2024年9月3日
本日更新の日記は8月4日の観察から。
この日は午後から所用のため午前中を限定にオオジシギの観察を行いました。
午前中限定とは言ってみたものの観察にあたる当の本人が何処まで暑さに耐えられるのか...
近年の暑さは異常であり一日を通しての観察は現実的ではありません。
ここまで暑くなると精々頑張っても午前10時迄がいいところでしょうか。
少しでも涼しいうちにと出発時刻をいつもより早めましたが道中の小川にカワセミを発見。
首都圏の方であれば容易に観察できるカワセミも、秋田で見られるカワセミは警戒心が強く直ぐに距離を取られてしまいます。
警戒心が強い鳥ほど興味をそそられる私にとって何故かカワセミは対象外。
野鳥観察を始めて間もない頃は精力的に見ていたものの近年は眺めて終わることが多くなっていました。
しかし近頃、鳥見初心者の方と話題にあがることが多くなり私も初心に帰って観察してみると運良くこちら側へ。
近くに止まって間もなくペリットを吐き出すと『チーッ』という声を発し遥か彼方へ姿を消してしまいました。
5分ほど飛来を待ってみたもののジシギ観察のように気持ちを保つことができず...
カワセミには“隠れる”というワードが無いため私の心を擽らなかったのかもしれません。
我に返ったようにその場を離れ本来目的としていたオオジシギの観察に向かいましたが思ったように事が進まず右往左往。
伸びつつあった畦の雑草が身体をすっぽりと覆ってしまうこともあり、せっかくの出会いがあっても観察できそうにありません。
こちらは農道脇で見つけた個体。
あまりにも距離が近いため呼吸による体の収縮が肉眼でも見えるほど。
警戒心が解けこの場に留まってくれることを願い待つこと約10分。
身体を起こすや否や駆け足で私との距離を置き、オオジシギはあっという間に田んぼの中央付近へ。
流石に近過ぎたかとこちらの個体の観察を諦め他の個体を探しましたが、雑草が障害となり思うような観察をすることはできませんでした。
畦の手入れがされないこちらの地域では観察が難しいと考え他の地域へ行ってみることに。
次に観察を行った地域は田んぼの様子が異なり、未だ苗が伸長していない田んぼも見られました。
次々に見つかるオオジシギでしたが晴天下では光線の状態を考慮しなくてはいけません。
逆光気味での発見が多く観察に四苦八苦していたところ順光で観察できる個体を発見。
車が接近したことにより身を伏せていますが、距離としては申し分なく警戒心が解けるまで待ってみると徐々に姿勢が変わり...
完全に身体を起こしましたが距離を置く素振りは見られません。
しかし喜びも束の間。
駆け足ではなかったもののこちらの個体も畦の中央付近まで移動してしまい観察に結びつくことはありませんでした。
これまで沢山良い場面を見てきただけに私は少々欲張りになっていたかもしれません。
事実これだけ多くのオオジシギを見られるだけでも贅沢と言うものでしょう。
その様に考えると肩の力が抜け気持ちにもだいぶ余裕が生まれました。
この考え方が良かったのか、ようやく観察させてくれそうな個体に遭遇。
当初は私の存在を気にする素振りが見られたものの、背を向けることなくこちら側へ歩を進めました。
間もなく餌を採る姿が見られたため、この時点で当たりを確信。
間違いなく観察を許してくれる個体です。
理想通りの形で距離が縮まり、この後に見せてくれる行動に期待が高まりました。
畦をジグザグに歩き餌を採る姿はいかにも非タシギ。
躊躇なくこちらへ近寄ってくる様子に今季の観察においても一番の条件と思えるほどでした。
この頃になると自分の鼓動が煩く感じるほどでしたが...
「こ、これは」
この時まで全く気付いていませんでしたが、手前側に別個体のオオジシギが伏せていました。
改めて画像を遡ってみると手前側に伏せている個体が映り込んでいます。
渡りの時期は複数の個体が群れていることも多く特に珍しいことではありませんが、想定外の展開にこの後の行動が読めません。
躊躇なく近寄ってくる個体に釣られて伏せていた個体も近寄ってくることを期待しましたが、身体を起こすと姿勢は反転。
離れつつある伏せていた個体。
釣られてしまったのは躊躇なく近寄ってきた個体でした。
あっという間に遠退いてしまった2羽のオオジシギ。
単独であれば目の前で良い観察ができたことでしょう。
緊張の糸はぶっつりと切れ、この日の観察はここで終了としました。
残念と言う他ありませんでしたが、良い時もあれば悪い時もあって当然。
これもまた野鳥観察の醍醐味といったところでしょう。
ここからは余談となりますが、観察を終えた後は県境を越えて宮城県へ。
翌日は早朝から松島基地へ行かなくてはならなかったため、約10年ぶりに東松島市へ足を運びました。
東日本大震災から復興が進み嘗てあった風景とは一変。
唯一、基地だけが嘗ての思い出を残していました。
地震大国日本。
今後発生するであろう千島海溝巨大地震と南海トラフ巨大地震を危惧すると共に、災害派遣で目の当たりにした悲惨な光景を思い出してしまいます...
本日の観察日記はここまで。
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