2023年12月25日
本日更新する日記は先月23~24日の観察分から。
11月下旬の連休は4ヶ月連続・石垣島旅行第3弾と題して秋田を離れる予定でしたが出発前日に急遽旅行をキャンセル。
私を思い留まらせたのは地元の観察にありました。
この秋は地元での観察が好調であったため、この様な時に地元を離れるべきではないと判断。
この判断が吉と出るか凶と出るのか...
当初の計画を大幅に変更し23~26日の4間日は男鹿半島を中心に渡り鳥の探鳥に勤しみましたが、今回は前編と後編に分けて当時の様子を綴りたいと思います。
23日、羽田空港で合流するはずだった友人を迎え入れ男鹿半島へ。
観察を始めるにあたり手堅くオジロビタキからと考えましたが、行き掛けの駄賃で定番ポイントを覗いてみたところユキホオジロの姿が。
何という幸運。
この出会いだけでも旅行をキャンセルした価値があるでしょう。
秋田では11月の記録が多いユキホオジロですが、渡来数が少ないことに加えて観察日が限られてしまう私にとって出会いは運頼み。
こうした理由から狙って観察することの難しいユキホオジロですが、運良く出会えると車内から警戒させることなく見られるのが秋田の利点です。
間近で見るユキホオジロに大喜びの友人。
確認当初は遠慮がちに観察していましたが、警戒心の薄い個体だと分かってからは間近で観察することにより細部に渡って特徴を見ることができました。
一頻り観察を楽しんだ後はオジロビタキの滞在場所へ。
現地へ着いて耳を澄ませてみたもののオジロビタキの鳴き声は確認できず...
頻繁に鳴き声を発する鳥とあって、鳴き声が聞こえないとなると抜けてしまった可能性が濃厚です。
私にとっては大きな誤算でしたが簡単に諦められるものではなく、柿の木へ飛来する鳥を観察しながら様子を見てみることに。
こちらで友人に見てもらいたかったのはマーブルメジロ。
色素変異の個体を私が勝手に命名したもので亜種として存在するものではありません。
観察を重ねることにより今後どの様な変化が見られるのか楽しみにしていますが、この日は前回の観察から然程日数が経っていなかっため特段の変化は見られませんでした。
マーブルメジロを見ていると大型ツグミ類の混群が現れ、そのうちの1羽に変わった特徴を持つマミチャジナイを発見。
襟の部分が綺麗に部分白化しており、マミジロならぬエリジロといったところでしょうか。
複数飛来した大型ツグミ類のなかでもエリジロは特に食欲旺盛で柿を頬張る姿を何度も見ることができました。
こちらは見た目が普通のマミチャジナイ。
今季は見る機会が多いように思いますが単純に渡来数が多いのか、それとも今年の猛暑が影響しているのか。
猛暑の影響であるなら里に下りてくるクマと同じ理由が考えられます。
山間部では木の実が不作となっており人目につき易い場所へ飛来する機会が増えているのかもしれません。
マミチャジナイを中心に大型ツグミ類の観察を行いましたが柿の木にはヤマガラの姿も。
そのうちの1羽が赤ら顔をしており、こちらもカロテノイドの影響による色素変異を起こした個体なのでしょうか。
見た目の変わった鳥が集まる柿の木には一度だけキレンジャクが飛来する場面もありました。
しかしツグミがキレンジャクを直ぐに追い払ってしまい、柿を食べる姿は見ることができず...
こちらはキレンジャクを追い払い我が物顔で柿を頬張るツグミ。
本命のオジロビタキについては鳴き声を全く確認できず抜けたものと判断する他ありませんでした。
柿の木へ飛来する鳥たちを観察した後は広範囲に移動しながら珍鳥探し。
しかしこれといった発見はなく再びユキホオジロを眺めこの日の観察を終えました。
連休2日目の24日は大雨警報が発令されるなかでの観察となりました。
自宅を出発して間もなく、ワイパーを高速で動かしても視界が確保できないほどの降り方に先行きの不安を感じましたが、友人の待つ宿泊先へ到着する頃には小康状態に。
晩秋のこの時期、秋田での観察と言えばハクガン。
県外からお越しの方はほとんどがハクガンを目当てとするのではないでしょうか。
友人にもハクガンを見てもらいたいという思いから男鹿半島での探鳥前に少しだけ大潟村へ寄り道。
始めに向かったのはオオワシの止まり木。
ちょうどこの時だけ雨が止み、雲の隙間から陽射しが届くとオオワシが輝いて見えました。
この日は落葉前だったこともあり、いつも撮る写真とは違った雰囲気に。
間もなく見せてくれたのは伸びの姿。
着いて早々こうした姿を見ることができたのは運が良かったと言えるでしょう。
オオワシを10分ほど観察した後はハクガンの群れを探して村を巡回。
この日は発見まで少々手こずり、群れも分散しているようでした。
幸いにも群れのなかにアオハクガンを確認。
観察中には四方八方からハクガンが飛来し、群れに合流する姿などオオワシに続いて短時間のうちに様々な場面を見ることができました。
こちらは寒風山を背景に飛翔する姿。
大潟村での観察を手短に終えチュウヒを横目に男鹿半島へ向かいましたが、この頃から雨足が強くなり風も強まる一方でした。
荒れることで何か珍鳥が入っていないかと定番スポットを覗いてみると、前日に見られたユキホオジロに加えてシベリアジュリンを4羽確認。
確認当初は付かず離れずの4羽でしたが、時間の経過と共に接近する場面が多くなり撮影できたのはこちらの画像。
「4羽を一緒に」と思いましたが単焦点の望遠レンズでは3羽を収めることが精一杯。
2羽ずつ行動することがほとんどで4羽を一つのフレームに収めるためにはズームレンズへの交換が必要でした。
秋田では近年シベリアジュリンの渡来が多くなっているように思いますが、4羽同時に確認できた例は無く非常に珍しいケースと言えます。
最終的にこちらでは5羽確認できた他、行く先々の定番スポットでもシベリアジュリンが見られ、この日は計10羽のシベリアジュリンを見ることができました。
何か他に新しい出会いがあればと移動を繰り返しましたが私たちの障害となったのは悪天候。
徒歩での探鳥が出来ず限られた観察場所を何度も往復するしかありませんでしたが、諦めかけた頃にハギマシコの群れと遭遇。
遠巻きから観察を続けると徐々にこちら側へ接近する場面も。
しかし日没前のような暗さから撮影の条件としては今一つ。
そのため私は双眼鏡での観察を続けましたが、暫くすると群れが一斉に飛び立ちハギマシコの観察はここまで。
時間にはまだ余裕があったものの、あまりの暗さから最後にユキホオジロとシベリアジュリンを眺めこの日の観察を終えました。
4連休の前編はここまでとなりますが、後編は2日後(12月27日付)に更新予定です。