2024年5月20日
本日更新の日記は4月29日の観察から。
GW前半の最終日だったこの日、予定では男鹿半島を巡り地元の観察を楽しむはずでしたが...
仕事と旅行の疲れがどっと押し寄せ男鹿半島へ繰り出すほどの気力が湧かず。
この日の前日、旅先から秋田へ戻っていましたが搭乗便の遅延が相次ぎ秋田空港へ到着したのは22時頃でした。
円安の影響からか国内線は常に混雑しており、最近は定刻通りに着いたためしがありません。
これもまた地方路線を移動する田舎者の定めなのでしょうか。
こうした地味な疲労の積み重ねは後々の予定に響きます。
翌日からの仕事に備え体力の回復に努めたいと思う反面、やはり気になるのは地元の様子。
男鹿半島まで行かなくとも外に出なければ気分が落ち着かないという病的な思考から自宅周辺で探鳥することに。
自宅を出発して間もなく目にしたのはイスカの群れ。
前回観察した時とは異なり随分と見上げる形になりました。
アトリ科の当たり年と言われた昨シーズン、その恩恵を享受するにあたり意識していたのはナキイスカ。
当たり年だからこそ本県でもナキイスカが見られるのではと淡い期待を寄せていたものの発見に至らないままシーズンが終わりました。
この時も残念ながら群のなかには混ざっておらず、チェックを終えた後は高台に登り目線の高さで撮影。
見栄えの良い写真になったと自画自賛していたところイスカは次々に飛び立ち松の木は蛻の殻に。
私の勇み足が過ぎたのか、それとも飛び立つタイミングだったのか...
観察対象を失い高台を下りるとヒガラがウロウロ。
散ってしまった桜の花びらに春の名残惜しさを感じましたが、今年の春は本当に駆け足で過ぎ去りました。
開花から満開まで僅か数日、散り始めも早く気付けば新緑の季節に。
ほんの数年前までは梅の開花時期にキビタキやオオルリが渡来し花に絡めての撮影を楽しんでいましたが、近年は渡来前に花が散るようになってしまいました。
温暖化の影響はこうした様子からも感じるようになり、長い地球の時間軸から見ても急速に変化しているように思います。
雑木林での探鳥が芳しくなく観察環境を変えるため農耕地へ移動しましたが、これといって気になるような鳥は確認できず。
オオジュリンやアオジを横目にジシギを探してみたものの、さっぱり見当たらず再び観察環境を変えてみることに。
その道中、野暮用があり職場へ立ち寄るとコムクドリが電柱の支線に止まりこれ見よがしに囀っていました。
付近には雌の姿も見られ早くもペアを形成したのでしょうか。
私が勤める職場は広大な敷地のなかに様々な環境が備わっており、沢山の野鳥を観察することができます。
また渡りのルートにもなっていることからハクチョウやマガンの渡りだけではなくタカの渡りも見られ職場で見られた野鳥は150種ほど。
敷地内で繁殖している鳥も多く、過去の観察日記に掲載している通り。
そしてこの日は職場初記録の鳥が見られました。
本県においては珍鳥扱いのタイワンハクセキレイ。
旅行記に掲載したように甑島では沢山の個体を観察していたことから新鮮味に欠けましたが、よもや職場で見られるとは思いもしませんでした。
あくまでも個人的な記録になりますが過去の観察例を振り返ってみたところ4月28日という記録があり、この時期に本県を通過しているのかもしれません。
今回の記録は旅先での経験が活かされたと言っても過言ではないでしょう。
その昔、タイワンハクセキレイを見つけてくださったのは野鳥の会秋田県支部の現支部長。
当時の私はタイワンハクセキレイという鳥について全く知識を持っておらず、言われて初めて知ったという思い出があります。
それから長い月日が経過し、これまでの観察例と旅先での経験を活かせるようになりました。
随分と昔の話になりますが過去の私は県外へ出歩くことに対し否定的な考えを持っており、決して野鳥を観察するために旅行はするまいと思っていましたが...
観察歴が長くなるにつれその考え方も変わり、現在は見聞を広めるためと日本各地へ足を伸ばしています。
例えどんな珍鳥であっても気付くことができなければただの鳥。
乱暴な言い方ですが、経験値こそ最大の武器になるでしょう。
加えて重要となるのは探鳥力と観察眼。
この日はタイワンハクセキレイを発見できたことにより観察欲も満たされ早めの撤収。
翌日からの仕事に備え、ゆっくりと体を休めることができました。
現在職場ではコチドリ・キジバト・ハクセキレイ・キセキレイ・イソヒヨドリ・コムクドリが営巣中。
どの鳥も無事に繁殖できるようにと願う毎日です。
本日の観察日記はここまで。