2020年7月3日 (午後)
前回の続き。
今回の旅でお目当てとしていた海鳥を観察するため繁殖地となって
午前中は島の西側に位置する赤岩展望台で観察を行い至近距離でケ
午後は漁船に乗って船上からの海鳥ウォッチング。
天売島の海を知り尽くした地元の漁師さんによるクルージングです
島を一周するコースと往復するコースはどちらも90分。
あくまでも一般観光客向けに運航しているものなのでどの程度の観
期待と不安が入り交じるなか港を出航。
天気が良く波も穏やかで船の揺れはほとんどありません。
外港を出て暫くすると岩礁で羽を休めるウミウとヒメウの姿が見ら
奥に写るのはオオセグロカモメ。
こちらも天売島で繁殖しているようですが、オオセグロカモメが増
この辺りに来ると至るところにウトウが浮かんでおり、どの個体を
ウトウに比べると数は少ないもののケイマフリの姿もあちこちで見
こちらの個体はカタクチイワシを咥えていました。
赤岩近くまで進んだところで水面に見え隠れする岩礁を凝視。
午前中に見つけたアザラシはまだ居るのだろうか・・・
「居た!」
漁船が近付いたことで3頭いるうちの1頭がこちらを気にしている
数カット撮影したところでカメラの設定を変えようと視線を逸らし
『あいつら直ぐに逃げるんだよ~』
船長さんが仰るに、冬場はアザラシだらけになるそうですが警戒心
地域で個体差があるのか分かりませんが、アザラシはゆっくり観察
赤岩を正面に見る位置までやって来ると辺りはウトウだらけ。
画像の奥に見えるのはケイマフリ号。
ケイマフリ号とは島のネイチャーガイド運航する海鳥観察専門の小
漁船では近寄ることのできないエリアまで行けるため、こちらのボ
そのため予定ではこちらに乗船して観察を行うはずでしたが・・・
ちょうど私が天売島に滞在してる間はNHKの取材が入っていたよ
ケイマフリ号に乗る取材クルーを妬ましく思いながら辺りの海鳥を
ウミガラスは辺りを一周するように飛翔してくれたお陰でその姿を
旋回したウミガラスは赤岩対崖にある繁殖地へ。
標高25mにある断崖の岩棚が繁殖地となっているようです。
漁船からフルサイズのボディ+500mmのレンズで撮影するとこ
距離として船からは200mほど離れていたでしょうか。
原画からは何が写ってるのか分からないので画像を拡大。
画像の下部に写る2羽がウミガラス。
上部に群れのように写っているウミガラスは全てデコイ(模型)で
様々な資料を漁ってみたところ1938年に4万羽以上生息してい
個体数が著しく減少した原因は漁業による犠牲の他、オオセグロカ
ウミガラスを絶滅から守るため1982年に天売島全域が国指定鳥
2001年に環境省が保護増殖事業計画を作成後、繁殖地でデコイ
午前中の観察を綴った日記では現在の生息数を62羽と記載しまし
船上からの観察では魚を咥えて繁殖地に飛んでいく姿が見られたこ
船長さんが赤岩付近に長く停滞してくれたお陰で、遠巻きながらも
船長さんに感謝すると共にウミガラスの個体数が回復することを願
楽しい時間はあっという間に過ぎ、港へ戻る時間が迫ってしまいま
途中ウミネコの大群を目にしましたが、午前中に通せんぼされたエ
船上での海鳥ウォッチングを終えて港へ到着。
夕方までは島内をぶらぶらと散策してみることにしました。
この時も多く目にしたのはノゴマ。
個体数が多く余裕を持って観察できたので色んなアングルで撮影し
背景に写るのはお隣に浮かぶ焼尻島です。
至るところで囀りを聞かせてくれますが、繁殖期を過ぎても囀ずっているものなのでしょうか。
疑問に思いながら見ていましたが、電線に止まり囀ずる姿も。
上空を見るとひっきりなしに飛ぶアマツバメの群れ。
私の住む秋田市では住宅街の上空をハリオアマツバメの群れが飛び
道路沿いに生い茂るイタドリの中からはエゾセンニュウの鳴き声が
17時になろうとしたところで宿へ戻り早めの夕食です。
19時からは島のネイチャーガイドによるウトウのナイトウォッチ
この日の夕食はこちら。
天売島はウニ漁が盛んなこともあり活きたウニを頂くことができま
お腹いっぱいになったところで時刻を確認してみると19時まで少
通常はガイドさんが各宿を回り参加者が乗り合わせる形で観察場所
無事に許可が降りたところで赤岩展望台へ。
日没が近くなりウトウが集まってきているようです。
それと同時にウミネコの姿が・・・
写真だけ見ると黄昏ている様にも見えますが実はこのウミネコ、虎
雛に給餌するため魚を咥えて戻ったウトウを待ち構え獲物を横取り
「あっちに行け、シッシッ!」
そんな事情を知ってしまうと誰しもこの様に呟きたくなるのではな
この日の日没時刻は19時20分。
夕日の撮影をしているとガイドさんとナイトウォッチングの参加者
パッと見た目にバードウォッチャーの姿は無く全員が観光客のよう
およそ30人くらいだったでしょうか。
この時お客さんを引率していたガイドさんは若い女性の方で、ウト
ガイドさんの話に耳を傾けながらウトウの帰巣を待ちますが、門番のようにウトウを待ち構える輩が・・・
画像は明るく見えますがISO感度を25600まで増感していま
日没時刻を迎えて間もなくウトウが頭上を通過。
イタドリが生い茂った場所に突っ込んでいきました。
ウトウの帰巣に関しては飛来という言葉は適当ではありません。
突っ込むという表現がぴったりだと思います。
時間が経つにつれウトウの帰巣が多く見られるようになりました。
物凄い風切り音と共にウトウが私の真横を通過すると巣穴へ一直線
しかし巣に入る瞬間、待ち構えていたウミネコに魚を横取りされる
次々にウトウが戻り魚を横取りされまいと駆け足で巣穴に向かっ
画像をご覧頂いて分かる通り、幾ら感度を上げても撮影は厳しい状
ナイトウォッチングに参加するとガイドさんがライトアップしてく
疑問に思いながらもライトアップを今か今かと待っていると『あちら側でライトア
「あちら側?」
行ってみると駐車場向かいのほんの僅かなスペースがライトアップ
ガードレールにパネル型の小さなライトが取り付けられおり、イタ
それでも苦し紛れに何とか撮影してみました。
こちらの個体は餌を咥えていません。
必ずしも餌を持って帰って来る訳ではないとのこと。
そのため雛は2~3日の空腹には耐えられるそうです。
参考までにこの時に私が使用した撮影機材はフルサイズのボディ+100-4
400mm側で撮影すると近過ぎて顔しか写すことができません。
こちらの場所では場合によってスマホの方が撮影しやすいと思わさ
※ナイトウォッチングでの撮影は標準レンズなど短いレンズがお奨
旅行前に天売島でウトウのナイトウォッチングをされた方のブログ
過去の画像は地面が露出している場所で撮影されており、フラッシ
しかし考えてみると地面が露出した場所をライトアップしてしまう
現在のルールではライトの持ち込みやフラッシュを焚いての撮影は
月明かりだけが頼りになる頃になると帰巣するウトウの数が本格化
風切音やイタドリに突っ込む音がひっきりなしに聞こえ、ライトア
立て続けに親鳥が現れ一目散に巣穴へ戻っていきます。
イカナゴを沢山咥えた親鳥の姿も。
撮影と肉眼での観察を楽しんでいると車道の中央に人集りが・・・
何があるのかと覗き込んでみると黒い毛玉がひょこひょこと動いて
「ウトウの雛だ!」
大きさはキジバトより少し小さいくらいだったでしょうか。
大きなサイズながらもヨチヨチ歩きの雛は私の足元を通過するとライトアップされた場所へ辿り着きました。
こちらの雛、今はこの世にいないかもしれません。
午前中に地元の方に聞いていたお話ですが、親鳥の給餌が滞ってし
そんな事情からか所々で雛の死骸を目にしていました。
きっとこの子はお腹を空かせていたのでしょう。
巣立ち前に巣穴を出てしまった雛は自力で巣へ戻れないそうで、4
自然の摂理とは言え何もすることができない自分に歯痒さを覚えま
間もなくナイトウォッチングは終了の時刻となりガイドさんの車を
途中、道路の真ん中に佇むウトウがヘッドライトに照らされました
ガイドさんが一生懸命追い払っていましたが、時間が遅くなると道
宿に戻ってからは雛のことばかり考えていましたが、観察してきた
天売島に足を運び自分の目で見ることができて知った現実です。
最後の最後に辛い場面がありましたがこの日の観察の様子はここま
翌日は早朝の観察からもう一度船上からの観察へと続き、その後は
そちらの様子は後日更新の日記で・・・