2017年4月16日 16/12℃ 曇り
春の珍鳥まつり。
渡りのシーズンを迎え冬鳥と夏鳥が混在するなか、普段見ることのできない珍しい鳥が姿を現します。
理由として挙げられるのは目的地へ移動する際、中継地として日本に立ち寄る場合もあれば本来の渡りのコースから外れて迷い込んだりと様々。
そのような珍しい鳥を観察するため中継地となっている離島はこの渡りのシーズンに合わせて沢山の鳥屋が集り賑わいをみせるそうです。
私も右に倣い離島へ・・・と言いたいところですが、残念ながら秋田には離島がありません。
しかし秋田には離島ほどではありませんが珍しい鳥が数多く確認される男鹿半島があります。
地図上で日本海側に突き出したところが男鹿半島。
珍鳥の観察地として有名なお隣山形県の飛島は面積が2.7㎡に対して男鹿市の面積は241.1㎡と約89倍になります。
この広い面積のなかから珍しい鳥を探し出すのはなかなか骨の折れる作業。
ここまでの説明でなんとなく大変さが分かって頂けたと思いますが、何が言いたいかというと・・・
今回もお目当ての鳥は見つかりませんでした。
唯一珍しい部類で見つけることができたのはヒメコウテンシ。
随分と地味な天使です。
こちらの鳥をじっくり観察できたらよかったのですが以前観察した個体と違って少々神経質。
更に暴風警報が出てもおかしくないほどの風が吹き、羽は捲れあがるわ煽られて飛ばされるわでそれはもう大変でした。
なかなか思ったような観察ができず四苦八苦していると何やら騒がしい音が・・・
絶滅危惧種が出ました。
昨年秋の渡りのシーズンにユキホオジロを観察してる際、同じような類いを観察しています。
もしかしたらこの騒々しい類いも渡りを行っているのかもしれません。
結果まともに観察できず今日の珍鳥探しは終了。
鳥屋に空振りはつきものですが流石に私の能書きだけで「はい、おしまい」という訳にもいきません。
『じゃあどうすんの?』
心配無用、我に秘策あり。
日記を更新するのは勿論義務ではありませんが、書き手として私自身楽しんでる部分もあります。
また拙い日記ながらも楽しみにしてくださる方もいるのでここは過去の観察データをひっくり返し、まだ早朝から日没まで夢中になって観察をしていた頃の思い出話をしたいと思います。
話は遡ること約7年。
3月の最終日曜日、野鳥の会秋田県支部の野鳥掲示板を見てみると私の憧れとも言える鳥の画像が投稿されていました。
(現在、野鳥の会秋田県支部の野鳥掲示板は休止されているようです)
支部の先輩が撮影された画像でコメント欄には『おまけ』の文字。
おまけなんて贅沢なことを言えるのが凄い。
もう神レベルとも思えるその投稿を目にしたことで何としてでも私も見てみたいという気持ちになり月を跨いで翌月4月の第1日曜日、男鹿半島へ足を運びました。
しかしながら男鹿半島の何処で観察されたか分かりませんし、既に秋田を離れている可能性もあります。
広い男鹿半島のなかから1羽の鳥を探し出すのはまさに雲を掴むような話。
一縷の望みに賭けあちこちを見て回り、車で進入出来ない場所は自らの足で探しました。
歩き疲れ諦めの色が濃くなった頃、法面で餌を採る1羽の鳥。
憧れの鳥、ヤツガシラと初対面です。
逆光の位置からの撮影に加え、距離が離れていたことから陽炎の影響が酷くお粗末な画像ですが私にとって思い出の一枚。
当時はカメラの設定など知識も何もなく全自動モードでシャッターを押すだけという総てがカメラ任せの撮影でした。
またこの頃は野鳥との間合いの取り方も分からず不用意に近寄ってしまったため警戒したヤツガシラは離れた場所へ移動。
今度こそとじわりじわりと間合いを詰め、ようやく特徴の分かる画像を残すことができました。
秋田では春と秋の渡りのシーズン、先駆ける形でシーズンの早い時期に確認されます。
このことからヤツガシラが姿を現す頃、男鹿半島を方々探して回るようになりました。
最初の観察から2年後の4月第1日曜日、再び観察の機会が訪れます。
海沿いの曲がりくねった道路沿いで餌を採るヤツガシラ。
正直なところ観察するには危険とも云える場所で、証拠写真を一枚撮影したところで逸る気持ちを抑えながら車を移動させUターンをしてベストポジションへ。
こちらを見ていますが車内からの観察ではあまり警戒していないようでした。
ヤツガシラは長い嘴を挿し込む形で餌を採るので、姿が確認される場所は芝生など背丈の低い草地、畑など比較的土壌の柔らかな場所が多いようです。
虫を捕まえた画像を拡大。
このように虫を捕まえると空中に放り投げる形で呑み込みます。
その瞬間はブレブレで非常にお粗末な画像になりますが雰囲気だけでも・・・
このような餌の採り方は以前観察したコシャクシギとよく似ています。
種類として全く別な鳥ですが嘴の形状が似ているため採餌方法が似ているのかもしれません。
2012年は同時に2羽見ることもあり、各所で確認例が相次ぎヤツガシラの当り年と言われました。
その年以降チラッと何度か目撃していますが観察とまではいかずなかなか良い機会に恵まれていません。
今回この記事を執筆するにあたり過去の日記を久し振りに読み返してみましたが本当にヒドいものでした。
取り合えず楽しそうな雰囲気は伝わってくるのですが文章が今以上に稚拙で何を言いたいのかさっぱり分からない。
年々観察スタイルも変われば文章も変わってくるんだなと客観的な目で自分を見ることができたのは唯一良かった点です。
またいつかチャンスが巡って来ることを信じ、次に会えた時は過去とは違った形で観察をしてヤツガシラの魅力を存分に伝えることができればと思っています。
最後は大きく撮っただけの図鑑写真で締め括り。
今日の観察日記はこれにておしまいです。
※アルバムにナベヅル画像を追加しました。