2017年4月23日 12/6℃ 雨のち晴れ
今日は珍鳥の話題を予定していましたが思っていたような観察ができなかったことから、そちらは機会をみて追々ご紹介することにして普通種の話題に変更です。
一言で普通種と云っても身近でよく目にする鳥もいれば表だって出て来ない鳥もいます。
今日は普段種のなかから日本最小クラスの鳥に焦点を合わせてみました。
手持ちの図鑑を見てみると国内で観察される鳥の最小サイズは11cmと記載がありますが、図鑑に記載されたサイズは嘴の先から尾羽の末端までを計測したもの。
このことから実物を目にした時とのギャップに驚かされることが多々あります。
最初に紹介するのはヤブサメ。
ウグイスの仲間であるヤブサメは笹など下草が茂った場所を好み藪の中で暮らすのでなかなか目につきにくい鳥です。
鳴き声は「シシシシシ・・・」と尻上り高くなり薄暗い林に入るとよく耳にします。
しかし声は聞こえど姿は見えず何処にいるのか分かりません。
こちらの画像、昨日近所の林道で撮影したものですが珍しく笹藪の中から出できたヤブサメを撮影したものです。
真ん中にヤブサメが写っていますが分かるでしょうか。
ちょっと意地悪な画像です。
正直なところ、この画像では撮影した私でも分からない。
こちらの画像を最大まで拡大すると・・・
非常に地味な鳥。
見た目だけでなく生活も地味で尚且つ11cmとなると鳥ではなく昆虫に近いものがあります。
サイズがサイズだけに普段気にならないような下草が邪魔で昨日は思ったような観察が出来ませんでしたが、今日の観察場所では上から見下ろす形でじっくりと観察することができました。
藪から出できたヤブサメ。
兎に角忙しなく動き回り1秒としてじっとしていません。
しかも体を左右に振りながら跳ね歩くのでカメラワークが大変でした。
餌は昆虫の幼虫やクモ類を採食するようで隙間のチェックにも余念がありません。
林道を歩いているとこちらの気配を感じ取り藪の奥へと行ってしまうので、このように写真を撮らせてもらう為には見える範囲に出て来てくれることをじっと待つのが正解のようです。
また今日は水の流れる音によってこちらの気配が消えたことによりどんどん近寄ってくる場面もありました。
最近は遠近動いてばかりだったので定点での観察の良さを改めて実感。
さて話題はこの場所で見られたもう1羽の最小サイズの鳥へ変わります。
こちらで観察をしていると水の流れる音に負けないくらいの声量で囀りを繰り返す鳥がいました。
体に似合わぬ大音量の歌声を聞かせるミソサザイです。
こちらの鳥はソングポストを持っており、囀りを聞かせる時は目立った場所に出てきます。
お気に入りのソングポストには何度も現れ綺麗な歌声を聞かせてくれるのでヤブサメに比べると観察は容易でしょう。
観察をしていると足下に飛んで来ることがあり、何をしてるのかと思ったら苔を採っていました。
どうやら巣材を集めているようです。
まだ苔が足りないようで・・・
『よいしょ!』
随分と集まったようですがまだまだ足りないようで・・・
『うおりゃ~!』
どうやら満足した様子。
飛ぶ時に前は見えるのかな?
さてこちらのミソサザイ、古来より親しまれてきた鳥のようで仁徳天皇とのエピソードが日本書紀に記されています。
仁徳天皇は「オオサザキノミコト」と命名されましたがオオサザキとはミソサザイのこと。
仁徳天皇が産まれた日、産屋に飛び込んできたミソサザイがいたことを知った応神天皇が良い兆しと捉え子供の名前としたそうです。
ミソサザイは冬季になると山裾へ降り人家の垣根なども餌場にしますが、仁徳天皇が産まれたのは冬。
生態から照らし合わせても実際にあったエピソードなんだろうなと考えることができます。
今日最後の画像はソングポストの目の前で待ち構え、大きく撮影させてもらった画像でおしまいです。
『チルルルーツー!』
今日の観察日記はここまで。
※アルバムにシベリアアオジの画像を追加しました。