2017年10月15日 17/11℃ 曇り時々晴れ
秋の珍鳥まつり。
今年もこのシーズンが到来しました。
図鑑でしか見ることのできないような珍しい鳥と出会えるこの季節、渡りの時期は色んな鳥が移動しているので何処に何が出るか分かりません。
実績のある場所で待つもよし、普段足を踏み入れないような場所で探すもよし、当たれば大喜びですがハズレると鼻水を垂らして帰る羽目になってしまいます。
昨日はムギマキが確認されたとの情報が流れ、今朝はそちらの場所に直行してみたものの既に現地入りしていた鳥屋さんから『いねー!』と挨拶が飛んできました。
これは困った。
ムギマキを観察する気満々でやって来たので私の意気込みは何処にぶつけたらよいものか。
辺りを散策してみましたがそれらしき鳥は目に入らなかったので早々に場所を移動。
例年珍鳥が確認される場所へ向かうも風が強く吹き始め嫌な予感。
案の定、珍鳥スポットは強風で小鳥を観察するにはかなり厳しい状態でした。
と言う訳で今日トビの観察にシフトチェンジ。
普段よく目にする鳥ですが、れっきとした猛禽類。
そんなトビをかっこよく撮影しようと断崖絶壁の崖の上でトビの撮影にチャレンジです。
台湾の鳥屋さんが見たら泣いて喜ぶでしょう。
台湾でトビは珍鳥。
日本に置き換えるとイヌワシを見てる感覚です。
しかし思ったように撮影できず。
・・・道理でクマタカを上手く撮影できないはずだ。
トビすら満足に撮影できない人間がクマタカなんて上手く撮影できないと悟った瞬間でした。
モニターで撮影した画像をチェックし、何気なく向い側の崖を見ると岩に同化するようにしてチドリのような鳥が止まっているように見えました。
「なんで崖の上にチドリ?」
取り合えず撮影した画像を拡大・・・
ふぁっ!?
サバクヒタキ!?
これは崖から牡丹餅。
先に述べた通り正に図鑑でしか見ることのない鳥ですが、私が目にするのは2度目。
今年の春の渡りの時期に自宅近くで確認したのですが、残念ながら証拠写真を撮影する間もなく飛ばれてしまいライフリストとしてはノーカウント。
今回は撮影も成功したのでリスト追加と共に秋田県初記録です。
血圧急上昇で手が震えました。
「ちょっと落ち着こうか」
ここは断崖絶壁の崖の上。
慌てて落ちたら間違いなくあの世逝き。
初めて見る鳥ということもありどんな行動をするのか全く見当がつかないので取り合えずその場でしばらく観察。
長旅で疲れているのか羽繕いをするくらいであまり動く様子が見られませんでした。
意を決して場所を移動。
崖を途中まで降りたらこんな画像が撮れました。
次第に動きが活発になり崖を行ったり来たりして餌を採り始めたので安全な場所に移動してしばし観察。
画像を拡大してみると捕まえた虫はゾウリムシやハサミムシのような生き物が大半でした。
驚かされたのはサバクヒタキが海水を飲んだこと。
岩場を降りて窪みに海水が溜まった場所に移動したのでもしやと思いましたが、実際に飲むところを目撃したのでこれも画像を拡大。
サバクヒタキは崖に垂直に止まることもあり足の力はなかなか強いようです。
崖から崖への移動を繰返し動きはどんどん活発になっていきました。
遠くに行って抜けてしまうかと思いきや足元に飛んでくることもあり、近すぎてピント合わせができず私が後退する羽目に。
このような行動は珍鳥ならでは。
サバクヒタキからすると人間が珍獣なのかもしれません。
人を怖がるような遺伝子を持っていないのだと思います。
偶然近くに観察にいらしていた先輩の足を絡めて撮影。
せっかくなのでスマホで動画の撮影をしてみました。
強風でブレブレですが近くで羽繕いをする様子です。
スマホだと遠くに感じますが実際は目の前と言っても過言ではありません。
観察を続けると崖で餌を採るよりも草地で餌を採る時間が長くなってきました。
手持ちの図鑑には乾燥した荒れ地や農耕地に生息すると記載があるので、こちらが本来の姿なのかもしれません。
「もう二度と会えないかも」と思い、いつも以上に撮影した結果、写真の選定が追い付かずアルバムの更新は本日中に出来そうもありません。
そちらは後日にゆっくり追加していこうと思います。
何はともあれトビを撮影して終わるはずがこんなにも好運な結末で終わるとは思いもしませんでした。
運を使い果たした感が否めませんが、渡りのシーズンが終わるまで色んな出会いを求め観察に出たいと思います。
今日の日記はここまで。