2025年1月6日
本日更新の日記は昨年12月8日の観察から。
季節風が強まり吹雪の予報が出ていたこの週末。
サンデーバーダーの私にとって休日のお天気は何よりも重要視すべきところですが、これまでの観察を振り返ると天候に左右されながらもそれなりに観察を楽しめていました。
ましてや冬の日本海側では吹雪くことが当たり前。
四の五の言ったところでどうにかなる問題ではありません。
腹を括り自宅を出発したものの、この日は特に目的を持っておらず「なんとなく」大潟村へ。
先ずは挨拶がてらオオワシの様子を見に行ってみると定位置に止まり周囲を見渡しているようでした。
間もなく見慣れぬ車が続々と…
鳥屋あるある、双眼鏡で何でもチェック。
一行の正体が野鳥の会 秋田県支部の方々と分かり、久しぶりに顔を合わせる先輩方にご挨拶。
聞くところによるとこの日は大潟村での観察会なのだとか。
有難いことに沢山の方からお声がけ頂き和気藹々とした雰囲気のなか観察を共にしていたところハヤブサが飛来。
これに反応したのかオオワシは何度か鳴き声を発し、改めて声量の大きさを感じさせられました。
私は一足先にオオワシの観察を終え、その後は村内を巡回。
悠々と飛ぶオジロワシを眺めながら車を走らせていると急速に天候が悪化し辺りは真っ暗に。
雪が巻き込み窓を開けられない状況になると何を観察するにも風上側をキープしなければいけません。
風下側に位置付けるとたちまち車内は雪まみれになってしまいます。
観察に制限のあるなか探鳥を続けると田んぼに点在する20羽ほどのタゲリを発見しました。
こちらの写真、1カットだけ撮影して即座に窓をクローズ。
生憎、私はタゲリの風下に位置する他なく吹雪が落ち着くまで暫しの我慢。
次第に細かい雪へと変わり横殴りの吹雪は視界を遮るほど。
車が揺さぶられるほどの悪天候のなか風に煽られながらも懸命に飛ぶチュウヒが接近。
この時まで身動きすることなくじっと耐えていたタゲリでしたが、チュウヒが田んぼに差し掛かると約半数の個体が飛び立ちチュウヒを取り囲むような陣形に。
逃げるように飛ぶのとは異なり、私の目には排除させるため飛び上がったように見えました。
もしかすると地上に残った者は若い個体だったのかもしれません。
チュウヒを追うように飛んだ個体群は程なくして元居た田んぼへ。
一連のやり取りを撮影した代償として私の車内はずぶ濡れに…
いそいそとタオルで拭き上げていると急速に天候が回復。
陽射しの届くお天気に変わると活発に動き始めたタゲリたち。
日照時間の短い秋田県では玉虫色に光るタゲリを綺麗に撮影できるチャンスは多くありません。
先々月更新した石垣島の旅行記でも天候について触れていましたが、数少ないチャンスを活かそうとここぞとばかりにシャッターを押しました。
しかし喜びも束の間…
たちまち悪天候に変わり辺りは真っ暗に。
再び待機を余儀なくされましたが、今季タゲリを観察できる機会は残り僅か。
積雪量が増えると餌が採れなくなってしまうため秋田以南の地域へ移動してしまいます。
そのため真冬にタゲリを見る機会は少なくこのチャンスを最大限活かしたいと考えました。
強い北風が吹き雲の流れは早く、陽射しが届いたところを見計らい観察を再開。
私は観察・撮影を行ううえで強い陽射しを嫌いますがタゲリに関しては別問題。
タゲリを撮影するにあたり陽射しの有る無しで雲泥の差がつくのは写真を見ての通り。
このように撮影を楽しみつつ採餌の場面に着目すると頻繁に小さな芋虫を捕えていることが見て取れました。
獲物は一瞬のうちに飲み込んでしまうため狙いを定めて連写。
其々の画像を拡大。
一体この芋虫は何なのでしょう。
成長すると姿を変えるのか、それとも一生芋虫のままなのか…
以前の観察ではヒルに似た軟体生物を捕食していましたが、今回確認した獲物はほとんどが芋虫でした。
正体の分かる方がおられましたらご教示頂けますと幸いです。
※当方とのコンタクトについてはトップページのアカゲラのアイコン、若しくは探鳥ガイドの項目にメールアドレス、LINEのQRコードを掲載しています。
観察を続けるとタゲリとの距離はどんどん縮まり、遂には私の目の前まで近寄って来た個体も。
車を止めてから暫く経っていたこともあり警戒心はほぼ無くなっていたことでしょう。
車内からレンズを出す動作にも動じる様子は見られませんでした。
観察を終えようとした頃、辺り真っ暗になり再び嵐のような天候に…
流石のチュウヒも水路へ退避せざるを得なかったようで、この日の観察はここまで。
観察の内容を振り返ってみるとタゲリを見ることができたから良かったものの、空振りと紙一重の内容であり「鳥が少ない」という印象が色濃く残る結果となりました。
今季だけの我慢となれば良いのですが、先々の不安が拭いきれません。
本日の観察日記はこれにておしまいです。