2022年3月19日
本日更新する日記は旅先での鳥見を綴る観察旅行記。
週末毎に荒れ模様だった長い冬もようやく終わりを迎え、秋田県は少しずつ春の陽気を感じられるようになりました。
今回は本格的な春を前に季節を先取りしようと地元を離れ南の地域へ。
旅の目的地はこの時期にソメイヨシノの開花が発表される宮崎県。
例の如く羽田空港を経由して宮崎県を目指しました。
宮崎ブーゲンビリア空港には定刻より30分遅れて14時20分に到着。
2泊3日と短い旅の初日は移動日として考えていた為これといった目的はありません。
いつもは慌ただしいスケジュールで行動していますがこの日は風の吹くまま車を走らせてみることにしました。
空港を一歩出ると台風が通過しているかのような強風。
当初は海沿いを回ってみようと考えていましたが風の影響が強過ぎてまともに観察出来そうにもありません。
そこで観察場所を内陸側の河川に切り替え川沿いを移動してみることに。
場所によっては桜が満開になっており田植えの終わった水田も見られたりと季節感のギャップに戸惑いを感じます。
観察しやすそうな河原を見つけ周辺をチェックしてみたところアオアシシギを発見。
シギチもそろそろ動き出しているようです。
秋田でアオアシシギが見られるのは1ヶ月以上先になるので鳥相からも季節感の違いを感じ河原には菜の花が咲いていました。
河原ではコチドリのペアも見られたことから菜の花を前ボケにして撮影。
空港周辺ほどではありませんでしたが内陸側も風が強く、手持ちの撮影に四苦八苦していたところ風に煽られながら飛ぶ1羽のサギに目が点..
棚から牡丹餅、アカガシラサギが飛来。
探鳥力の無さを運でカバー。
我ながら本当に運が良いと思います。
アカガシラサギはブロックの上に止まると強風を堪え忍んでいるように見受けられました。
これといった動きは見られませんでしたが突風に煽られて飛び立つと一気に下流側へ。
大回りをする形で私も下流側へ移動してアカガシラサギの行方を追いましたが残念ながら発見には至らず..
捜索している際にはヤマセミも見られ時間に余裕があればもっと沢山の鳥を観察することが出来たでしょう。
初日の探鳥は出だしが遅かっただけにあっという間に終了。
短い時間でしたがそれなりに観察を楽しむことができ幸先の良いスタートを切ることができました。
宿泊先は宮崎駅の真横だったこともあり夜は駅ビルの一角で当地名物を頂きほろ酔いになったところで周辺を散策。
駅ビルは船のような見た目をしておりシンガポールのマリーナベイサンズを模したデザインなのかもしれません。
駅周辺は再開発が進み私が若かれし頃に見た風景とは一変していました。
2022年3月20日
日程2日目。
この日が旅のメインイベント、釣り船に乗ってカンムリウミスズメの観察です。
以前も同じように観察を行いましたが今回は2回目ということもあり観察にあたって段取りは非常にスムーズ。
以前の旅行記は下の画像をクリック。
カンムリウミスズメを観察できるのは宮崎県の北部に位置する門川町の沖合い。
陸地からも見える枇榔島が世界最大の繁殖地となっており、日本近海に生息する個体の半数以上が枇榔島周辺の海域に生息しているようです。
そのためカンムリウミスズメをじっくりと観察するには絶好の場所と云って過言ではないでしょう。
枇榔島に最寄りの門川港は宮崎ブーゲンビリア空港から有料道路を使用して約1時間半。
午前9時半の出航に合わせ余裕を持って宿泊先の宮崎市を出発しました。
ネイチャークルーズとは違い観察に用いる船は釣り船であることから観察は釣り客の瀬渡しの合間に行われます。
その為、乗客が一人であっても料金は一律。
貸し切り料金というのは発生しません。
前日の様子から海況が心配だったものの風も穏やかになり青空の下、門川港を出航しました。
港を出て間もなく見えてくるのが枇榔島。
保護の観点から観察目的での上陸は禁止されておりカンムリウミスズメの観察は枇榔島周辺で行います。
船長の意のままに船は進みますが、カンムリウミスズメの捜索は自ら行う必要もあり気を抜くことができません。
暫く捜索を続け始めに見ることができたのは2羽で泳いでいた個体。
前日に吹いた風の影響でうねりが強く撮影は難儀させられましたが比較的近い距離から見ることができました。
この時に見られたペアは逆光側に泳いでしまったことから順光側に回り込むよう船長にお願いしましたがなかなか上手いこといきません。
ここで船長から『愛想いいヤツ探しましょうか』との提案を受けて他の個体を探しましたが、これがなかなか見つからず..
かなり広範囲に船を動かしてもらえたものの全く見つからず時間は過ぎていくばかり。
「こんなはずでは..」と思い諦めかけた頃、やっと2羽を発見することができました。
しかしこちらの2羽も船を気にしている様子。
思ったような観察をすることができません。
想定ではあちこちで見られるはずでしたが午前中いっぱいかけて船を動かしてもらった結果、観察することができたのは4羽のみ。
当初の予定では日程2日目と3日目の午前中にカンムリウミスズメの観察を計画していましたが、翌日は雨天の予報が出ていたことから午後便で再びチャレンジすることに。
果たしてこの変更が吉と出るか凶と出るか。
港へ戻ってからは門川港にある海鮮料理店で腹ごしらえ。
お店の屋号は『うみすずめ』とカンムリウミスズメの繁殖地にぴったりの名前ですが、お店のご主人はカンムリウミスズメのことはほとんど知らないとのこと。
無知なご主人に笑わされましたが注文した魚のフライ定食にびっくり。
盛りが凄い..
ひっきりなしにお客さんが入っていたことから地元では評判のお店のようです。
仕切り直したところで14時の出航時刻を待ちましたが午前の天気とは一変して風が強く水面は波立っていました。
海況が変わったことで観察が難しくなってしまうことは容易に想像でき、不安を抱えての出航となりましたが想像以上に海は大荒れ。
しかし午前の観察が嘘のようにあちこちでカンムリウミスズメを見ることができました。
2羽のペアから始まり3羽を発見。
続いて5羽の群れも。
但し波の影響が強く正直なところ立っているのがやっとで撮影どころの話ではありません。
せっかく近くで見られた個体もフレームに入れることができずピント合わせ以前の問題。
闇雲にシャッターを押して1枚でも当たりがあればいいといった状態が続きました。
波飛沫を浴びてずぶ濡れ濡れになりながらの撮影は防水対策をしていなければ大変なことになっていたでしょう。
撮影は困難を極めましたが羽ばたく姿など様々なシーンを見ることができました。
こちらは飛び立ちのシーン。
午後からは約30分の間に20羽以上見ることができ午前のストレスを発散することができたものの、波の影響を強く受けてしまったのは悔やまれます。
しかし悪天候で出航できない日を考えると無事に観察できただけでも二重丸として良いのではないでしょうか。
あっという間の一日でしたがまたいつか機会を作って足を運ぶ旨を船長に伝え門川港を後にしました。
宿泊先に戻り少し休憩を挟んだところで駅周辺を散策。
前日に比べると早い時間だったこともありWithコロナを思わせる大変な賑わいでした。
この日頂いたご当地名物は宮崎牛のサーロインステーキ。
某チェーン店とは比べ物にならない美味しさであっという間に完食。
更に霜降りハンバーグも追加で頂き、贅沢三昧な夜となりました。
日程最終日は九州らしい観察ができればと車を走らせましたが、そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。