2012年8月13日
今日は観察をお休みしたので久しぶりに風力発電について個人的な意見をあれこれつぶやいてみようと思います。
先ず始めに私の自宅近くに建設中の風力発電施設の現状から。
写真は昨日撮影したものです。
ご覧いただくと解る通り辺り一帯の木は切り倒されてしまいました。
毎日のように工事関係の大型車がけたたましく走るこの林には沢山の野鳥が暮らしており、小動物も沢山います。
この風車設置場所付近にはミサゴが営巣しており、以前の開発でもかなりの数の営巣木が切り倒されてしまいました。
辛うじて残った営巣木ですが、こちらの巣を利用するミサゴが狩り場としている場所は風車設置場所の先。
ちょうど巣と狩り場の中間に風車が立ちはだかる状態となり今後の繁殖に影響が出るのは間違いないでしょう。
場合によってはいなくなる可能性もあります。
工事が始まる前にこの場所で撮影したミサゴですが繁殖シーズンにはこのように魚を持って巣と狩り場を何度も往復します。
風車を設置する企業などはバードストライクを防止する為に設置の間隔を空けて被害を低減すると云っていますが、そういった措置をとっても意味はありません。
以前、秋田市で開催された風力発電に関するシンポジウムでは風車設置推進派の方が「野鳥が風車にぶつかる可能性はかなり低い」といった内容の発言をしていましたが、実際は多くの被害が出ています。
動画投稿サイトのYouTubeでは単独風車付近に飛来したワシが、回転するブレードに叩きつけられ落鳥するという内容の動画が投稿されていました。
現実としてこのような被害がある訳ですから、建設中の風車が完成して回転を始めると当然ミサゴの他にも被害に遭う野鳥は多いでしょう。
さて次は新たな風力発電施設の設置構造について。
前回(昨年12月1日付け)は秋田県沿岸部を中心とした多数の風車設置計画について記載しましたが、県内にまた新たな風車設置計画が浮上しました。
場所は県北部に位置する能代市の風の松原周辺。
この場所に21基の大規模な風力発電施設を建設し2016年度末に運転を目指すというもの。
何故こんなにも風力発電の設置計画が次から次と出てくるのでしょうか?
それには原発事故以来、脱原発の為に代替エネルギーを模索し焦る国の動きと、それに便乗する企業が多数いるからです。
この風力発電施設を建設するにあたって事業者に補助金が出るシステムになっており、風力発電は採算が合わない非常に非効率な発電と分かっていても補助金目当てに回らない風車を建設する企業も出る始末。
なかには「発電しなくてもよい、補助金を貰う為に建設します」と公言する輩も。
「クリーン」や「エコ」という言葉を使うとあたかも素晴らしい発電に聞こえますが実際のところ裏にはこんなカラクリがあり、結局のところビジネスなのです。
風力発電を推進する企業や個人がこれに全て当てはまるとは言いません。
中には弊害をなくす努力をして日本の未来の為に真面目に頑張っている人もいるでしょう。
しかし風力は一定ではないのです。
当然ながら風が吹かない時の発電量はゼロです。
一定ではないエネルギーを安定供給する為には化石燃料を無駄に使わないといけなくなり、二酸化炭素削減には逆効果をもたらします。
先々月には秋田火力発電所で計画を前倒ししてガスタービンでの発電を開始しました。
発電能力は秋田県全世帯数の倍以上をカバーできるというもの。
これには二酸化炭素排出という問題を抱えていますが、それでもまだ風力発電は必要でしょうか?
先月から再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まりました。
補助金という形で税金が使われ、発電した電気は高値で電力会社が買い取り、高くついた分は電気料金値上げという形で私たちが負担しなくてはなりません。
「地球に優しい、エコ、クリーン」といった言葉とは裏腹に風力発電は「自然を破壊し、景観を損ね、健康被害を及ぼし、生態系に影響を与える効率の悪い発電」というのが個人的な感想です。
今回は容易に読んで頂く為に敢えて具体的な数字は出しませんでした。
興味を持たれた方は検索サイトで風力発電について色々なキーワードで調べてみて下さい。
具体的な数字をあげ、今回の記事より更に詳しく触れている方が沢山おられます。
国策で推し進められる再生可能エネルギーについて皆さんももっと考えてみませんか?