2021年2月11日
今回の日記はシロチドリの観察記。
この冬は雪が降るタイミングを見計らってシロチドリの観察を続けています。
しかしながら今回更新する日記の内容は「こんな風に撮影しました」といったもので正直なところ観察記と言っていいものなのか・・・
そんなシロチドリの観察は過去に撮影した一枚の写真がきっかけでした。
吹雪の中で撮影したものですが、こちらは2019年に新年の挨拶で使用した画像です。
足が遠退く冬季の海岸では厳しい寒さのなか逞しく生きるシロチドリを見ることが出来ます。
再び吹雪のなかでシロチドリを撮影したいという衝動に駆られ、敢えて天候が荒れたタイミングを見計らい海岸に足を運んでみました。
波も高く海は大時化。
誰も寄り付かないような海岸を見渡してみると4羽のシロチドリを確認。
活発に動き回り波打ち際で採餌をしていました。
問題はここから。
被写体をクローズアップした形で大きく撮影してしまうと何時何処で撮影しても同じ写真になってしまいます。
特徴を知る上で大きく撮ることも大切だと考えますが、一つの作品として考えた場合には生息環境や季節感を取り入れることが大事になるでしょう。
その様な写真を撮ることが出来れば後から見直した際に思い出の一枚として記憶が蘇ると思います。
シロチドリに対する私の印象は「小さい」「丸い」この2点。
これを意識して撮影に当たりましたが、被写体を何処に置くかで写真の出来栄えは変わってしまいます。
先ずは日の丸構図で撮影したこちらの画像から。
写真の構図には黄金比と呼ばれるものがあり、人間の視覚に呼び掛けてくるような比率が存在するそうです。
その比率に合わせて撮影すると誰が見ても良い写真になるようですが生き物を被写体とした場合、比率を考えて撮影すると途端に難易度が跳ね上がり撮影自体が難しくなってしまうでしょう。
理由として被写体が動くことから距離が一定ではなく、何処に向かって移動するかも分かりません。
そんな時は日の丸構図で撮影を行い写真をトリミングすることでカバー出来ますが、これにも一つ問題が。
上の写真を構図を作ってトリミングした画像がこちら。
少々見栄えは良くなりましたが、小さいはずの被写体が大きくなり過ぎた上に周囲の様子が分からなくなり雰囲気が壊れてしまいました。
生き物を撮影する場合、一般的には目線の先に余白を置くと良いと言われていますが、動き回る被写体を相手にした時はある程度構図をイメージしておく必要があるようです。
それを踏まえて極寒のなかシロチドリを相手に真剣勝負。
生息環境を上手く取り込み「小さい」「丸い」をイメージしての撮影ですが、そうそう上手く撮れるものじゃありません。
天候が刻々と変化することに加えてシロチドリはお構い無しにどんどん近寄って来てしまいます。
季節感を採り入れる為には波打ち際から雪の積もった浜辺に移動するタイミングを狙いますが、これがなかなか来てくれない・・・
ローアングルで撮影する為にしゃがんだ状態で後退していると、足が縺れてひっくり返ったりと散々な目に。
吹雪のなか誰も居ない海岸でオッサンが小さな鳥を相手に一人で「ハァハァ」言ってる訳ですから端から見るとまるっきりの変態です。
良い写真を撮ろうとした時に人はとんでもない格好をするもので、我に返ると途端に恥ずかしくなってしまいますから羞恥心を捨てるしかありません。
陽射しが出たタイミングでは敢えて逆光での撮影にトライ。
こういった場面センスが問われてしまいますが私は大の苦手。
つまり私にはセンスがありません。
Webでは逆光の状態で撮影した写真を度々拝見しますが、余所様の撮影した写真は感銘を受けることが多く、そのセンスを羨ましく思うことも屡々。
センスというのは生まれもったもので人各々異なり頑張ってどうにかなるものではありません。
努力で補えるのは技術。
技術の向上には余所様の模倣から始まることもありますが、模倣の作品にはオリジナルが透けて見えてしまいます。
当然オリジナルの方が良い訳で、模倣作品を見た時の印象として「何処かで見たことがある」といった風に感じることでしょう。
それを踏まえ私なりに色々考えて撮影してみましたが、帰宅後に写真を見直してみるとカメラのモニターで見た印象とPCに取り込んだ画像では随分と印象が異なりました。
撮影する度に新たに課題が出来てしまい、再チャレンジを繰り返しているといつもの海岸にはミユビシギの姿も。
意外と知られていませんが、秋田でも少数の個体が越冬しています。
こちらもシロチドリと同様に雰囲気を壊さないよう撮影してみました。
しかしながらイメージ通りの写真を撮ることは出来ません。
「このタイミング」と思った時に限って雪が弱まったり、かと思えば猛烈に吹雪いたりと思ったように撮影することは難しいものです。
狙って撮影するよりも偶然撮れた写真の方が良かったとも思える結果に・・・
試行錯誤を繰り返し撮影をしていましたが、結局のところ納得できた写真はいつも撮っているような図鑑写真に近いものでした。
何時何処で誰が撮っても同じような写真です。
どうせ撮るなら個性あるものにしたいと思いますが、まだ中央一点のシングルポイントで撮影する場面もあり普段から構図のイメージをしておかなくてはと考えさせられました。
まだまだ課題は山積しておりいつになったら自分が納得できるような撮影を出来るようになるのか分かりませんが、少しずつ技術の向上を図りたいと思います。
本日の日記はここまで。