2021年11月28日
今回の日記は14日の観察分から。
秋の珍鳥探しは不発に終わり3週に渡ってハクガンの観察を行ってきましたが、この日は大潟村周辺地域においてハクガン以外の野鳥を探してみることにしました。
先ず始めに探したのはアメリカコハクチョウ。
普段の観察では積極的に探すことのない鳥ですが他地域の方には喜ばれる鳥です。
この日はガイドの下見を兼ねての観察ということもありいつもとは視点を変えての探鳥でしたが思いのほか見当たらず。
意識しない時ほど自然と目に入るのですが・・・
ハクチョウの群れはあちこちに点在していることから行き当たりばったりという形にして次に探したのはミヤマガラス。
こちらはあっさりと見つかりました。
今季自宅周辺ではほとんど見られないミヤマガラスも村周辺では大きな群れを3つ確認することができ、総数にすると2000羽ほどだったでしょうか。
ミヤマガラスの群れの中から探したいのがコクマルガラスの成鳥。
白と黒のツートンカラーをしているため大きな群れに混ざっていても存在感は抜群です。
成鳥に対して幼鳥は黒一色であることから余程じっくり観察できない限り存在に気付けるのは鳴き声が頼りになると思います。
コクマルガラスはミヤマガラスの群れに混ざっていてもコクマルガラス同士で行動するケースが多いため、この時も成鳥を撮影することで2羽の幼鳥が混ざっていることに気付かされました。
こちらは画像を拡大。
左から幼鳥・亜成鳥・成鳥、成鳥の奥に幼鳥の順です。
もう少し寄って観察したいところでしたがミヤマガラスの反応が敏感なためこれ以上近寄ることは許してもらえませんでした。
次に探したのはホシムクドリ。
ホシムクドリに関しては居場所が想定できていたことから、そちらを重点的に探してみたところ直ぐに発見。
ムクドリの群れに1羽だけ混ざっており行動を共にしているようでしたが、村周辺にはまだまだ多くの個体が入っていることでしょう。
他の個体は何処に居るのかと思いつつ採餌の様子を観察していると徐々にこちら側へ。
このまま寄って来ると目の前で見ることが出来るだろうと思った矢先、農家さんが軽トラで接近。
案の定飛んでしまいましたがこればかりは仕方ありません。
ムクドリの群れは樹上の高い位置に止まり観察条件が悪くなったことから再びアメリカコハクチョウ探しへ。
場所を移動しようと思ったところ遠巻きにハクガンの群れを目にしました。
今まで見たことのないエリアを飛んでおり双眼鏡で見てみたところアオハクガンを確認。
この日はハクガンを観察する予定はありませんでしたが、行き掛けの駄賃でちょっとだけ観察してみることに。
目まぐるしく変わる天候が影響して背景は雨雲で真っ黒。
ハクガンの飛翔シーンを撮影するにあたり私にとって一番好きなシチュエーションです。
ちょうどこの時は雲の隙間から太陽が顔を覗かせ、飛翔するハクガンはスポットライトを浴びているようで美しさが際立って見えました。
アオハクガンが混ざっていた群れは小さかったものの大きな群れが続々と集まり、合流するシーンに出会えたのはラッキーとしか言い様がありません。
群れが次々に着陸する様子です。
合流するシーンを写したものですが、画像の左側に写るのはアオハクガン。
この様にして色々な偶然が重なり良い条件でハクガンを見ることができたのも過去の失敗を活かすことができたからこそ。
ガンの生態を理解できなければこうはいかなかったことでしょう。
ハクガンの観察には時間を費やすことなく早々場所を移動して再びアメリカコハクチョウを探してみることに。
捜索を開始して間もなくハクチョウの群れを目にしたことから双眼鏡でチェックを入れると・・・
何とビックリ、視界に飛び込んできたのはヘラサギでした。
棚から牡丹餅。
しかしこのタイミングで酷い降雨に見舞われてしまい牡丹餅を目の前にお預け状態。
窓を開けていられないほどの土砂降りにどうすることもできません。
窓越しに様子を見ていると何処からともなく飛んできたハヤブサがヘラサギを蹴っ飛ばすような素振りを見せ、ヘラサギは身を屈めるようにして危険を回避。
驚いたヘラサギは畦道を離れると雨に堪え忍ぶような時間が続きました。
「そうこうしているうちに飛び立ってしまったら..」と考え、意を決したように数カット撮影。
直ぐ様窓を閉めて暫く待機しているとようやく雨は小康状態となり、ヘラサギは身震いをして水気を飛ばしていました。
秋田ではクロツラヘラサギの記録は毎年あるものの、ヘラサギの記録は何故か少なく私自身ヘラサギを県内で観察したのは5年ぶり。
久々の記録ということもあり、どの様に観察しようか思案していたところ傍にいたヒシクイ飛び立つとヘラサギも一緒に飛び立ってしまいました。
突然の飛び立ちに焦りを感じましたが、ヘラサギは然程遠くに移動することはなく降りた場所も肉眼で見える範囲であったことから後を追うように場所を移動。
「この辺に降りたはず」とハクチョウの群れを中心にチェックしてみましたがなかなか見つかりません。
目測を誤らないようにと目印となる建物を記憶していたことから容易に発見出来ると思っていただけにこれは想定外。
捜索を続けていて目に飛び込んできたのは今季初認となるオジロワシ。
こちらへ向かってくる途中、ガン・カモ類が一斉に飛び立つ様子が見られ何事かと思っていましたが、おそらくこのオジロワシが飛んだ影響によるものでしょう。
一度は降りる姿を確認したヘラサギでしたが、私が移動している5~6分の間にオジロワシが飛んで来たことで再び飛び立ってしまったのかもしれません。
その後も暫く捜索を続けましたが残念ながら発見には至りませんでした。
捜索の合間にはチュウヒをあちこちで見ることができたので、そちらについては何枚か画像を掲載したいと思います。
結果的に本来目的としていたアメリカコハクチョウを見ることなく観察を終えましたが、この日アメリカコハクチョウを探そうとしなければヘラサギを見つけることはできなかったことでしょう。
満足のいく観察をすることは出来なかったものの秋の珍鳥探しが不発に終わっていただけに久しぶりに刺激のある時間を過ごすことができました。
今回掲載したヘラサギですがその後見かけたという話を聞くことのないまま時間が経過していたことからもう見ることはないだろうと思っていましたが、本日(28日)再び発見することができました。
同個体であるかは検証が済んでいないため確定的なことは言えませんが、本日観察できた個体については後日改めて掲載したいと思います。
さて次週の更新についてですが、来週は秋田を離れて旅行をするため暫く観察日記の更新はありません。
慌ただしい時期と重なることもあり多少日付が前後して日記を更新する可能性もありますが、旅行記に関してはのんびりと更新する予定です。
本日の観察日記はここまで。