2023年6月5日
本日更新する日記は先月7日の観察分から。
何処で観察をしようか悩まされる5月上旬。
タイミング次第では驚くような珍鳥との出会いに恵まれることもあり、前日は観察場所の選定に頭を抱える時間が続きました。
何気なくTwitterを閲覧していたところ気になったのはコルリの画像。
ちょうどこの頃はコルリの画像を多く目にする時期ですが私にとっては鬼門の鳥。
過去の記録を振り返ってみても画像に残すことができたのはたったの2回。
それも証拠写真を撮っただけであり“観察”に漕ぎ着けた記憶はありません。
そこで7日は何が何でもコルリを見つけだそうと決断。
早朝から探鳥に出かけると運良くコルリの囀りを耳にすることができました。
しかも鳴き声はほんの数m先から聞こえてきます。
手に届きそうな場所で囀るコルリだからこそ是が非でも観察をしたい。
そのような思いから集中力を高め気配を探りましたが...
全くもって視界に入らず。
手持ち無沙汰に付近に止まったキビタキを撮影したものの「今見たいのは君じゃない」と言えば失礼でしょうか。
こちらは渡ることを辞めたのかスズメと行動を共にしていたカシラダカ。
深緑を背景にカシラダカを撮影する機会はなかなかありません。
本命のコルリは時々居場所を変えているのか鳴き声の出所が変わることも。
それでも半径5mほどの移動です。
暗がりの中とは言え、これほど至近距離で囀ずっているにも関わらず姿が見えないことに歯痒さを覚えました。
結局私の根負け。
囀りを確認してから2時間ほど粘りましたが、チラリと見ることもできず探鳥場所を変えることに...
当てもなく農耕地を移動していると目にしたのはムナグロの群れ。
何か珍しい種が混ざっていないか確認しようと思ったところ真横で何かが動いたような...
双眼鏡で確認してみるとタシギであることが判明。
それも1羽ではなく群れでの確認でした。
こちらは原画であるため何が写っているのか分からないかもしれません。
当ホームページに掲載している画像は約100KBまで画像を圧縮しており拡大すると画像が荒くなってしまいます。
そのため予め拡大した画像を掲載することの多い当ホームページですが、仕様を大幅に変更しようか検討中。
話は逸れてしまいましたが原画の中央を拡大してみると複数のタシギが見て取れ、このカットだけでも写っているのは5羽。
直ぐ近くにも複数のタシギが潜んでおり、こちらのカットに写るのは3羽。
確認できただけでも群れの数は10羽以上と判りムナグロのチェックは最早どうでもよくなっていました。
問題はここから。
少しでも近くで観察したいと思うのはバードウォッチャーの常。
暫く様子を伺いましたがこちらへ寄って来る気配は感じられません。
羽繕いをしたり寝る姿勢を取ったりと、どの個体も休息に入っている様子。
それならばとこちら側から接近を試みますが、これがなかなか難しい。
下手をすると全ての個体が飛去してしまいます。
慎重に車を動かしタシギの元へ。
上手く寄せることができたものの一様に緊張状態。
まさか自分たちの前に車が止まるとは思わなかったことでしょう。
普段は一時的に動きを止めることでその場を遣り過ごし、警戒すべき対象が離れると活動を再開しているはず。
しかし私が車を横付けしたことにより、どの個体も身動きすることなくこちらの様子を伺っているようでした。
彼らの目に私はどのように映っていたのか。
距離が近いだけに呼吸の動作が手に取るように分かりました。
其々の個体を撮影してみましたが、同じタシギであっても見た目は三者三様。
換羽中の個体、褐色みの強い個体、淡色の個体などバラエティーに富んでいます。
暫く膠着状態が続きましたが性格の個体差は行動にも表れ、こちらの個体は身を低くしたままコソコソと歩き始め距離を取ろうとしていました。
またこちらは個体は私を警戒すべき対象ではないと判断したのか、活発に動くようになり採餌を開始。
嘴で鍔迫り合いをするような個体も。
その一方、依然として身動きを取ろうとしない個体も。
人間に例えると辛抱強いタイプといったところでしょうか。
個人的に観察したいのは尾羽を開いた瞬間。
扇状に開く瞬間を狙い、できることであれば尾羽の枚数を見たいところ。
しかし私の希望通りにはいかず、見ることができたのは脇羽のみ。
もっと資料となる画像を残したかったのですが、この他にこれといった画像を撮影することはできず同じような写真を量産するばかりでした。
この類いの鳥が好きな私にとって至福の時間は続きましたが、次第に距離が遠退いてしまったためタシギの観察はここまで。
タシギを観察しても尚、頭の片隅にあったのはコルリの存在。
どうしても諦めきれず元居た場所へ戻ってみることに。
早朝ほどの頻度ではありませんでしたが同じ場所でコルリの囀りを確認。
しかし依然として姿は見えず...
付近にはキビタキの姿がありカメラを向けてみましたが、渡ってきたばかりなのか動きが緩慢。
まるで離島で見る個体のようです。
その動作からも早朝に見た個体とは別個体であることが見て取れました。
この場所で暫く休養を取り更に北上するのか、それともここで繁殖を目指すのか。
いずれにしても元気に過ごして欲しいものです。
こちらの場所へ戻ってから約一時間。
コルリの囀りは聞こえなくなり、気配も感じられなくなってしまいました。
もしかすると知らぬ間に場所を移動してしまった可能性も否めません。
こうした理由から諦めざるを得ない状態になってしまいましたが、次のチャンスが巡ってきた時こそ観察に繋げたいと思います。
本日の観察日記はここまで。