2020年9月20日
今回の日記は先週日曜日(13日)の続編。
前回の日記ではオオソリハシシギについてお話をしましたが、観察
納得のいく観察をできたことで心にも余裕が生まれ後は予定通りジ
内容を確認してみたところ・・・
「なんと!!!?」
添付された画像は紛れもなくオオヨシゴイの雌。
あまりの衝撃に卒倒しそうになりました。
姿はヨシゴイに似ますが個体数は圧倒的に少なく、その生態からも
過去の話になってしまいますが、私にとってオオヨシゴイと言えば
野鳥観察を始めて1年が経過したばかりで知識もなくフィールドを
この時の出会いはあまりにもインパクトが強く、2011年7月3
知識に乏しかった当時、色合いから漠然とヨシゴイではないことは
それから現在に至るまで二度ほど姿を確認しましまが、飛翔してい
今回情報を寄せてくれた鳥友さんによるとオオヨシゴイを見つけた
見渡す限り田んぼしかないような土地柄、何処に移動していてもお
しかしこの様なチャンスがいつ訪れるかも分かりません。
ダメで元々、僅かな望みに賭けて捜索してみることにしました。
情報にあった場所へ辿り着くと、おそらく鳥友さんがオオヨシゴイ
その傍ら、草刈りをする農家さんの姿がありました。
こればかりは仕方のないこと。
間違いなく場所を移動していると考え、手当たり次第に田んぼとい
途方に暮れながらも諦めきれず捜索すること数時間・・・
「居だ!!!」
畦道に佇むオオヨシゴイを発見。
見つけた瞬間、先ずは証拠写真と慌てて撮影をしましたがボーッと
やや距離が離れていたこともあり、少々画質が悪くなりますが倍率
15分ほど動きがありませんでしたが、ゆっくりとした動作で腰を
完全に身を隠してしまいこの後の行動がどのようになるか見当もつ
同じ場所に出てくる可能性もありますし、私が見ている位置とは反
時々車を移動して死角になる位置の確認も怠らないよう心掛け待つ
画像を確認してみたところピンボケでしたがミミズを捕食している
まるでジシギを見ているようです。
観察をしていて驚かされたのが歩行速度の速さ。
畔と稲の隙間を走り回り、ジシギを上回るほどの俊敏さを見せまし
一頻り採餌をすると満足したのか再び畔の上へ。
この行動一つを見てもヨシゴイの生態と異なります。
湖沼など水辺で見られるヨシゴイは採餌の為に田んぼへ飛んでくる
水辺に自生する葦に掴まると直ぐに葦原へ潜り込んでしまいますが
ファインダー越しに観察を続けていると嘴を少し開いては舌を伸ば
その際の様子は画像を拡大。
舌の形状は細長く尖っているようです。
嘴よりもかなり突出して見えることがあり、キツツキ科の鳥を彷彿
図鑑スペックを確認してみると体長は39cmとヨシゴイよりも3
しかし羽色が異なり雌雄共にチョコレート色をしているので、ヨシ
またヨシゴイと識別するうえで着目したいのが虹彩の特徴。
【 オオヨシゴイ 】
【 ヨシゴイ 】
オオヨシゴイの虹彩は後方が黒く瞳孔とつながっているように見え
発見当初と同様に畦道で佇む時間が長く続き、次に見せる行動はど
畔と稲の隙間を俊敏に動き回ったかと思えば、稲の中に潜り込んだ
稲の中から飛び出てくる瞬間を狙って撮影を試みたところ・・・
「何だろ、この小鳥?」
見たこともないような鳥が写っていました。
連写した画像を拡大して一枚一枚確認してみると尾羽に丸みがあり、背の特徴を見るとシマセンニュウ
眉斑と喉から体下面が黄褐色で胸には褐色の縦斑が見られ、これらの特徴は幼鳥
シマセンニュウと言えば7月に北海道で初めて姿を見ることができ
毎年春と秋の渡りの時期に多数の個体が秋田県内を通過しているも
幸いなことにオオヨシゴイは未だ佇んだままだったので、シマセン
「出てきた!」
すかさず連写しましたがファインダー越しに見えたのは別個体。
しかし目の前にいるのは紛れもなくシマセンニュウの成鳥でした。
こちらの個体は忙しく動き回るものの頻繁に姿を見せてくれたお陰
それにしても秋の渡りの時期に稲刈り前の田んぼにシマセンニュウ
仮に今回の例が偶然ではなく、この様にして通過しているのであれ
幼鳥と思わしき個体について帰宅後に調べてみたところ、やはりシ
シマセンニュウに気を取られていたところ、奥で佇んでいたオオヨ
畔から田んぼに降りる際はそろりそろりと動きますが、一端降りて
ちょうど垂れ下がった稲穂の陰になり写真を残すことは出来ません
暫くすると変則的に造られた畔の方に進んでしまい私の位置からは
時々激しい降雨に見舞われながらの観察でしたが、雷鳴も鳴り響く
最後にもう一度姿を拝むことはできないかと、右往左往していると
肉眼では不自然に尖って見える物体。
オオヨシゴイだと確信し撮影した画像がこちら。
この個体の性格なのか、オオヨシゴイ独特なものなのか分かりませ
初めての出会いを思い返してみても、オオヨシゴイは周囲の動きに
悪天候も相俟って辺りは薄暗くなり観察を続けるには難しい時間帯
時期的に考えても渡りの途中であることと、仮に翌日の早朝に捜索
そこで最後の悪足掻きとしてオオヨシゴイの警戒心について迫って
私の立てた仮説が正しければ歩み寄っても飛ばないはず・・・
変則的な畔に佇んでいるため、腰を屈めて近寄ると稲穂の陰となり
アヒル歩きで近寄りオオヨシゴイの目の前に出ると擬態のポーズを
当時の状態を考えると突如目の前に現れた私に驚き飛び立ってもお
擬態のポーズのままこちらを凝視しているオオヨシゴイと対峙し「
暫く膠着状態が続くと突然姿勢が横向きになり稲の中へ・・・
このタイミングで雨が激しくなり、この日の観察はここまで。
過去の記録は画像に残せても見かけた程度に終わっていたオオヨシ
鳥友さんには本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
オオヨシゴイをこのような形で観察することはもう二度とないかも
まだまだ語りたいことは沢山ありますが、少々長くなってしまった
おしまい。