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2024年9月23日

 

 

 

本日更新の日記は8月14・15日の観察から。

 

14日は秋田〜苫小牧航路での海鳥観察を計画していましたが、台風5号から変わった熱帯低気圧が日本海に居座っていたため予定を変更。

 

天気が悪い時ほど海鳥観察には期待が持てるものの、新日本海フェリーは直ぐにデッキが封鎖されてしまうためリスクが高くなってしまいます。

 

最悪のケースでは海鳥を見ることのできないまま北海道へ渡る羽目となり、リスク回避のためキャンセル手続きを早めに済ませました。

 

 

オオジシギの観察としては自分史上最高の内容となった8月13日。

 

一夜明けて14日も飽きることなくオオジシギの観察へ繰り出しましたが、この日は出会い頭の遭遇が多く、いずれの個体も至近距離。

 

 

あからさまに私を警戒している様子が伺えます。

 

意を決したように体を起こすと直ぐに距離を置き、これでは良い観察ができそうにもありません。

 

 

こちらの個体は大胆にも農道脇で羽を休めていましたが、まさか自分の前に車が止まるとは思わなかったことでしょう。

 

 

こうした距離で見られる個体は呼吸による体の収縮を肉眼でも見ることができ、警戒心が高まっている時ほど収縮が大きくなるように思います。

 

人間に例えると恐怖に慄き心拍数が上がっている状態でしょうか。

 

やはりこちらの個体も体を起こすと駆け足で距離を置き観察には結びつきませんでした。

 

 

写真を撮っているだけでは満足感が得られず、観察に適した個体はいないものかと畔をチェックしていると視界に入ったのは黒い物体。

 

明らかにオオジシギではありません。

自分の眼に映ったのは何者なのか。

 

妙に気になり車を後退させると…

 

 

黒い物体の正体はイタチでした。

 

直ぐに姿を消すのかと思いきや駆け足でどんどんこちらへ近寄ってきます。

 

 

一体何処まで近寄ってくるのかと興味本位で見ていたところ突然畔に寝転び体を擦り付けるような行動が見られました。

 

イタチの生態に詳しくないためどの様な意味を持った行動なのかさっぱり分かりません。

 

 

その後も距離は縮まる一方。

まるで私の存在に気付いていないかのようです。

 

二度三度と畔を外れることがあったものの姿が見えなくなっても必ず畔へ。

 

 

この時期の田んぼはまだ水が張っており体はびしょ濡れ。

水気を払うため体を震わせていました。

 

 

イタチとの距離は更に縮まり前日のオオジシギをフラッシュバックさせます。

 

 

前回の日記にも記載した通りアナログな機材では距離が近くなるほど撮影は困難。

 

目に焦点を当てた厳密なピント合わせは容易でありません。

 

 

俊敏に動き回るイタチに四苦八苦しながらも距離感を表す撮影に何とか成功しました。

 

 

瞳の部分を拡大してみるとブレやピンボケも無く私の車が綺麗に映っています。

 

 

次に掲載するのは非常に残念な画像。

距離が近過ぎて目にピントを合わせることができませんでした。

 

 

暫く目の前を行ったり来たりするイタチでしたが、警戒心が薄いのかそれとも私の存在に気付いていないか。

こうした疑問から声を掛けて反応を試してみることに。

 

「お〜い」

 

一目散に逃げてしまいました...

 

要らんことをしてしまったと少々後悔しましたが、場所を移動して間もなくアナグマを発見。

 

 

前脚で地面を掘り起こし餌を探しているようです。

 

アナグマの進行方向は私の位置から正反対であったため先回りをして待ってみると…

 

 

狙い通り。

 

アナグマが地面を掘る様子を間近に見ていた時の出来事。

何気なく目線を外すとオオジシギが目の前に。

 

あまりの近さにオオジシギは硬直状態。

 

それにしてもアナグマに気を取られてたとは言え目の前のオオジシギに気付けないとは…

 

この距離感を表そうと広角レンズで撮影を行いましたが、画像の縁に車のインパネを取り込むことで近さが表現できたでしょうか。

 

 

この後は後部座席へ移ることにより望遠レンズでも撮影可能な距離を無理矢理作りだしました。

 

画像を拡大してみるとイタチを撮影した時と同様にオオジシギの瞳には私の車が綺麗に映っています。

 

 

試行錯誤を繰り返し様々な手法で撮影しているとオオジシギは稲穂の中へ…

 

残念ではありましたが突然車を停めたにも関わらず飛ばずに留まってくれたことに感謝です。

 

予報に反してこの頃から陽射しが届くようになり早めに観察を終了しましたが、思いがけない出会いに恵まれ楽しい観察日となりました。

 

 

8月15日は夏季休暇最終日。

 

 

この日は曇のち晴れの予報となっており、オオジシギを観察するには曇天のうちに決着をつけなければなりません。

 

晴れる前にと渡りの中継地へ足を運びましたが、いずれの個体も距離が遠く観察に適した個体が見つからず...

 

夏季休暇に入ってからは自分ルールとして少しでも距離を置こうとする個体は潔く諦め、根気よく待つといった手法は取らないようにしていました。

 

多くの個体がいるからこそ警戒心の緩い個体を探し観察の効率化を図ろうという算段です。

 

この自分ルールに則り、好条件で観察できたのはこちらの3羽。

 

 

発見当初はだいぶ距離が離れていたものの、そのうちの1羽がこちら側へ移動する様子が見られました。

 

 

釣られるように別個体も動きだすとみるみるうちに距離が縮まります。

 

 

畔をジグザグに歩き採餌する姿はいかにも非タシギ。

 

しかし南西諸島で見られるハリオシギとチュウジシギにはこの常識が通用しません。

 

 

特に石垣島で見られるハリオシギとチュウジシギは水の張った田んぼを動き回り、まるでタシギのような餌の採り方をします。

 

必ずということはありませんが非タシギと呼ばれるハリオシギ・チュウジシギ・オオジシギは畔の上や側面を突っくことがほとんど。

 

 

タシギほど積極的に水の中へ入らないため過去の記録を振り返ってみても比較的乾いた環境に居る写真が多いように思います。

 

この時に観察していたオオジシギも草地を歩き枝豆畑へと進む様子が見られました。

 

 

枝豆畑と草地の出入りを繰り返していると突然尾羽を全開。

 

 

こちらの個体に気を取られているといつの間にか後発の個体が合流。

 

目の前で活発に動く様子は8月13日の観察を彷彿とさせます。

 

 

3羽を間近に観察できる時間が続いたものの、13日ほど注目すべき行動が少なく時間の経過と共に陽射しが照り付けるようになりました。

 

陽射しを嫌ったのか枝豆畑へ姿を隠す時間が多くなり、結果として撮影を楽しんだだけの内容に...

 

 

内容は兎も角として間近に見ることができたのは潔く別個体を探すという自分ルールが功を奏したのかもしれません。

 

この様に今年の夏季休暇はオオジシギ三昧で幕を閉じましたが、ジシギの観察記はもう暫く続きます。

 

 

本日の観察日記はここまで。