2023年10月23日
本日更新の日記は今月一日の観察分から。
終日雨予報が出ていた日曜日。
同じような件で前週も日記を更新していましたが、案の定予報は外れ晴れ間の見える朝を迎えました。
この日も懲りることなくタシギの観察を予定していたため、陽射しが差し込むお天気では光線の状態を考慮しなければなりません。
欲を言えば薄曇りのお天気を望んでいましたが、予報が予報だけに何時どう転んでもおかしくはないでしょう。
天候の変化を期待しつつ近所の農耕地へ繰り出すと早々にタシギを発見。
しかしこちらの個体は眠そうな様子。
距離も今一つという条件であったことから別個体を探してみると農道から程近い場所で難なく発見。
但しこちらは逆光状態。
条件が悪いだけではなく私を気にしてか緊張している様子が伝わってきます。
これでは良い観察ができないだろうと考え再び別個体を探して回ると、次に発見した個体は農道から直ぐ脇で見つかりました。
肉眼でも充分観察を楽しめるほどの至近距離であったためスマホで撮影してみると...
一見して田んぼを撮影しただけのように見えるこちらの画像は間違い探しのように思われるかもしれません。
同じ位置から望遠レンズで撮影するとこの通り。
フレームからはみ出しそうな画像となってしまい、絵面としてはいただけませんが観察にはもってこい。
この至近距離にも関わらず睡眠の姿勢を続け慌てるような素振りも無し。
活動を始めるまでどれ程の時間を要するか見当もつきませんでしたが、この場に留まり休憩が終わるまで待ってみることに。
長期戦になるのかと思いきや10分も経たないうちに動き出し、大きなミミズを引っ張り上げる場面を期待していたところ...
草の陰からこちらの様子を伺っています。
逃げ出すほどではありませんでしたが私を気にしている様子は火を見るより明らか。
これでは気持ち良く観察することができません。
こちらの個体は距離が近いだけで他にもっと条件良く観察できる個体がいるはず。
その様に考えこの場をそっと後にしました。
気持ちを新たに別個体を探しているとツメナガセキレイの鳴き声が聞こえたような...
ハクセキレイでもなければキセキレイでもない特徴的な鳴き声はほんの一週間前、石垣島で常時耳にしていました。
聞き間違えとは思えず鳴き声を頼りに捜索してみると、やはり私の聞き間違いではなかったことが判明。
この時3羽のツメナガセキレイを確認できましたが、画像を見ての通り冬羽に換羽していたため何の亜種であるのか判断つかず...
取り合えず其々の個体を撮影して特徴の掴める画像を残したい。
その様に考え3羽目の撮影に踏み切ろうとした瞬間、3羽もろとも飛び立ってしまいました。
慌てて双眼鏡に持ち換え行く末を注視しましたがツメナガセキレイは遥か彼方へ。
念の為にと飛去した方角を広範囲に探してみたものの残念ながら発見には至りませんでした。
地元でツメナガセキレイを観察する機会は極端に少ないため願ってもないチャンスでしたが証拠写真を残しただけに留まり無念の極み。
そんな折、聞こえてきたのはシギチ特有の鳴き声。
この時は種を特定できませんでしたが空を見上げるとムナグロの小群が目に入りました。
周囲を旋回するムナグロの小群は降りる場所を探しているように思え、見失うまいと注視していると徐々に高度を下げてこちら側へ。
画像を見ての通り背景に写る空は真っ暗。
冒頭でも述べた通りこの日は終日雨予報が出ており、同じ秋田市でも北部と南部では全く天気が違っているようでした。
自宅近くの農耕地から見る北の方角は黒い雲に覆われ大雨警報が発令されたほど。
話は前後してしまいますが、ムナグロの観察後に見た雨雲レーダーでは秋田市北部に活発な雨雲がかかっていることを示していました。
初冬にかけて冬型の気圧配置になると目まぐるしく天候が変わるため、真っ暗な空に虹が掛かることもあります。
これからの時期は虹を背景にハクチョウが飛ぶ姿も見られることでしょう。
話題を戻し、高度を下げたムナグロの小群は整地された豆畑へ。
いかにもムナグロが好みそうな環境です。
暫く様子を見てみると採餌する個体、睡眠の姿勢を取る個体と様々。
こちらには旅の途中に立ち寄り、束の間の休息を取っていたようです。
少し休むとまた旅を始めることでしょう。
無事に目的地へ辿り着くことを願うばかり。
ムナグロを観察することで少々時間が経過していたため、淡い期待を持ってツメナガセキレイを発見した場所へ行ってみると...
「いたー!」
と言いたいところですが期待も虚しくツメナガセキレイの姿はありませんでした。
ここで本来目的としていたタシギの観察を再開し、条件の良い個体を探して田んぼを巡回。
何故かこの日は休んでいる個体が目立ちなかなか観察に結び付く個体が見つかりません。
腹を着けて休むこちらの個体だけではなく、この日見つけた個体約50羽のうち9割の個体は睡眠の姿勢を取っていました。
活発に動いている個体が見つかっても画像から分かる通りこちらを凝視しています。
なかなか条件の良い個体が見つからず「次に見つけた個体が最後」と決めて出会った個体がこちら。
やはり寝ていました。
この日はタシギの休業日と理解するほかなく観察を終えようとしたところ...
おもむろに活動を開始。
俄に期待が高まり慎重にカメラを構えました。
伸びの姿勢も見せやる気満々。
この後には翼を広げ腋羽も見えるはず。
やっと巡ってきたチャンスを逃すまいとファインダー越しに動向を見守ると...
「おやすみなさい」
やはりこの日はタシギの休業日でした。
今思うとこれはこれで良かったのかもしれません。
私事になりますが、早朝からの勤務が連日のように続き現在も多忙な日々を送っています。
時間に追われる毎日はストレスと疲れが溜まる一方。
せめても自分の趣味の時間は大切にしたいと考えていますが、もう暫くの間は疲れ具合いに応じた観察にしたいと思います。
本日の観察日記はここまで。