メールはこちらから

 

 

X (旧Twitter)はこちらから

 

 

2025年1月20日

 

 

 

本日更新の日記は昨年12月28日の観察から。

 

奇跡の9連休と言われた年末年始。

連休初日となるこの日は大潟村を中心に観察の計画を立てましたが、始めに観察したのはコハクチョウの群れでした。

 

 

水路は氷が張っていたものの、まだ氷上へ乗れるほどの厚さではなかったため居場所が限られてしまったコハクチョウは密集せざるを得なかったようです。

 

羽ばたきの瞬間を狙って撮影したこちらの画像、翼下面の羽は美しく日本羽毛製品共同組合の基準で言うところのプレミアムゴールドラベル。

 

 

ダウン100%の脇に挟まれてみたい…

ハクチョウの脇に包まれ寝ることができれば快眠できること間違いなし。

 

 

この時は雲の隙間から薄日が届いていたものの急激に天候が悪化。

年末寒波が予想されていただけにある程度の覚悟はしていましたが視界不良により探鳥もままならないほどでした。

 

田んぼに佇んでいたオジロワシの若い個体も吹雪にお手上げといったところでしょうか。

 

 

荒れ模様の天候が続いたのはおよそ20分。

筋状の雲が流れるこの時期は降ったり止んだりを繰り返すことが多く天候の回復を待って羽の特徴を観察。

 

じっくりと観察することにより前週見た個体と同個体であることが判明し、翼下面の特徴も確認するため飛び立ちの瞬間を待ちました。

 

 

待機を始めて30分ほど経過した頃、飛び立ちの構えを見せたため連写。

 

 

特徴を捉えるには充分な画像と言えるでしょう。

 

この日はとある目的を持って村内を巡回したものの、お目当ての鳥を見つけることができずスナップ撮影の繰り返し。

 

 

単に写真を撮るだけでは満足感を得られなかったこともあり、観察らしい観察をしたいと考えた結果、前週確認した亜種不明ヒバリの観察をしてみることに。

 

 

確信に迫る何かを掴めたらと前週の場所へ足を運んでみたところ様子が一変。

降り積もった雪の影響により田んぼは真っ白。

 

餌が採れなくなってしまったせいか亜種不明ヒバリの姿は無く、残念ながら私の目論見は水の泡と消えました。

 

 

肩を落とす私の観察欲を刺激してくれたのはホシムクドリ

こちらも前週観察していた種になります。

 

 

農道脇で採餌する個体を切っ掛けに周囲を見渡してみると分散した群れがあちこちに。

 

複数の個体が見られただけに、どの個体の観察をしようか迷いましたが先ずは目の前の個体から。

 

 

掘り起こされた地面を頻りに突っついていましたが、このホシムクドリのライフラインとなっていたのは周辺で見られたカラスの群れ。

 

 

こちらではハシブト・ハシボソ・ミヤマ・コクマルの4種が混群を成しており、雪を掘り起こし採餌するカラスはホシムクドリにとって有難い存在になっていたようです。

 

 

時々カラスに追い立てられながらもせっせと採餌するホシムクドリたち。

 

 

村内には柿の木が多く、鈴なりになった実も見かけましたが何故こちらで採餌しているのか。

 

熟して食べ頃のように見える柿よりもホシムクドリにとって大事な餌があるのだとしたら考えられるのは動物性タンパク質。

しかし私が観察する限りホシムクドリが口にしているのは植物のようにも見え謎は深まるばかり。

 

餌の問題はさておき、時折猛烈な吹雪になってもお構い無しに採餌する姿には逞しさを感じました。

 

 

人工物へ止まっていたこちらの個体は突風に吹き飛ばされそうになりながらも必死に耐えている様子。

 

 

暫く観察を続けているとムクドリの群れが合流。

 

おそらくこちらのムクドリは一年を通して村内で暮らす個体群と考えますが、余所者のホシムクドリはムクドリに餌場を譲ろうとしません。

 

 

いつぞやの日記でも触れた通りホシムクドリは気性が荒く、自分より体の大きいムクドリに喧嘩を仕掛けることも屡々。

 

ホシムクドリを目にして『ギャーギャー』と騒ぐ声が聞こえたら大抵喧嘩をしています。

 

 

勿論個体差もあろうかと思いますが、一見仲良さそうに見えても実際のところは分かりません。

 

お互いに文句を言いながら採餌をしているのかもしれませんし、もしかしたら上辺だけのお付き合いをしているのかも…

 

 

人間社会に照らし合わせ勝手な想像を膨らませながら観察をしていると一際大きな鳴き声が。

 

「また始まった」

 

視線を移すと案の定喧嘩しており、私が撮影を始めたタイミングでドロップキック。

 

 

背後から蹴り飛ばされた個体はひっくり返るほどの勢い。

 

しかしやられた方もやられっぱなしではなく直ぐ様反撃に出ました。

 

 

闘いは空中戦に縺れ、激しく攻防を繰り返しながら遥か彼方へ…

 

 

勝敗の行方がどうなったのか定かではありませんが、こうした争いはホシムクドリの間で日常茶飯事です。

 

争いを見せる個体が居る傍ら、黙々と採餌を続けるホシムクドリたち。

 

 

この日確認できたホシムクドリは15羽ほど。前週ガイドしていた際、柿の木に群がっていた個体群と判断して間違いないでしょう。

 

 

考えてみるとホシムクドリの群れをこの様に観察したのは久しぶりでした。

昨季はヤマドリの観察に集中していたこともあり大潟村がどのような状態にあったのか詳しく分かりません。

 

定期的に渡ってくるようになったのか、それとも一時的な滞在なのか…

 

秋田県においては未だ珍鳥扱いのホシムクドリ。

今後、個体数がどのように変化していくのか注視したいと思います。

 

 

本日の観察日記はここまで。