2022年11月28日
本日更新する日記は今月6日の観察分から。
週末毎に悪天候に見舞われた今秋。
この日も生憎の予報が出ており観察場所を何処にするべきか頭を抱えていました。
当日の朝、雲は多いながらも所々に青空が見える良いお天気。
良い意味で天気予報が外れてくれたもののいつ急変するか分かりません。
天候が崩れる前にと先を急いでいましたがこの日は少しだけ海岸へ寄り道。
海岸を眺めてみるとハマシギとメダイチドリの群れが見られ波打ち際で採餌をしているようでした。
その様子を風景の一枚として切り取ってみようと思ったところ、群れから離れつつあった2羽のハマシギが徐々にこちら側へ。
当初はこんなに大きく撮影するつもりはありませんでしたが、この様に相手側から寄ってもらえると嬉しいものです。
目の前で採餌するハマシギを眺め「今日はこのまま海岸で過ごすことも良いのではないか」と思わされる一幕。
この時は敢えて逆光での撮影も。
一つ作品として写真を撮る方にとっては特段珍しい事ではないのかもしれませんが、記録として撮影する私にとっては珍しいケース。
普段この様な撮り方をしないこともあって風変わりで楽しくも感じました。
海岸での観察を終えた後は恒例の珍鳥探しへ。
未見の鳥を発見できたらと足で稼ぐ探鳥を行いましたが鳴き声どころか気配すら感じられず...
普通種も見当たらない様子に首を傾げましたが、車で回る定番ポイントも同様の状態でした。
空振りの連続に男鹿半島での探鳥を終えようとした頃、淡色の小鳥が頭上を通過。
何らかの珍鳥であることを疑い「降りてくれ」と願いながら行く先を目で追っていると比較的近場へ降りたことを確認。
飛ばさないように車を移動し種の同定に入ると...
淡色の小鳥はコヒバリと判明。
私にとっては2020年3月以来、二度目の観察となります。
足で稼ぎ探し出すことを目的としていた為、異なる形での観察になってしまいましたがようやく空振りの連続から脱出することが出来ました。
こちらのコヒバリ、周囲の状況に敏感。
その割りに車道近くで採餌をすることが多く、車やバイクが通る度に遠くへ飛んでいました。
一度姿が見えなくなると次に姿を見せるまで約1時間。
現れたと思えば舗装道路へ出たりと掴み所がありません。
こちらは拡大画像になりますが羽に擦れや磨耗が目立つ個体であることが見て取れます。
今回の観察において一番の収穫だったのは鳴き声を頻繁に聞けたこと。
飛び立ちの前に発する声はヒバリのように濁っておらず、活字で表すと『ピュリリッ』といった優しい印象。
もっと沢山観察したかったのですが時間の経過と共に出が悪くなったことから正午を過ぎたところでコヒバリの観察を終了しました。
午後からは遅れ馳せながら今季初の大潟村へ。
間もなく大潟村へ到着といった頃、前方を横切るハイタカを目撃。
それと同時に目にしたのはムクドリの群れ。
ハイタカがムクドリの群れを追い回しているように見えます。
群れのいずれかの個体に狙いを定め襲いかかるのではと様子を見ていたところ様子が一変。
何処からともなく現れたムクドリの群れが合流し大群になると波打つように飛翔しハイタカを追随。
形勢が逆転しハイタカが逃げるような展開に。
小学生時代、国語の教科書に載録されていたスイミーを思わせる光景に驚き。
最終的には勇猛果敢な個体がハイタカにアタック。
ハイタカを追い払うと群れは丘を越えて視界から消えていきましたが、稀に見る場面であったと思います。
程なくして大潟村へ入ると第一印象として受けたのはガンの少なさ。
例年であれば四方八方の空にガンの飛ぶ姿が見られ賑やかな雰囲気ですが今年は一体どうしたものか...
一部地域だけの確認であったため正確性に欠けますが特にヒシクイが少ないと感じました。
ハクガンは2ヶ所で確認でき総数としては400~500羽程といったところ。
近年は10月下旬に本隊が到着していることからハクガンに限って言うと渡りが遅れているようです。(11月6日時点)
あくまでもこの日は様子見という形で大潟村へ入ったため早々に場所を移動しようと考えていましたが、今季初ということもあり飛び立ちの瞬間を待つことに。
しかし一向に飛ぶ気配がなく諦めようと思った頃、近隣にお住まいの方が群れに接近。
警戒したガンの群れは一斉に飛び立ちました。
今季初の飛翔シーンは光線の状態が悪く少々残念な結果に。
群れが飛び立った後には虹が見え、風景の一枚として飛翔するマガンを撮影。
遠退くガンを見送ってこの日の観察を終了としましたが、悪天候の予報にも関わらず盛り沢山の一日になったと朝からの観察を振り返り大潟村を後にしました。
昨年と同様に厳しい冬になるという予報も出ていますがガンの群れは一体どのような動きを見せるのか...
今後の動向に注目です。
本日の観察日記はここまで。