2024年1月22日
本日更新の日記は先月23日の観察分から。
前週の日記でも触れましたが、ヤマドリを観察した当日は暴風雪警報が発令され時間を追う毎に荒れ模様の天候となりました。
一晩のうちに雪が積もり景色は一変。
比較的雪の少ない秋田市でも纏まった量の積雪があり、北に位置する男鹿市は大雪に見舞われたようです。
余程の積雪だったのか12月18日(月)は秋田市上空をマガンの群れが次々に南下。
餌が採れなくなってしまい南下せざるを得なかったのでしょう。
この日以降冬型の天候が続き、積雪は増える一方。
ヤマドリが餌場としていた田んぼもすっかり雪に覆われ行動パターンが一変しました。
そのためこの週末は調査と位置付け積雪時における行動パターンを調べてみることに。
外に出たまでは良かったもののホワイトアウトするほどの暴風雪。
昨年秋以降、週末の度に悪天候に見舞われます。
しかし私が秋田を離れた時に限って好天になるのは何故でしょう...
暴風の影響により雲の流れが早く晴れたり吹雪いたりを繰り返す天候のなか、ヤマドリの気配を探りましたがそう簡単に見つかるものではありませんでした。
ヤマドリの手懸かりを探していると道路脇で採餌するベニマシコを目撃。
普段目にしてもカメラを向けることは無くなってしまいましたが、普通種だからといって観察しない訳ではありません。
見てはいるものの撮影に至らないだけであって...何故か自問自答している自分がいました。
実際問題、珍鳥または潜行性の鳥を観察している時間が多く“珍鳥オジサン”に成り下がっている面も否めず。
こうした理由から自戒の意味も込めてベニマシコの観察に時間を割くことにしましたが...
観察とは名ばかりの単なる撮影会。
“雪景色に赤い小鳥”
このシチュエーションだけでどんぶり飯5杯はいけるでしょう。
雪に埋もれた植物を健気に採餌する姿を見て「めっちゃ可愛い」と独り呟きながら撮影していましたが、端から見ると気持ちの悪いオジサンです。
幸いこの場所は誰一人入ってくるような場所でなかったから良かったものの、人が行き交う場所であれば通報案件。
雪に閉ざされた環境が功を奏し、お巡りさんに職質される心配もなく撮影に没頭することができました。
こちらでは雌1雄2のベニマシコが見られ、雌は警戒心が強く撮影に一苦労。
野鳥撮影をしているとついつい雄の撮影を優先しがちになりますが、ベニマシコの雌は優しい雰囲気の見た目をしているため個人的には好みの鳥です。
一方、雄の2羽は警戒心が皆無。
採餌に夢中になっていたのか私の存在などお構い無し。
黙々と採餌を続け、その様子をひたすら撮影していました。
場所によってはぶら下がったり背伸びをしたりと姿勢も様々。
どのシーンを見ても可愛らしく思え撮影枚数は嵩む一方。
この後に待つ画像の選定作業を考えると一球入魂の精神でシャッターを押すことが正解。
しかしベニマシコの健気さと可愛らしさに負けて私を待つのは選定地獄でした。
更に撮影当時は強い陽射しが照り付ける場面もあり、目が眩んだ影響から露出の設定は滅茶苦茶。
地獄の一丁目一番地からデータを掘り起こしてみると及第点の写真もあり、ここはデジタルの恩恵とも言えるでしょう。
動画も幾つか録りましたが、こちらの映像では背伸びして採餌する様子や尻餅をつく姿を見ることができます。
併せてベニマシコの3m手前でオジサンが「ハァハァ」言いながら撮影してる様子も想像して頂けると幸いです。
我に返ったように時刻を確認すると既に正午を過ぎており、ベニマシコの撮影をはじめて4時間が経過。
ベニマシコだけの観察時間としては過去最長です。
結果的にベニマシコの撮影を終えた後もヤマドリの手懸かりは掴めず、この日の調査は空振りに終わりました。
しかしベニマシコのお陰で観察欲は満たされ楽しい時間を過ごすことができたのは間違いありません。
誰の得にもならないことをべらべらと書き連ねましたが、今回〆を飾るのは帰り間際に撮影した雪ホオジロ。
どの鳥も厳しい環境のなか逞しく生きています。
本日の観察日記はここまで。