2023年3月18日
本日更新する日記は旅先での思い出を綴る観察旅行記。
春の渡り期を迎え地元での探鳥に面白味が増す頃となりましたが、今回はANAのダイヤモンド修行を兼ねて沖縄の島々を巡る計画を立てました。
3泊4日の日程で沖縄本島~与那国島~石垣島と三つの島を巡る弾丸ツアーです。
初日は11時50分に秋田空港を出発。
ちょうどお昼時ということもあり昼食は機内で頂くことに。
この日は完全なる移動日であったため、日中から酒を嗜み気分は既に沖縄入り。
あっという間に羽田空港へ到着しましたが乗り継ぎ時間に余裕があったことからラウンジでタダ酒を煽ります。
ここぞとばかりにビールを飲み、ほろ酔いになったところで最初の目的地である沖縄本島を目指しました。
那覇空港へ到着したのは17時25分。
本来であれば初日のうちに与那国入りをしたかったのですが、旅の計画が遅かったため宿泊先を確保することができず...
翌日の移動を考慮すると現在のダイヤでは那覇空港~与那国空港の路線が最速であったため沖縄本島へ宿泊という運びとなりました。
せっかく立ち寄った沖縄本島を有意義に過ごすため、この日の夜は沖縄ステーキを頂いてみることに。
本場のオリオンビール。
お腹いっぱい食べて飲んで、滞在時間の短い沖縄本島を満喫しました。
2023年3月19日
日程2日目。
この日は7時15分の便で那覇空港を出発。
与那国空港までは1時間20分のフライトです。
終始雲海を眺めるフライトとあって南西諸島の天候は今一つ。
着陸態勢に入り雲の下へ降下するとどんよりと霞む与那国島が。
やや風の影響は受けたものの定刻通りに与那国空港へ到着しました。
降機して感じる南国特有の空気感。
肌に湿気が纏わりつきます。
最寄りのレンタカー屋より車を調達して早速探鳥を開始。
島の北側に位置する与那国空港を起点として時計回りに海沿いを辿り先ずは東崎へ。
その後、西崎に向かい島を一週するコースで探鳥の計画を立てました。
始めに見たのはシマアカモズ。
こちらでは普通種とあって何処でも見られますが本州で見られるモズは逆に珍鳥扱い。
祖納港へ立ち寄り周辺を見て回るとインドハッカを目にしました。
港には野良猫の姿もありましたが特に気にする様子は見られません。
お互いに慣れた存在なのでしょうか。
その後シベリアアオジを目にしたものの撮影には至らず場所を転々としましたが、これといって珍鳥と呼べるような鳥は確認できず...
珍鳥どころか鳥そのものが少ないように思え、先行きに不安を抱えたまま東崎に到着すると以前沢山見ることのできたマミジロタヒバリやムネアカタヒバリの群れが確認できません。
東崎ではオオチドリやヤツガシラの観察を期待していましたがこちらも見られず首を傾げる状態が続きます。
何はともあれ与那国島の再訪を記念して与那国馬を撮影。
仔馬も見られ、親に寄り添いながら行動する姿は微笑ましく思えました。
以前と変わらない様子だったのはツメナガセキレイの存在。
総数にして50~60羽ほど見られたでしょうか。
どの個体も夏羽に換羽中で其々特徴が異なります。
馬のウンチはツメナガセキレイのお立ち台。
東崎周辺を一通り見て回り、その後は南に位置する比川地区を目指しました。
移動の際もあちこちに目を配りますが鳥の少ない印象は変わることなく、これといった出会いもないまま比川地区へ。
一般的な与那国島観光で最も人が訪れるのはこの比川地区でしょう。
Dr.コトーの診療所がここにあります。
御多分に洩れず私も記念撮影をしているとヤツガシラが前方を飛翔。
付近に小学校があったことから、こちらの校庭に飛来するものと考え少々待ってみたものの一向に姿を現さず...
地元であればのんびりと待つところですが今回は時間に限りがあり悠長なことを言っていられません。
新たな出会いを求め移動を始めて間もなく、目にしたのは飛翔するオニアジサシでした。
一日早く与那国入りをしていた知人より『比川の浜辺でオニアジサシが見られた』という情報を頂いていたことから同個体と判断して間違いないでしょう。
何度か頭上直ぐ近くを飛ぶことがあり、間近で見ると改めて体長の大きさを感じさせられます。
オニアジサシの観察を終えて次に足を運んだのは日本国最西端の地である西崎。
晴れた日には台湾を望むことができるものの、春霞みの影響からか残念ながらこの日は見ることができず。
西崎を下りナーマ浜を見たもののシギチの姿も見当たりません。
周辺にも野良猫が多く、以前よりもかなり個体数が増えているようです。
野鳥に対しての脅威はどれくらいになっているのでしょうか。
久部良地区で観察したのはホオジロハクセキレイとヤエヤマシロガシラのみ。
【 ホオジロハクセキレイ 】
【 ヤエヤマシロガシラ 】
同地区でチョウセンウグイス・ノゴマ・ムジセッカの地鳴きを確認しましたが残念ながら姿を見ることはできませんでした。
島を一周して祖内~比川~久部良と三つの集落を見て回りましたが、これといった成果を得られないまま再び祖内港へ。
一周した感想として全般的に鳥が少ないという印象は変わることはなく、ここから島の中心部の農耕地を見て回ることに。
併せてクロウタドリを期待できそうな場所も見て回りましたが空振りの連続という結果に...
以前休耕田だった場所は荒れ地となり、シギチもほとんど見られず島の衰退ぶりを感じさせられました。
人口の減少、農業の担い手が居なくなっていることが原因となっているのでしょう。
荒れ地となった休耕田ではセッカが囀っていました。
島の中央部では上空をノスリが飛んでいる場面があり、オオノスリの可能性もあるためこちらは要検証。
【 上面 】
【 下面 】
場所柄、時間毎に鳥相が変わってもおかしくないことから縦横無尽に島を巡回しましたが期待とは裏腹に空振りの連続でした。
時刻はあっという間に夕方となり島を離れる時間が迫ります。
与那国島を離れるのは18時50分。
観察のタイムリミットと18時としていたため最後の悪足掻きをしようと東崎へ。
15時頃から風が強まり、その影響からか飛び交っていたツバメが地面に降りて羽を休めていました。
鳥相も変わっておらず、ここで目にしたのは風を遮るように石碑の裏側に回り込んだ与那国馬たち。
風が強い場所で生きるための知恵なのでしょう。
与那国馬の観察を終えたところで自問自答。
「このまま何も見つけられずに与那国島を離れるのか...」と思うと悔しささえ感じます。
時間の許す限り探鳥を続けようと周辺を丁寧に見て回ったところ採餌中のヤツガシラを発見。
ヤツガシラは地元でも観察できるため正直なところそこまで喜べる鳥ではありませんが、やっと今時期の与那国島らしい鳥を発見できたことに嬉しさを感じました。
観察を始めるにあたり距離を置いて警戒心を探ってみたところ車に対しては無警戒ということが判明。
しかし近付き過ぎると手持ちの望遠レンズでは逆にピントが合わなくなってしまうため多少距離を置いて撮影を行いました。
渡ってきたばかりでお腹を空かせているのか一心不乱に採餌を続けています。
採餌に夢中になっているせいかどんどんこちら側に近寄る場面もあり、流石にその場面は撮影不可。
例えて言うならスマホでも充分に撮影できる距離と云えば伝わり易いでしょうか。
私が特に注目したのは何を餌としているのかという点。
石垣島ではゴキブリを主食としていると耳にしますが、与那国島でも同様の場面が見られるものと思っていました。
しかし観察を続け見えてきたのはクモや甲虫類の幼虫が主であり、地元での観察時と何等変わらず。
同じ八重山諸島でも食性が異なるのは意外な結果でした。
私はゴキブリを食べるヤツガシラを見たかった...
そんな採餌の様子は動画でも記録。
歩行する観光客を警戒して一度飛んでしまう場面があり、居なくなってしまう前にと知人と観察をバトンタッチ。
最後に与那国島らしい背景で撮影を行い与那国島での探鳥を終了としました。
空腹を我慢して探鳥を続けていたため予定よりも少々早く空港へ到着。
腹ごしらえの前にお土産を購入しようと売店を覗いてみると...
「嘘でしょ」
まさかの閉店。
営業時間は何時までだったのか。
以前購入していた調味料がとても美味しく、今回の旅行でも購入したいと考えていただけに落胆の色が隠せません。
閉店してしまったものは仕方ないと諦め、レストランへ行ってみると私の顔を見るや否や両手で✕印のジェスチャーする店員さん。
俺たちひょうきん族の神様のようなリアクションに驚愕。
頭上から水が降ってこないだけでもマシでしょうか...
昭和世代にしか分からない表現をしてしまいましたが空腹を我慢したまま与那国島を離れるほかありませんでした。
18時50分に与那国空港を離れ石垣空港へ到着したのは19時20分。
今回も島の友人に出迎えて頂きましたが、宿泊先へ移動して早々に居酒屋へ繰り出しました。
乾いた喉をオリオンビールで潤し地元の料理に舌鼓。
温かいジーマミー豆腐と石垣島の塩で頂くお寿司は絶品でした。
お腹が満たされたところで宿泊先へ戻り就寝したのは午前0時頃。
慌ただしい一日だっただけに翌日の出足はゆっくりとしたものでしたが、石垣島での様子は後日更新の日記へ続きます。