2024年3月4日
桃の節句を過ぎ間もなく本格的な春を迎えようとしていますが、本日更新の日記は1月21日の観察分から。
観察から更新までのタイムラグが随分と大きくなり、今回の記事も賞味期限が切れたような内容です。
終日雨予報だったこの日、ヤマドリの調査に時間を充てようとゆったりした朝を迎えると...
就寝中、友人からLINEが届いていました。
文字が大きいのは老眼仕様。
大抵の人に『文字デカすぎ』と笑われますが私にとっては切実な問題です。
老眼はさておき、慌ただしく身仕度を整え友人夫婦の待つ大潟村へ。
大潟村で合流後、友人夫婦のリクエストに応えてオオワシの観察へ出かけました。
いつもの場所を覗くとオオワシが...いない。
観察を目的とせず素通りする際には必ずと言っていいほど見られますが、誰かを連れて行くと何故か不在に当たってしまいます。
こういった場合、別の木に止まっていたり付近の田んぼへ降りていることが多く、心当たりのある場所を順に見て回るとオジロワシを複数発見。
雨が強めに降っていたせいか田んぼで羽を休める個体が多く見られました。
これはこれで友人夫婦にとって良い出会いになったようですが、肝心のオオワシは見当たらず...
このまま捜索に時間を費やすよりなら限りある時間を有効活用してもらおうと、友人夫婦にはハクガンを観察してもらうこととして私一人で捜索を続けることに。
オオワシは複数の個体が渡来しているため別個体の捜索も視野に入れましたが、じっくり観察するにはいつもの個体が最適です。
何が何でもと意気込んで探し始めると呆気なく見つかったいつものオオワシ。
こちらも捜索ポイントとして見ていたのですが、どうやらタイミングが悪かったようです。
友人にオオワシの所在地を伝え、到着するまでの間様子を見ていると発見から約15分後、飛び立ちの構えを見せました。
ここからは“当たればラッキー”の心持ちでひたすら連写。
離陸して間もなく緩やかにライトターン。
体の向きはほぼ真っ正面となり、オオワシはこちら側へ飛んで来ました。
私の頭上に差し掛かったところで進路を右寄りに変え周辺を飛翔。
このタイミングで友人夫婦が到着し、動向を探っているといつもの止まり木へ戻ったことを確認。
友人夫婦にとってようやくじっくり観察できる機会が訪れ、私としてはホッと一安心。
この日は雨を伴った東風が強めに吹いていたこともあり止まる向きもいつもと逆を向いています。
友人夫婦はこの後に控えるハクガンの観察も問題無いと判断し私の任務はここで終了。
この後は本来予定していたヤマドリの調査へ向かいましたが、その道中に小規模なハクガンの群れを発見。
今までに見たことのない場所だっただけに、一つの記録として写真を撮影していたところ突然首を上げて警戒の姿勢。
誰か近寄って来たのかと思いファインダーから目を離すとフラフラと低空で飛ぶトビが近寄りつつありました。
「これに反応したのか」と思った瞬間、一斉に飛び立ったハクガンの群れ。
「あ~ぁ...」と思いながらもその様子を撮影していましたが、ハクガンの群れは戻ってくることなく遥か彼方へ。
少々寄り道してしまったこともあり、ヤマドリの調査・観察するうえで起点エリアとしている場所へ到着したのは13時30分。
起点エリアを覗いてみたところ採餌に訪れた形跡は認められず、同位置から次のエリアを双眼鏡で覗いてみると雄の個体を1羽確認。
早速そちらへ移動して見られたのは身震いする姿。
依然として本降りの雨が続いていたためヤマドリは身体を震わせ雨粒を払っていました。
双眼鏡で見るヤマドリの羽は撥水性が良く、同時に羽の特徴を確認したところ起点エリアとこちらのエリアを行き来する個体であることが判明。
この個体は私が観察するなかでも最も警戒心の緩い個体です。
全く雪の無くなった市街地と比べてこちらの田んぼだけは雪が残ったまま。
周辺の田んぼと比べてもこの田んぼだけは雪融けが遅く真冬を思わせる光景でした。
一時は積雪の影響によってヤマドリの姿が見られなくなり思うように観察できない日もありましたが、雪融けに比例する形で出も良くなり安堵したことを思い出します。
こうした様子からもこちらの地域のヤマドリは田んぼに依存していることが伺え、積雪次第では来季の観察にも期待が持てました。
こればかりは蓋を開けてみなければ分かりませんが、今季の観察が来季に繋がればと思っています。
この日は午後からの調査ということもあり、こちらの個体の観察は一時間ほどで終了。
山へ戻るまで観察を続けたいところでしたが、他のエリアを巡回しなくてはならなかったため別エリアに場所を移すと雌の個体が1羽出ており二番穂を啄む様子を確認できました。
更にその先のエリアでは田んぼへ出た形跡が全く見られなかったものの周辺の山肌を見てみると幾つも足跡が。
積雪の影響から行動パターンに変化が見られ、一部の群れは山の裏手に移動していることも判明。
結果的にこの日は雄1雌1の確認に留まりましたが、ヤマドリをこうして観察できること自体贅沢なことでしょう。
そんな幸せを噛み締めつつ調査・観察を終えましたが、このヤマドリが嬉しい出会いをもたらしてくれました。
思わせぶりになってしまいますが、嬉しい出会いについては翌々週更新の日記へ続きます。
本日の観察日記はここまで。