2024年4月22日
本日更新の日記は今月7日の観察分から。
久しぶりに当月中の更新となった野鳥観察日記。
近年の記事としては珍しくフレッシュな内容です。
先週更新の記事に掲載したクロウタドリは私の予想に反して長期滞在となり続々と目撃情報が寄せらました。
「この先地元では二度と見られないかも...」とこうした思いからこの日は通常より早く自宅を出発。
間もなく現地へ到着といった頃、ちょっとした思いつきが運命の分かれ道に。
海沿いに何か入っていないかと徒歩での探鳥を思いつき、草地で見られる鳥をチェックしていたところ血圧が急上昇。
血圧の急上昇と言えば記憶に新しい与那国島での救急搬送。
まさか再び倒れてしまうとは思ってもみませんでした。
と言うのは冗談。
血圧が急上昇した原因はこちら。
本県において初記録となるマミジロタヒバリ。
飛島の記録を参考に意識して探すこと早数年、遂に見つけることができました。
マミジロタヒバリについて手持ちの図鑑を開いてみると『日本には冬鳥または旅鳥として渡来し日本海側の島嶼、西日本、南西諸島で見られることが多い』と記載があります。
“日本海側の島嶼”という部分を切り取ると真っ先に思い浮かべるのは飛島。
飛島を通過しているのであれば男鹿半島を通過していてもおかしくはありません。
しかし本県ではこれまでに観察例がありませんでした。
その理由として考えられるのは土地柄とも言える観察方法。
広い土地柄、公園を除くと車に乗ったままの探鳥が一般的であり観察する環境に偏りが出てしまいます。
勿論この話は車での探鳥を否定するものではありません。
私自身これまで数々の出会いに恵まれた良い観察方法であり、何よりも車をブラインド代わりにできることが一番の利点と言えるでしょう。
しかし近年は様々な環境に目を向けなければならないと考え、足で稼ぐスタイルの探鳥を取り入れました。
今回発見できたマミジロタヒバリはその結果の表れです。
おそらくこれまで見落としてきただけであり、毎年春と秋の渡りの時期には本県を通過していたのではないでしょうか。
この日は2羽の確認でしたが、立ち姿に強烈な違和感を覚えたことが事の始まり。
嘴の特徴、眉斑、背の模様、足の長さなど総合的に見てマミジロタヒバリを疑いましたが、最大の決め手となったのは姿勢にありました。
今回撮影できた画像では特徴的な姿勢を上手く写すことができなかった為、数年前に与那国島で撮影した画像を掲載。
【 背面 】
【 正面 】
立ち姿よりも与那国馬のウンチに意識を取られてしまいますが他のタヒバリ類と比べても腰が立っています。
こうした特徴からも視界に入りさえすれば誰しも違和感を感じることでしょう。
今回の記録は単なるきっかけに過ぎず、今後本県においても同様の観察例が増えるかもしれません。
マミジロタヒバリは観察を始めて間もなく観光客に飛ばされてしまったため本来目的としていたクロウタドリを観察するため前週確認した地点を中心に捜索を行いました。
この日多く目にしたのは渡りの途中のジョウビタキ。
そこかしこで見られるようになり春の訪れを実感します。
冬鳥として渡来するジョウビタキですが本県において観察の機会が多くなるのは秋と春の渡りの時期。
真冬に見る機会は多くありません。
少々気になったのはせっせと採餌していたこちらのヤツガシラ。
前週に見られた個体と同個体かと思いきや羽の特徴を比べてみると別個体であることが判明。
いつの間に入れ替わっていたのか。
前週はフキノトウを取り込むことで地元らしさを表現できましたが、この日は近距離で撮影したことが仇となり何処で撮っても同じような写真に..
距離が近い時こそズームレンズを使用し、敢えて被写体を小さく撮るなどもっと工夫が必要でした。
肝心のクロウタドリは気配も感じられず暫く定点で待機してみることに。
待ち惚けの時間が2時間ほど経過した頃、林の中を移動するクロウタドリを発見。
注意深く動向を探りましたが期待する場所へ出てくることなく林の奥へ飛去してしまいました。
結局この日はクロウタドリを観察することができないまま敢えなく終了。
帰路の途中に海沿いを眺めてみると観光客がどっと押し寄せておりマミジロタヒバリの観察も絶望的。
結局この日は朝一番に運を使い果たし私の血圧は正常値に。
考え方によっては卒倒せず無事に帰宅できただけでも良かったでしょうか...
本日の観察日記はここまで。