2022年5月23日
本日更新する日記は5日の観察分から。
連休最終日となったこの日、何をターゲットにして何処で観察を行うか非常に悩みました。
飛島の様子からホオジロ類の珍鳥が見られる可能性が高く、ムシクイ類も数を増やしていたことから徒歩での探鳥も有りでしょう。
ただ一つ気になったのはお天気。
晴天が続き鳥の移動が活発になることで下手をするとドライブや散歩をしただけで一日が終わってしまいます。
何となく空振りで終わりそうな予感がしたことからこの日も前日と同様にシギチの観察をすることに。
先ずは前日アカエリヒレアシシギを観察した海岸へ足を運んでみるとキョウジョシギとキアシシギが入っていました。
小規模の群れでしたが警戒心が緩く間近での観察を許してもらえたことからじっくりと腰を据えて観察。
キョウジョシギは翼上面の斑模様が和名の由来となっています。
京都の女性が着る着物のような色彩をしていることから『京女』となったようですが実際のところはどうなのでしょうか。
気になって調べてみたところ和傘を持った綺麗なお姉さんの写真がずらりと並び、お姉さんをチェックするだけで何の参考にもなりませんでした。
取り合えずイメージとしては着物を着た京都の女性ということで。
キョウジョシギを観察していていつか見てみたいと思うのは石をひっくり返す行動。
この日は他のシギチと同様に波打ち際で砂地に嘴を挿し込み採餌をしていましたが、キョウジョシギは石をひっくり返して餌を探すことがあるそうです。
これが英名『Ruddy Turnstone』の由来となっているのだとか。
過去の観察では海岸で貝殻を掬い上げるような仕草を見せたことがあり、今となっては納得できる行動。
私が観察するうえでキョウジョシギが入る環境に適当なサイズの石が無いため英名にちなんだ行動を見ることは難しく、果たして願いが叶う日は来るのか..
観察中は大きく撮ってしまったため適当な距離からも撮影。
写真のバランスとしてはこれくらいが良いと思います。
写真の好みは人其々ですが、近年は自分のなかでもだいぶ変化してきました。
また写真の扱い方によっても撮影の仕方は異なってくるでしょう。
プリント前提なのかWebに掲載するのか、はたまたパソコンのモニターで見るだけなのか。
今は無くなりましたが嘗て年に2回ほど写真をプリントする機会があり、大きく写した写真ほどプリントするとかなり印象が変わりました。
嘗てプリントした写真にがっかりさせられた経緯を踏まえ、現在はできるだけ環境を取り込んだ撮影に心掛けています。
前日観察できたアカエリヒレアシシギの姿が見られなかったことからキョウジョシギの観察を終えたところで農耕地へ移動。
水の張った田んぼを見て回りましたがアカエリヒレアシシギは何処にも見当たりません。
どうやら旅立ってしまったようです。
アカエリヒレアシシギは見られませんでしたが農耕地ではチュウシャクシギとムナグロを沢山見ることができました。
ムナグロを眺めていたところ群れの中に赤褐色の鳥が混ざっていることに気付き、よく見てみるとサルハマシギと判明。
サルハマシギは数少ない旅鳥として全国で見られますが、近年シギチの渡来数が少なくなった秋田県において観察の機会は多くありません。
サルハマシギに出会えこと自体嬉しかったのですが、特に嬉しかったのは換羽の状態。
今まで見た個体のなかでも一番美しく完全な夏羽に換羽しているようでした。
この時期は当たり前のように見られるムナグロの群れですが、今回のサルハマシギのように別の種が混ざってることが多く丁寧なチェックが必要だと改めて思わされた一幕。
暫く観察を続けるとムナグロの群れが徐々にこちら側へ向かってきたことから間近での観察を期待しましたが不意に群れは飛び立ち遠ざかってしまいました。
群れが降りた田んぼを観察するには逆光の位置であったことから観察を断念。
次に探したのはツルシギ。
嘗てこの時期になると真っ黒に換羽したツルシギを見ることができていましたが、渡来する環境が変わったことで近年は目にしていません。
空振り覚悟でツルシギが渡来していた場所を中心に探してみましたが残念ながら見当たらず。
しかしその途中にはアカエリヒレアシシギを見ることができました。
まだ残っていたのかと双眼鏡を覗くだけで通り過ぎようとしましたが、付近に白っぽい鳥を発見。
よく見てみると冬羽のアカエリヒレアシシギでした。
冬羽の個体と夏羽の個体が接近するまで待っての撮影です。
盆と正月が一緒に来たような気分。
更にこの場所から然程離れていない場所ではオオソリハシシギを発見。
よく見てみると少し換羽が進み夏羽に移行中のようでした。
ただこちらの個体、どうも片足を傷めているようで足取りがおぼつかずこの先の旅路が心配。
無事目的地へ渡ってくれることを祈ります。
この後は大潟村の野鳥観察舎へちょっと寄り道。
チュウヒの様子を観察していましたがスコープを覗いていたところ偶然にもサンカノゴイを発見。
いつか見たいと思っていた鳥を目にしたことで大喜びでしたが問題だったのは証拠写真の撮影。
一眼レフで撮影を試みたものの上手く写すことが出来ません。
苦肉の策として思い付いたのはスコープにスマホを押し当てての撮影でした。
撮れた画像は間違い探しのレベル。
見るに堪えません。
正直なところ自分でも何処に写っているのか分からないくらいなので、画像を拡大した上で赤線で囲ってみました。
【拡大写真】
【加工写真】
赤線で囲うことにより何とか分かりますが、いつかもっと良い条件で見てみたいものです。
このサンカノゴイ騒動で大きく時間を割いてしまったことから、この日の最後はタカブシギを見て終了。
楽しかったGWもあっという間に終わりましたがその代償として翌日からの仕事は地獄のようでした..
本日の観察日記はこれにておしまい。