2024年2月10日
本日更新の日記は観察旅行記。
今回の目的地は真冬の北海道。
三連休を利用して2泊3日の旅を計画しましたが、果たしてお目当ての鳥には出会えるのか...
初日は羽田を経由してV字飛行。
当初の計画では千歳を経由して中標津入りの予定でしたが、この時期の千歳は大雪の影響を受けることも少なくありません。
そのため安全策を取って羽田経由の便に振り替えたものの、蓋を開けてみれば千歳も良いお天気だったとか。
道東の玄関口、中標津空港へ到着したのは定刻の14時10分。
諸々の手続きを済ませ動き始めたのは15時近くになっていました。
今回のお目当てはチシマシギ。
国内ではなかなかお目にかかれる鳥ではありませんが、昨年は出が良かったこともあり多くのバードウォッチャーを楽しませたそうです。
残念ながら私は旅程が合わず見れずに終わったため一年越しのチャレンジとなりました。
海沿いへ出て目にしたのは大きな流氷帯。
奥に映るのは近くて遠い国後島。
今季は流氷の勢いが凄いと聞いていましたが、まさかここまでとは...
道すがら野付半島へ立ち寄ってみるとこちらにも流氷が押し寄せており今までにない光景を見て感激。
野付半島を進むと小規模なベニヒワの群れが見られ、ここではスナップ程度に証拠写真を撮影。
ベニヒワは私有地で餌を採っていたこともあり、早々に場所を離れ広大な風景に見るエゾシカの撮影に没頭しました。
日没が差し迫っていたにも関わらずカメラを構える人が沢山。
以前に比べるとカメラマンの数が増え、海外からの観光客も多かったように思います。
野付半島の滞在は一時間ほどだったでしょうか。
あっと言う間に暗くなり宿泊先の根室市へ移動。
この日の夜はいつもの回転寿司へ。
こちらの回転寿司、回らない寿司屋と同等の寿司が安価で味わえるとあって道東の旅では欠かさず足を運んでいます。
美味しい寿司をたらふく食べることで北海道へ遊びに来たことを実感していました。
2024年2月10日
この日は朝一番でチシマシギの捜索へ。
昨年見られていた場所へ着くと既に数組のバードウォッチャーの姿があり、いずれもチシマシギを探しているようでした。
可能な限りチェックしてみたもののお目当てのチシマシギは見当たらず...
旅立ちを前に地元の知人から頂いた情報では工事の影響から今季はほとんど確認例が無いという話があり、ある程度の覚悟はできていたもののやはり残念。
渋々観察したのはクロガモの群れ。
アビ類やウミスズメ類のような海鳥も見られず、チシマシギを諦め他の鳥を探すことに。
移動している際、道すがら目にしたのはオオワシやオジロワシの群れでした。
こちらは冬の道東において“撮影スポット”として有名な風蓮湖。
風蓮湖では古くから『氷下待ち網漁』という漁があり市場価値の無い魚を捨てていたそうです。
おこぼれに預かろうとオオワシやオジロワシが集まるようになり、現在では羅臼の流氷クルーズと同じように観光資源として餌付けを行うようになったのだとか。
この光景は幹線道路から丸見えとあって足を止める観光客も数多く見られました。
道路沿いからも充分に見ることはできますが1500円の入場料(2024.2.10現在)を払うと鷲たちとの距離がほんのり近くなります。
羅臼の流氷クルーズでは船員がイワシを一匹ずつ投げるのに対し、風蓮湖では冷凍したヒラメ(カレイ?)の塊を氷上へ置いて餌付けしていました。
そのため鷲たちも餌にありつくにはそれなりの苦労があるようで、塊の中から一枚の魚を剥ぎ取ると争奪戦の様相に。
こちらはオジロワシ目掛けてドロップキックをするオオワシ。
三つ巴の激しい空中戦になることも。
戦利品を手にした個体は離れた場所へ退避。
風蓮湖ではこの様な形で餌付けがされている為、多くのカメラマンは争奪戦の様子を狙って足を運んでいるのかもしれません。
晴れの日が多い道東とあって青空を背景に撮影できる機会も多いと思いますが、私はお天気運が無いため生憎の曇り空。
足早に場所を移動しようと思ったところ餌場にキタキツネが乱入。
颯爽と氷上を駆け抜けてきたキタキツネは当たり前のように餌の元へ。
居合わせたオオワシが激しく威嚇していました。
しかしキタキツネは何ら動じる様子もありません。
がっつくように餌を食べ始めると周囲に居るワシたちは虎視眈々とその様子を見ています。
ある程度食べて腹が満たされたのか、キタキツネは魚を咥えてその場を離れようとしたところワシたちが一斉に猛攻撃。
俊敏な動きを見せワシたちの猛攻を躱していたもののそこは多勢に無勢。
最後はオジロワシに餌を奪われその場から立ち去りました。
風蓮湖での撮影は全く予定していないものでしたが、餌付けとは言え噂に聞いていた光景を目の当たりして立ち止まらずにはいられなかったというのが本音です。
風蓮湖を離れた後は大きく場所を移動してラッコの観察へ。
目的の場所へ着いて直ぐ目にしたのはキタキツネ。
周囲には猛禽類の姿が多く、オオワシとオジロワシの他、ケアシノスリとオオタカをスナップ撮影。
【 ケアシノスリ 】
【 オオタカ 】
お目当てのラッコを探して海を覗いてみると比較的近い距離で三頭のラッコを見つけることができ早速カメラを構えたものの...
海から吹き付ける風が強く凍えそう。
この時の気温は-2℃と強い冷え込みではありませんでしたが、暖冬の影響により寒さへの耐性が無くなっていたのかもしれません。
カメラ持つ手は悴み、指先の感覚も無くなりまるで我慢大会。
鼻水を垂らしながら動向を探っていると一頭のラッコが二枚貝を持って浮上。
ラッコと言えばお腹の上で貝を割るイメージですが、こちらの個体は手を器用に使い口で抉じ開けて中身を食べていました。
一回の潜水で2~3個の貝を持って浮上することが多く、その様子を観察していると別の個体が寄ってきて...
貝を強奪。
しかし奪い取られることを気にする様子もなく、どちらかと言うと分け与えていた印象です。
再び潜水すると今度はタコのような獲物を持って浮上し、引き千切るようにして食べていましたが...
この時も奪い取る勢いで迫ってきた個体に獲物を分け与え仲が良い様子。
道民の友人曰く、こちらの二頭はいつもペアで行動しているのだとか。
仲睦まじく行動している様子を観察していると時刻はあっという間に正午を迎え、腹ごしらえの為に一時観察を中断。
このタイミングで地元在住の知人より『ウミガラスが港へ入っている』との情報が入り昼食も取らず現地へ急行することに。
現地までの所要時間は約1時間半。
果たしてウミガラスは抜けることなく港へ留まってくれるのか...
午後からの様子は後日更新の日記へ続きます。