取れると見たままの景色を再現できますが、残念ながらそのような機材は持ち合わせておりません。
せっかくの景色を再現することができずモヤモヤしていると水面に何かが浮かんでいるような・・・
「ウミガメだ」
慌てて車から望遠レンズを取り出して撮影。
息継ぎをする為に浮上してきたのかウミガメはあっという間に水中へ。
ほんの一瞬の出来事でしたが幸運にもウミガメを見ることができ望外の喜び。
何処を見ても何をしても楽しく感じられなかなか目的地に辿り着くことができませんが時間には限りがあります。
ウミガメをもう一度見たいという気持ちをグッと堪え目的地を目指すと、あと僅かで到着というところで目の前をベニアジサシが飛翔。
東平安名岬の灯台を正面に見るとベニアジサシが左右の崖下へ行ったり来たりする様子が見られ、岬手前の道路を下った漁港から観察できるように思えました。
そこでベニアジサシの後を追うように岬を下ってみるとベニアジサシだけではなく少数のエリグロアジサシも見られ、伊良部島で見たものとは一味違った光景が。
浜辺にはベニアジサシが沢山。
羽を休める個体のなかには交尾してるペアも確認。
浜辺から少し離れた岩礁がコロニーになっており、こちらでは繁殖中のペアをあちこちで見ることができました。
コロニーの直ぐ傍ではサップと呼ばれるマリンレジャーを楽しむ水着姿のお姉さんも見られ一体どっちを観察するべきか。
冗談はさておき、人の気配も気にすることなく暮らすベニアジサシたちをひたすら撮影。
ここでは綺麗な海や岩礁を背景にしたりと観察よりも撮影を楽しむことに。
腕の悪い私でも景観が良いとこんな写真が撮れてしまいます。
ベニアジサシもエリグロアジサシと同様に足を海水に浸す様子が見られましたが、何気ない行動を写しても海が綺麗だけにどの写真も見栄えが良くなりました。
海を背景にしての撮影に夢中になっていると頭上を行き来する個体も多く見られたことから今度は青空を背景に飛翔シーンの撮影です。
太陽の角度が良かったのか、たまたま写す方向が良かったのかは分かりませんが青空が濃く写りいつもとは違った写真に。
撮影した画像がこの様に仕上がるのも宮古島マジックの一つかもしれません。
ベニアジサシを撮影しているとエリグロアジサシとも違うアジサシが1羽混ざっていることに気が付き、取り合えず証拠写真を残そうと闇雲に連写。
下に写るのはベニアジサシ。
明らかにベニアジサシよりも体長が大きく翼上面の色も異なります。
画像を拡大して確認してみたところマミジロアジサシということが判明。
マミジロアジサシは東平安名岬沖に浮かぶパナリ岩礁周辺で見られるようですが、運が良ければ東平安名岬でも観察できるようです。
マミジロアジサシを見るのは初めてとあってもっとじっくり観察したかったのですが、あっという間に遠ざかり沖の方へ飛んで行ってしまいました。
目の前で乱舞するアジサシ類に夢中になっていましたが、直射日光を受けての観察は体力の消耗が著しく汗が止まりません。
喉の渇きも尋常ではなく撮影はエリグロアジサシを最後にして一旦休憩。
灯台から望む景色を堪能する予定でしたが、一度体を休めるとドッと疲れが押し寄せ灯台まで歩く気力が残っていませんでした。
翌日も東平安名岬周辺で観察を予定していたことから、この日は一度宿へ戻りシャワーを浴びて体をリセット。
汗を流し水分をしっかり摂ったことで夕方からの観察に気力が戻ってきました。
夕方からは前日と同様に大野山林で観察を行いましたが、前日とは撮影ポジションを変えてみることに。
この日も始めに見られたのはオオクイナ。
こちらは雄の個体ですがヒヨドリの幼鳥たちと水浴びをしていました。
続いてやって来たのは雌の個体。
前日の反省点を踏まえてこの日は画質を優先。
超スローシャッターでの低感度撮影だった為、少し動きがあるとこの様な写真になってしまいます。
来る個体、皆同じように蜘蛛の巣にまみれており糸を取り除こうとしている様子がはっきりと見ることができました。
糸が丈夫な為か水浴びと掻きを繰り返しても完全に取り除くことは出来ないようです。
無防備に姿を現す割に水浴びを終えるとそそくさと駆け足で居なくなる様子は前日と変わりませんでした。
オオクイナと入れ替わるようにして姿を見せたのはキンバト。
こちらも行動は前日と変わらず池の周辺で採餌をしているようでした。
暫く採餌を続けると池の水を吸引。
キンバトはこの日も水浴びをすることはなく、採餌を終えると暫く同じ場所で羽を休めていました。
一方で引っ切り無しに水浴びをするのはリュウキュウアカショウビンとリュウキュウサンコウチョウ。
どちらも水浴びは一瞬であることから超スローシャッターでの撮影は不可。
そのため止まっている姿を撮影し、水浴びは肉眼で楽しむ形で観察を続けていると不意に何者かが近くに飛来しました。
しかしかなり暗い環境であるため何が飛来したのか今一つハッキリしません。
黒っぽく影のようになって見えましたがファインダー越しに確認してみると・・・
「道理で黒く見えた訳だ」
黒い物体の正体はカラスバト。
鳴き声は時々聞こえていたものの、まさか池に来るとは思わず想定外の展開です。
私史上一番近い距離であった為、どうにか鮮明に撮影することは出来ないものかと設定をいじくり回していたところカラスバトは池の対面側へ。
欲張った結果、鮮明に写す間もなく距離が離れてしまいました。
対面側に移動したカラスバトはキンバトと同じように池の水を吸引。
水を飲み終えると早々に池を離れてしまったためカラスバトの観察は僅かな時間でしたが、棚から牡丹餅とも言える展開に喜びを隠しきれませんでした。
カラスバト以外は前日と同じような顔ぶれでしたが、池での観察は次から次へと鳥がやって来るため休む暇はありません。
楽しい時間はあっという間で時刻を確認してみたところ19時になろうとしていました。
池から車までの道のりを考慮してこの日の観察はここまで。
日程2日目は早朝から日没まで鳥も景色も楽しむことができ充実の一日となりました。
日程3日目は漁船をチャーターして海上からアジサシ類を観察。
そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。