2020年10月3日
前回の続き。
初めて訪れた佐渡島、何の情報もなく右も左も分かりませんでした
腰の痛みが酷く前日は早めの就寝をしましたが、目を覚まして体を
筋肉の緊張状態が続いたせいか体が硬直してしまったようです。
この日の観察は諦めなければならないと思うほどでしたが、寝返り
体が万全の状態であれば塒立ちから観察をしたかったのですが、こ
塒を離れ活発に餌採をするトキを見るため、この日も田んぼ巡りか
宿を出発して間もなく群れを発見。
必死になって探した前日の午前中が嘘のようです。
欲の無い時ほどあっさりと見つかり、朝から良い場面を見ることが
普段からトキが多く見られる場所なのか道路沿いにはこんな看板も
しかしながら今回の旅は目に映る風景が自宅近くと瓜二つ。
地元での観察もここのところ田んぼ巡りをすることが多く、今回の
違うことと言えば地元には居ないトキが群れているということ。
やはり同じトキでも個体差があるようで、農家さんが近付くと距離
この日は群れを観察する機会が多く、一枚の田んぼに約30羽のト
トラクターが農道を移動したことで一斉に飛び立つトキの群れ。
周囲を旋回するようにして、何処に降りようか見定めているようで
これらの場面はガンの群れを彷彿とさせるもので、次々に田んぼに
この時、群れを数えていた農家さんの姿が印象に残っています。
朝の観察を終えたところで大きく場所を移動。
初めて訪れた佐渡島ですが田んぼ巡りだけではもったいないと思い
時間に余裕があれば島を一周してみたいとも思いましたが、周囲2
そこで北端に行けば時期的にも渡り鳥が見られるのではと考え車を
同じ日本海側ですから似てて当然。
何処を走っても見たことのあるような景色が広がります。
道中は鳥の声が賑やかで気になる鳴き声も耳にしましたが、外周道
北端に辿り着いて目にしたのはアトリの群れ。
今季初認となるアトリが100羽ほど飛び交っていました。
いわゆる珍鳥と呼ばれる類いの鳥も探してみたかったのですが、や
車内から見える範囲ではそれらしい鳥を見つけることができないま
お腹も空いてきたので両津港まで戻り、昼食を済ませたところで午
前日からトキを探している際にこちらの施設が気になっていました
公園入り口にはトキのペイントを施したレトロな郵便ポストが。
発券機で入場券を購入した後、受付ではコロナ対応で消毒後に入場
施設入り口では検温の装着も設置されており、コロナ対策は万全の
始めにトキ資料館に入り、現在までの歩みやトキの生態についてを
館内には前回の日記でも触れた日本産最後の個体『キン』の本剥製
佐渡島に来てからトキを沢山観察しましたが、キンを目の前にして緊張していました。
記念に撮影するつもりが、初見の鳥を目にした時と同じような感覚
こちらの日記は観察日の日付で公開していますが日記を更新する今日、10月10日は奇しくもキンの命日。
推定年齢36歳、人間でいうと100歳ぐらいの長寿だったキンは晩年ほとんど動くことがなかったそうですが亡くなった日の朝、突然羽ばたき高く飛び上がったそうです。
キンは一体何を思い最後に飛んだのか・・・
資料館の見学後は観察回廊を通って飼育ケージを見学。
ケージの中ではちょうど水浴びをしている個体が見られ、田んぼで
資料館付近のケージでは海外に生息するトキも少数飼育されている
資料館から少し離れた場所にはトキふれあいプラザという建物があ
園内には『トキまで2センチ!?』というキャッチコピーの幟旗が
ケージの内部は自然に近い環境が再現されており、飛翔、採餌、巣
ここでの見所が何と言っても間近で観察できるトキ。
餌場となっている場所に設置された小窓から目の前にやって来るト
この時の私、子供のようにはしゃいでいたと思います。
ケージの中からは建物の中にいる人間が見えない造りになっている
そんな訳で今回はスマホで動画撮影。
トキまで2センチ!?というキャッチコピーにクエスチョンマーク
なるほど、納得。
腰の痛みを圧しての見学だったこともあり車に戻って小休憩。
この後は再び野生個体の観察をするため田んぼ巡りに繰り出しまし
午後も難なく群れを見つけることができ、採餌する姿や飛翔シーン
田んぼでの観察を終えたところで塒入りの観察に備え移動していた
車を後退させ確認してみたところトキで間違いないようです。
道路から直ぐそばで近隣にお住まいの方が草刈りをしていたのでお
聞くところによると『以前はこの木が塒だったけど、観光客が勝手
確かに大きく開けた農耕地とは違い、民家付近にある農道入り口に
トキに限ったことではありませんが、野鳥を観察する際は周辺への配慮を欠かさないよう心掛けたいものです。
近隣の方立ち会いのもと離れた場所から少しだけ塒入りをしたトキを観察。
有難いことに近隣の方から他の塒となっている場所についてや、今
参考となるお話でしたが、私の行動で生態に影響が出るといけない
塒入りの際には塒となっている木の上空を旋回するように飛翔し、
今回はそのシーンを拡大して掲載します。
この日観察を終えたのは17時40分。
腰の痛みもピークで早々に宿へ戻ると温泉に入ることなくこの日も
時間の経過は早いもので翌日には佐渡島を離れます。
2020年10月4日
この日の朝も腰の痛みが酷く起床するまでだいぶ時間が掛かりまし
9時15分発のフェリーに合わせ宿を出発しましたが、トキの美し
ターミナルに着いてからも「もう少し早起きをして一目トキを見る
フェリーに乗り込み間もなく出港するとあっという間に佐渡島が離
後ろ髪を引かれる想いで離れつつある島を眺めていると米粒ほどに
最後の最後にトキを見ることができました。
デッキでは延々とフェリーをついてくるウミネコを眺めこの旅もお
振り返ってみると期間中はお天気にも恵まれ、思う存分トキを観察
私にとって「近くて遠い島」だった佐渡島は少しだけ身近になった
またいつの日か美しい朱鷺色を見るため再訪したいと考えていますが、次の機会にはキンの生涯や野生復帰の取り組みについて思いを馳せる佐渡島の旅ができたらと思います。
ぎっくり腰に始まりぎっくり腰に終わったトキ三昧の旅。
2020年 ぎっくり腰 in 佐渡島はこれにておしまい。
※今回の旅行で撮影したトキの画像は未掲載分も含めてアルバムの方に追加しました。
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