2023年9月11日
本日更新する日記は先月27日の観察分から。
9月に入っても依然として暑い日が続き季節の進みが遅いと感じる今日この頃。
しかし季節の歩みは確実に進んでおり、緑色だった田んぼは黄金色に変わり間もなく収穫の時期を迎えます。
梅雨明け以降、記録的な暑さが続いた影響からか蓄積した疲労は癒えることがなく近頃は体力の限界さえ感じるようになりました。
休日にしっかり休息を取らなければ仕事どころか普段の生活にも支障をきしかねません。
8月下旬は暑さのピークだったこともあり、この週末は前日(8月26日)と同様に短時間集中型の観察を計画。
稲穂が頭を垂れる頃、ニュウナイスズメの群を見かけるようになりますが、今年も例年と同じように見られるのか...
近年は当たり前に見られていたものが当たり前でなくなる世の中。
悲しい話ですが鳥類は劇的に数を減らしていると言われ、私自身これを実感しています。
これまでニュウナイスズメに関しては特に個体数の減少を感じていませんでしたが、例年観察を行っている場所へ行ってみると「数が少ない」というのが第一印象でした。
電線に止まる個体が見られ、付近のブッシュからは賑やかな鳴き声も聞こえてきます。
見慣れない方であれば『沢山居る』と感じるかもしれません。
しかし個体数は確実に減少していました。
例年であれば広範囲に群れが分散しており総数を把握するのも難しい状態ですが、この日は狭い範囲で見られることが多かったように思います。
こちらは田んぼへ飛来した群れが飛び立つ瞬間を撮影したもの。
このシーンを撮影するのには毎度難儀させられます。
しかし今回は運良く観察を始めて間もなく撮影することができました。
個体数が多い時ほど群れには近付き難く、警戒心の強い個体に釣られあっという間に飛び立ってしまうというのがお決まりのパターン。
なかには鈍感の個体もおり、単独で居残り米泥棒をしている姿を目にしますが近距離で見るには相当な根気が必要でしょう。
但し警戒心については止まる高さによって異なり、電線に止まっている時など居場所によって変化が見られます。
こちらは雄の個体。
そしてこちらは田んぼ近くの樹木に止まる雌の個体。
この様に目線より高い位置に止まる個体は警戒心が緩くなる傾向があり、容易に近寄ることが可能。
特徴を観察するには好条件となりますが、私が見たいと思うのは行動にあり単に写真を撮るだけでは満足できません。
そのため群れの飛来が頻度良く見られる田んぼは何処になるのか、この点から様子を探ることにしました。
田んぼ付近の樹木には200~300羽ほどのニュウナイスズメが止まっていたでしょうか。
動向を探っていると約20分置きの間隔で田んぼへ飛来することが分かりました。
いかんせん距離が遠い...
昔の田んぼであれば一枚辺りの面積が狭かったため奥に居ても観察可能な範囲でしたが、圃場整備が進められた現在は観察するには“遠い”と感じてしまいます。
稲穂にしがみつく群れは辛うじて姿が見える程度。
観察らしい観察をすることができません。
こうなるともう運任せ。
群れが近い位置へ飛来することを待つ他なく、根比べの様相を呈しました。
暫くすると群れの一部がパラパラと畔の方へ移動している姿を目撃。
警戒させないようじわじわと車を動かし畔の見える位置へ移動してみると、沢山の個体が畔を行き来していることが分かりました。
双眼鏡で確認してみたところ、畔の際で水浴びをしている個体、砂浴びをしている個体、米泥棒をしている個体と三者三様。
私が求める“行動”を見るには絶好のチャンスが到来しました。
この状態で距離が縮まれば申し分ありません。
観察を継続していると樹木へ止まっていたほとんどの個体が飛来していたようです。
数が多くなったことでこちら側で行動する個体も多くなり条件は徐々に良くなりつつありました。
双眼鏡を覗いていると楽しいと思う反面、写真の方はイマイチ...
イマイチどころかボツの写真を量産していましたが、原因となったのは気温の上昇。
空気の揺らぎが激しくどの写真を見てもピンボケのように写っていました。
口惜しいとはこのとこでしょうか。
「AFがダメならMFならどうだ」とフォーカスを切り替えて撮影しましたが、空気の揺らぎが原因とあっては幾ら高性能なカメラでもどうすることもできません。
この様に写真の方は残念な結構となってしまいましたが、活発に動く群れを観察できたことは幸いでした。
滴る汗を拭いながらの観察は身体に堪え、時刻を確認してみると間もなく10時...
予定より1時間オーバーしており、一斉に群れ全体が飛び立ったタイミングでこの日の観察は終了としました。
例年より暑い日はまだまだ続くようですが、あと一ヶ月もするとマガンの群れが秋田市上空を通過します。
しかし今は想像がつきません...
本日の観察日記はここまで。