2022年7月4日
旅行記の更新途中ですが今回は一旦お休みをして本日更新する日記はバンの観察記。
話は遡り先月11日のこと。
ヨシゴイの観察を終えて間もなく、細い水路の中を動く小さな黒い物体を目にしました。
黒い毛玉のような物体はバンの雛。
黒い毛玉のような見た目はクイナ科の鳥に共通する特徴。
バンについては図鑑によって『日本へ夏鳥として渡来する』とありますが、実際のところ留鳥として見られる地域もあり夏鳥として見られるのは北日本になるようです。
また漂鳥として国内を季節移動している個体もいる可能性があり、その為か秋田で見られるようになるのは3月下旬~4月上旬頃と夏鳥としては渡来が早め。
コチドリと同時期に渡って来る印象です。
水路を凝視していると草の陰を動くヒヨコも見られ一体何羽いるのか...
鳥類は孵化して間もなく歩き出す種が多く、このバンについても同様。
見た目から孵化後10日ほど経過していることが分かりますが(頭頂のハゲ具合いからの判断)親鳥の後を追って活発に動く様子が見られました。
可愛らしいヒヨコたちは動画でも撮影。
映像を見ても分かる通り足取りはヨチヨチというような辿々しいものではなく素早く動き泳ぐこともできるようです。
時々水草に足を取られて転ぶような場面も見られ、ヒヨコならではの光景に笑みが溢れました。
ヒヨコたちを見ていると草の陰から親鳥の鳴き声が。
その声に反応するようにヒヨコたちが一斉に動き始めました。
ここで私は先回り。
少し先の場所が開けており、通過していく状況を見ることができるだろうと待機していると...
親鳥が顔を覗かせ周囲の状況を確認しているようです。
不用意な動きをせず黙って様子を見ていると安心したのかこちら側へ出てきました。
親鳥の後をついてきたヒヨコたちも姿を見せ始めると目の前は雛祭り状態。
画像には全ての個体は写っていませんが確認できたヒヨコの数は8羽。
草の陰で見えない個体も居たことから総数にすると10~12羽くらいの数になるかもしれません。
一回にどれくらいの数が繁殖するのでしょうか。
産卵数が多く、孵化直後に歩き出す鳥は前途多難。
無事に育つ個体の数は少なく日に日に数が減ってしまうことも多いようです。
その要因として挙げられるのは天敵による捕食。
残酷なようですが現実問題として「この中から生き延びることができるのは何羽になるのか」と考えていると、自由気ままに動いていたヒヨコたちが一斉に集まりだしました。
何事かと思い注視していると...
どうやら給餌のため親鳥が戻ってきたようです。
給餌を待つヒヨコたちの姿が可愛らしい。
別の場面でも同じような場面が見られたことから、もしかすると「おねだり」のポーズなのかもしれません。
この時は可愛いポーズも虚しく素通りしてしまいましたが...
気になるのは何を餌として与えられるのか。
自ら餌を探すような姿が見られたもののはっきりと何を食べているのか分かりませんでした。
そこで給餌のタイミングを狙って撮影した画像を拡大してみたところ、粒状の黒い物体を与えていることが判明。
例えて言うならキャビアが一番近いように見えますが流石にチョウザメは居るはずもなく...
結局のところ何を餌として与えているのか分からないまま観察を終えました。
バンは年に2回繁殖をすることもあり、無事に成長した雛のいずれかが親鳥のヘルパーとして新たな子育てを手伝う日が来るかもしれません。
ここからは本来予定としていたイワツバメの観察記をちょっとだけ。
例年7月頃に観察を行っているイワツバメですが、その頃は巣立ちを迎えた後になることが多く今季は少し時期を早めて観察を行いました。
繁殖が見込まれる某所へ行ってみるとイワツバメの巣が沢山。
建物を一周してみると西側の方角を除き三方に巣を確認できました。
一番数が多かったのは南側。
こちらにはスズメによるものと思われる巣の乗っ取りも見られ、今後どうなることかと眺めていたところスズメが飛来。
しかし飛来したのはスズメではなくニュウナイスズメであることが分かりました。
これには少々驚かされましたがイワツバメはお構い無しといった様子。
ひっきりなしに巣を行き来していたことからおそらく雛に餌を与えていたのでしょう。
なかには巣作りに励むペアも見られ繁殖の時期はまちまちなようでした。
イワツバメについてはまた日を改めて観察をできればと思いますが、他に調べを進めたい種もあり時間を確保できるか分かりません。
改めて観察できた場合、今回とは違った形で観察できればと思います。
本日の観察日記はここまで。
※旅行記の続編は6日(水)に更新予定です。