2024年11月23日
本日更新の日記は観察旅行記。
いよいよANAダイヤモンドステータス維持のフライトも大詰め迎えました。
今回の旅行を含め12月中旬に予定しているフライトを以て今年の修行は終わりとなるはずでしたが、秋台風の影響により行き先の変更やチケットを取り直したこともありダイヤモンド到達が前倒しに。
現在のところダイヤモンド到達まで3261PPと残り僅か。
今回の目的地は石垣島とあってエコノミー席のフライトでも4000PP以上稼ぐことができます。
つまり今年の修行は今回の旅行を以て完結。
12月に予約していた分はどうしたら良いでしょう…
何はともあれ未だ夏の空気を残す石垣島を目指し寒空の秋田を離れることに。
今回の旅行は人生二度目の石垣島という知人と計画を立てていましたが、以前の旅行ではカンムリワシを見ることができなかったとか。
そのため知人のお目当てはカンムリワシ。
私のお目当ては10月中旬に確認されたというナンヨウショウビン。
私は珍鳥が出たからといって地元を離れることがないため旅先での出会いはいつも運次第。
計画通りにフライトをこなしているため、珍鳥との出会いに恵まれるかはおみくじ感覚です。
特に石垣島はおみくじ要素が強くこれまでに数多くの珍鳥を見ることができました。
果たして今回の旅では運が味方してくれるのか…
14時50分、悪天候により霞がかった新石垣空港へ到着。
渡島前から島の友人や先輩には数多くの情報を頂いており、先ずは挨拶にとナンヨウショウビンが現れるという地域へ足早に移動。
現地へ到着するとナンヨウショウビン狙いと思わしきバードウォッチャーが散見され、下見がてらそちらへ歩み寄ったところ『朝から張っているけど全然ダメだ』という話を耳にしました。
勝手ながら行けば見られると安易に考えていた私はこの話に落胆。
現地に居るはずの先輩の姿も無かったことからバードウォッチャーが集まる場所とは離れた場所を歩いてみると不自然に白く見える物体を発見しました。
双眼鏡を覗くと全然ダメだというナンヨウショウビンに拍子抜け。
この時私はカメラを持っていなかったため一度車へ戻り先ずは証拠写真の撮影から。
これに気付いたバードウォッチャーが続々と集まるとナンヨウショウビンは飛去してしまいましたが、現地へ到着して5分後の出来事だっただけに『恐ろしく警戒心が強い』という話は俄に信じがたいものでした。
話を伺うとブッシュの陰から少し顔を覗かせただけでも飛んでしまうとか。
『羨ましい』と言われながらも私は目の前に飛来した亜種イシガキヒヨドリを観察。
亜種ヒヨドリに比べると茶褐色の印象が強く知人にとっては目新しく見えたそうです。
この様に普通種であっても石垣島で見られる野鳥は色の違いや鳴き声の違いも楽しめるため、特に本州から渡島される方は地元で見られる個体と比較してみると面白いでしょう。
フィールドを巡回している先輩とタイミングが合わなかったこともあり、知人のリクエストに応えカンムリワシを探してみることに。
農地を転々としていると水の張った田んぼにはヘラサギとクロツラヘラサギの姿が。
じっくりと観察したいところでしたがカンムリワシを優先しなければいけません。
午後便での到着であったため初日に観察できる時間はほんの僅かです。
悪天候の影響もあり早いペースで暗くなると私には焦りの気持ちが。
渡島前「この時期は簡単に見られる」と豪語していただけに、見つけることができなかったという結末だけは避けなければ…
辺りがだいぶ暗いと感じるようになった頃、手こずりながらも無事カンムリワシを見つけることができました。
観察を始めて間もなく感じた異変。
こちらの個体、左目を失明しておりこの事実を知人に伝えるとショックを受けていましたが、後に聞いた話では随分と前から確認されている個体のようです。
大きな障害を抱えながらも逞しく生きているカンムリワシでしたが、この時は刺激のないよう手短に観察を済ませその場を後にしました。
こちらは宿泊先へ移動する間際に見られたシロハラクイナ。
日没間際だったこともあり至るところでシロハラクイナを見かけましたが、道路を横断する個体も多く交通事故が心配です。
2024年11月24日
日程二日目。
この日はナンヨウショウビンの捜索から。
知人は前日見れずに終わったこともあり『ナンヨウショウビンの観察を優先したい』とのこと。
かくいう私も前日は証拠写真を撮っただけという内容であったため、朝一番からナンヨウショウビンを探してみることに。
島の友人や先輩の話によると渡来当初から比べると行動パターンが少しずつ変わってきており、観察はタイミング次第となっているようです。
到着5分で見ることができた私はとてつもなく運が良かったのかもしれません。
事実、ナンヨウショウビン狙いで石垣島へ二度渡島し空振りに終わった方もいるのだとか…
その言葉通り、この日は観察できるまで相当な苦労を強いられ恐ろしいまでの警戒心を見せました。
休憩中は人の目に触れない場所へ隠れる傾向があるのか、何人ものバードウォッチャーが探し回っても姿が見当たらないのは当たり前。
運良く発見できても一瞬で飛去してしまいます。
この日捜索を始めて三時間半ほど経過した頃、ようやくその姿を捉えることができました。
こちらの場所へ止まっていたのは10分ほどだったでしょうか。
枝を離れるとヒタキのように軽やかな動きを見せ、アカショウビンの動きとはまるで異なります。
間もなく姿が見えなくなると先輩が到着。
出現場所や行動パターンを説明してくださるとのことで一度場所を移動すると『ほら、飛んできた』と先輩の説明通りに飛来したナンヨウショウビン。
更に絶妙なタイミングで観察に現れる島の友人。
持っている方は違います…
おそらく別の場所では姿さえ確認できず探し回っていたバードウォッチャーも多かったことでしょう。
カニを捕食するというナンヨウショウビンはお約束という場所に佇み、周囲を見渡すような姿を見せてくれました。
カニが見つからなかったのか、人の気配を感じたのかナンヨウショウビンは飛去。
この後もナンヨウショウビンを探して回りましたが、全くと言っていいほど気配が感じられなかったため捜索を一旦中止。
気分転換にと農地を巡回してみることに。
田起こししたばかりの田んぼではツメナガセキレイの大群が見られ可能な限りチェックを繰り返します。
特に気になる種は混ざっておらず、目の前へ来た個体に注目しているとクモを捕まえていました。
捕食する様子を見ていたところのしのしと歩いてきたのはアカガシラサギ。
こちらを気にする様子もなく辺りをうろうろ歩き回り餌となる生き物を探しているようでした。
農地を巡回して聞こえるのは『チャチャッ チャチャッ』というセッカの鳴き声。
見ることができてもなかなか撮影を許してもらえないセッカですが、この時は運良く撮影することができ知人も満足だったようです。
この後にはムラサキサギを見ることができ、知人にとっては見るもの全てが新鮮だったことでしょう。
カモ類が多く入る田んぼではソリハシセイタカシギとヘラサギの姿もあり其々を観察。
まるで掃除でもしているような動きを見せるヘラサギはソリハシセイタカシギを邪魔者のように扱っていました。
うかうか寝ていられず追い立てられるソリハシセイタカシギ。
当たり前のように観察できていますが、秋田感覚では珍鳥のオンパレード。
たまに記録があるだけの鳥をこうも簡単に観察できてしまうと有難みは薄れてしまいますが、このように少ない移動だけでも様々な種を観察できることこそ石垣島の良いところ。
観察中に猛禽の鳴き声が聞こえたため周囲を見渡すと❝雄々しく広げた翼 天高く宙を舞う❞カンムリワシの姿がありました。
このフレーズはエイサーの演舞や応援歌として広く普及したダイナミック琉球より引用したもの。
カンムリワシを見て作詞されたものかと想像を膨らませます。
この他にタゲリの姿も。
秋田でもこの時期に見られるタゲリですが冬の日本海側は天候の悪い日が多いため、本来の色を見る機会は多くありません。
田んぼの様子も異なり、場所によっては田植え直後の田んぼがあったり収穫間際の田んぼがあったりと本州では考えられない光景に面白がって見ている知人の姿がありました。
タゲリの観察を終えたところで正午となり午前中の観察はここまで。
昼食を挟み午後からは市街地の公園で観察を行いましたが、そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。