2023年8月7日
本日更新の日記では5月~7月迄の間、記事に掲載できていなかった画像を基に当時を振り返りたいと思います。
先ずは5月27日の出来事から。
この日の早朝、自宅を出て耳にしたのはアリスイの鳴き声。
『クイクイクイクィ~』という特徴的な鳴き声を発するアリスイですが、自宅で耳にしたのは初めてのこと。
予期せぬ出来事に脳内の情報処理が追い付かず「あれ?何の鳴き声だったかな」という状態に陥りました。
情報処理を終えるまで2~3秒ほど要したでしょうか。
声の主がアリスイであることを認識し、ふと見上げると電線に止まる姿を目撃。
玄関先に準備していたカメラを持ち出し証拠写真の撮影を行いました。
我が家において初記録です。
このカットを撮影すると斜向かいのお宅へ飛んだアリスイ。
幸いにして早朝の時間帯であったことから近所の目を気にせず撮影することができました。
思いもよらない出会いに喜びを感じつつ動向を探っていると頭上からアリスイの鳴き声が...
驚いたことに別個体のアリスイが電線に止まっていました。
この2羽は鳴き交わしており、初めに確認した個体が自宅脇の放棄地へ移動すると続け様に電線に止まっていた個体も移動。
追い掛け合うようにして行動する2羽を観察して沸き上がった幾つかの疑問。
本県にアリスイが渡来するのは4月下旬頃。
しかしこの時は5月下旬であり、渡りの途中の個体とは思えません。
推測に過ぎませんが、この2羽は自宅近くで繁殖するのではないかと考えました。
自宅近くには雑木林があり、アカゲラやアオゲラをよく目にします。
繁殖まで一連の行動を観察できるチャンスと考えましたが、日々忙しく過ごしていたこともあり残念ながら継続的な観察をすることはできず...
次に掲載するのは6月18日に撮影したサンショウクイ。
今季はサンショウクイを目にする機会が多く仕事中にも行く先々で目撃しています。
地元で調査を行っている知人からは『本県では以前に比べると個体数が増加傾向にある』という見解がありました。
なるほど納得。
しかし私が目にする時はいつも高い所を飛んでおり、観察に結びつくかは別問題。
同日、とある廃墟に営巣した大きなスズメバチの巣を撮影してみると穴の中からキセキレイの尾羽が...
画像を拡大してはっきりしましたが、キセキレイはすっぽりと収まりスズメバチの古巣を利用して繁殖していたようです。
抱卵中なのか雛を保温していたのかまで伺い知ることはできませんでしたが後日機会を設けて様子を見てみることに。
更に同日、ヨシゴイの出待ち中に観察できたのはオオヨシキリ。
季節の変り目に『ギョギョシ ギョギョシ』という鳴き声を耳にして初夏の訪れを感じる方も多いのではないでしょうか。
場合によってはうるさくも聞こえるオオヨシキリの鳴き声。
自宅脇の放棄地では一晩中鳴いていることも多く一体いつ寝ているのでしょう。
一夫多妻の習性やカッコウの托卵相手として知られるオオヨシキリですが、この日は和名にある通り葦を切って巣材を集める様子が幾度となく見られました。
時にアクロバティックな姿勢で巣材を集めることもあり、出が悪かったヨシゴイとは対照的であったことを思い出します。
次に掲載するのは7月2日に見られたヤマセミ。
発見当初は河の中洲に流れ着いた流木に止まっており“良い絵面”を撮影しようとカメラを構えましたが...
シャッターを押す間もなく飛去。
シャッターチャンスを逃し愕然としていると程近い場所に止まったことを確認。
気を取り直し撮影した画像がこちら。
この場所へ止まって15分ほど経過すると狙いを定め川へダイブ。
無論、私は決定的場面を撮り損ねます。
一方、川へダイブしたヤマセミも魚を捕り損ねたようで電線に止まり再び魚を狙っているようでした。
「今度こそ」とカメラを構えましたがヤマセミは全く動かず...
30分ほど待ちましたが先を急いでいた私はノジコの観察へ。
この前週もノジコの観察に出ていたのですが声は聞こえど姿は見えず。
改めて観察に出向いてみると当たり前のように観察することができ、前週は一体何だったのか...
野生動物が相手ということもあり空振りがあって当たり前。
無駄な時間を過ごしてしまったと思うこともありますが全てが無駄になることはないと自分に言い聞かせノジコを眺めていました。
空振りもまた経験の一つとして明日への糧となるでしょう。
思うようにいかないからこそ良い場面に出会えた時の反動は大きく嬉しさもまた一入です。
この日もスズメバチの古巣へ営巣したキセキレイの様子を見てみましたが、巣の中に親鳥の姿はありませんでした。
そこで巣の入り口に焦点を合わせ撮影してみたところ雛の姿を確認。
順調に雛が育っていたようです。
次に掲載するのは7月5日、仕事先で見つけたノジコ。
仕事中であったため手元にカメラが無くスマホで撮影してみましたが...
最大までズームしたため画像が荒く何を写したのか分かりません。
何となく黄色い物体が写っているとしか思えない残念な画像ですが、7月8日の観察日は同じ場所で囀るノジコを見ることができました。
来季はこちらの場所を中心に調査を進めたいと考えています。
この頃、特に気になっていたのはスズメバチの古巣で繁殖するキセキレイの存在。
珍しいケースだけに給餌の様子など親鳥の動向も含めて観察しようと思っていましたが...
繁殖場所へ足を運んでみると既に巣立ちを迎えており道路に雛の姿がありました。
舗装道路に2羽、付近の樹木に2羽の巣立ち雛を確認。
巣立ちはもう少し後になると思っていただけに少々がっかり。
継続的な観察も間隔が空いてしまうのはサンデーバーダーの辛さ。
雌雄の親鳥も併せて観察しようと思いましたが、巣立ち雛の近くで観察を行うと給餌が滞っているように感じ観察を断念。
見たい・撮りたいが為に悪影響があってはいけません。
キセキレイの観察が予想よりも早く終わってしまったためヤマセミを探しに行ってみることに。
想定通りの場所で見ることができたものの、以前よりも草木が生い茂り観察というには程遠い状態でした。
再三お話している通り秋田県はこの翌週に記録的な大雨が降り各地に甚大な被害をもたらしました。
被災したのは人間だけではありません。
河川で暮らす生き物たちにとっても深刻な被害があったことでしょう。
世界的な温暖化に伴い異常気象が当たり前の時代になってしまいましたが、少しでもこうした災害が少なくなることを願ってやみません。
本日の観察日記はここまで。