2024年4月1日
本日更新の日記は3月3日の観察分から。
暴風雪警報が発令された桃の節句。
2月半ばには秋田市でも20℃を超える日があり例年にない季節の進みを感じていましたが、3月に入ってからは真冬に逆戻り。
この日の朝も-2℃という気温に加えて横殴りの雪が吹き付け3月らしくない冬景色に変わりました。
私にとって未だ目にしたことのない珍鳥情報が寄せられ大きな期待を持って迎えた日曜日でしたが荒れ模様のお天気では観察もままなりません。
そのため天候が回復するまでの間、大潟村で越冬していた冬鳥たちがどのような状態にあるのか様子を見てみることに。
大潟村へ着いてみると意外や意外。
秋田市よりも積雪量が少なくうっすら積もった程度。
雪も小康状態となり観察しやすい状況にありましたが、大型猛禽やガンカモ類は所々に見られるものの閑散とした様子。
やはり2月の高温が影響して大半の鳥は大潟村以北の地域へ北上してしまったようです。
ここで気になったのがコミミズクの存在。
以前観察できた個体はまだ見られるのかと考え現地を捜索。
時速1~2km/hという歩行速度よりも遅いペースで車を動かしながら草むらをチェックしていると...
想定外の場所で発見。
コミミズクは草木や人工物を遮蔽物として塒を取ることが多く、風向きによって居場所を変えることも屡々。
この日は南風が強く農道側からの観察には不向きの状態にありました。
風上に位置する私からは草の陰に隠れる形となり、はっきりその姿を見ることはできなかったものの頻りに首を動かし何かを警戒している様子。
間もなくカラスの鳴き声が聞こえるとコミミズクに急接近。
農道の裏側からは丸見えだったのでしょう。
これを警戒したコミミズクは慌てたように飛び立ち、もの凄い速度で追い回すハシボソガラス。
逃げ惑うコミミズクを執拗に追い回していましたが、直接的な攻撃を与えることはありませんでした。
縄張り意識の行動なのか、単にちょっかいを出したかっただけなのか私には分かりませんがカラスを振り切ったコミミズクはこちら側へ。
毎度のことながらこうした場面は当たればラッキーの精神でひたすら連写。
この時は運良く当たりが多かったように思います。
真っ正直を向くコミミズクは顔だけが飛んでくるイメージ。
平時においてはタゲリのようにフワフワとゆったりした飛び方をしていますが、時にトリッキーな飛び方を見せることも。
やはり猛禽類ということもあり獲物を仕留めるためには急な動きも必要でしょう。
近場へ降りたコミミズクでしたが人工物の陰となり姿を見て取ることができません。
そのため身を乗り出しこっそり覗いてみたところ...
おったまげ。
人工物の裏側にはもう1羽のコミミズクが。
以前もこちらの場所では2羽観察できていたことから同じ個体の可能性が大。
どちらの個体も明らかに私を意識しており早々に車へ戻りました。
それから暫くの間、何の動きも無い時間が...
手持ち無沙汰にスマホをいじっているといつの間にか飛んでいたコミミズク。
カラスが近寄った様子も無く狩りの為に飛んだのかもしれませんが、こればかりは私の想像の範疇に過ぎません。
フワフワと周囲を飛び回ると急接近してくる場面も。
ケアシノスリほどではありませんが真っ白な翼下面が美しい。
角度が変わると丸太が飛んでいるようにも思えます。
こんな鳥が海を越えて渡ってくることを想像すると“渡り”という行動には言い表すことのできない感情を覚えますが、田んぼへ降りた姿を見ると気持ちは一変。
鳥というより獣。
暫くするとフワリと飛び立ち周辺を飛翔。
飛翔する姿を見たのはこの時が最後になりました
間もなくコミミズクは元居た場所へ。
この日の観察から約1ヶ月。
新年度を迎えましたが、越冬していた個体は全て北の大地へ渡ったことでしょう。
今季は断片的な観察しかできなかったこともあり生態に迫るような部分は何一つとして見ることができませんでした。
来季はどの様な観察ができるのか想像もつきません。
まだまだ先の話になりますが来季はより良い場面に出会えることを期待して日記を終えたいと思います。
本日の観察日記はここまで。