2021年4月29日 16/12℃ 曇りのち雨
今年も我慢の大型連休が始まりました。
長い方では一週間の連休という方もいらっしゃるようですが、私はカレンダー通り稼働であることから本格的な連休は来月2日から。
連休中は秋田⇔苫小牧航路での海鳥観察を計画していたものの、県知事より越境の自粛が呼び掛けられたので残念ながら延期という方向に・・・
昭和の日の今日も県内で観察を行いましたが、そちらは後日更新ということで今回の日記は先週土曜日の観察分から。
この日も渡りの途中に羽を休める鳥との出会いに期待をして海沿いを北上しながら探鳥を行いました。
ちょうど今時期は冬鳥と夏鳥が混在する時期であり、それに加えて旅鳥も見られる楽しい季節。
種によって其々好む環境が異なるので様々な場所を見て回らないといけません。
渡りの時期だからこそ思わぬところに出会いが転がっていることもあり、観察力だけではなく運も試される時期でもあります。
先ず始めに河口のチェックから。
こちらでは今季初認のチュウシャクシギを8羽確認。
秋田では田んぼで見かけることの方が多い鳥ですが、チュウシャクシギが入る頃にはムナグロも大挙して押し寄せます。
チュウシャクシギやムナグロに関しては渡来数の増減が気にならないものの、その他のシギチは年々減少傾向にあり海岸は寂しくなる一方。
そんな海岸へは夏羽に換羽し始めたメダイチドリが単独で渡来。
ここ数年、纏まった数のシギチが見られなくなってきているので今季は少しでも多く渡来してくれるとよいのですが・・・
海岸のチェックを終えて国道を移動していると道路沿いの田んぼにセイタカシギが入っていることに気がつきました。
こちらは交通量が多くシギチが入りそうな環境ではなかったことから思わず二度見。
風変りな環境に面白味を感じ、ゆっくり見ていたかったものの周囲の視線が痛く早々に退散。
その後は暫くの間これといった出会いに恵まれず、車を降りて徒歩で探鳥を行っているとコマドリの鳴き声が。
耳を澄ませてみると最低でも3羽いるようです。
明らかに渡りの途中であることが伺え、鳴き交わしてるようにも聞こえたのでその様子をスマホで録音してみることに。
藪の中で鳴いているコマドリがひょっこりと姿を見せてくれたらと出待ちをしていると突然私の方に向かってヤツガシラが飛んできました。
咄嗟に撮影することができたら良かったのですが、突然の出来事に見入ってしまいヤツガシラは頭上を通過。
付近の木に止まったことが確認できたので、なかなか姿を見せてくれないコマドリに見切りをつけてヤツガシラを見に行ってみると木に止まったはずのヤツガシラが見当たりません。
周囲はヤツガシラが好みそうな環境が広がっていたので捜索をしてみたところ、草地から飛び立つオオジシギに遭遇。
こちらも突然の出来事で残念ながら撮影には至らず。
なかなか思うような観察ができなかったなかで、この日一番の出会いとなったのが春の常連になりつつあるヒメコウテンシ。
この種の秋田県初記録は2013年。
それまで記録のなかったこちらの鳥はそれ以降記録が相次ぐようになり、今ではシーズン中に複数確認されるケースも。
一昨年、昨年は特に渡来数が多かったようで海沿いのあちこちで確認されました。
私も昨年の春は3ヶ所で観察したことを記憶しています。
ヒメコウテンシの観察が容易になる一方、過去に記録の多かった鳥が少なくなっているという側面もあり気候変動が影響しているのかもしれません。
はっきりとした原因については分かりませんが、人の目には分からないちょっとした環境の変化で渡りのルートが変わってしまうこともあり少々気掛かりなところ・・・
今回観察できたヒメコウテンシについて私の印象としては昨年観察できた個体に比べると警戒心はそれほど強くなく、比較的近くで見ることができました。
昨年見た個体はどれも警戒心が強く一定の距離を取られてしまったため、晴天下では陽炎の影響を受け撮影した画像はどれもモヤモヤ。
地面を動き回りながら採餌を行う鳥ということもあって、撮影に関しては気象の影響を大きく受けてしまいます。
この日は薄曇りであったことに加えて気温も低めに推移したことから、好条件で撮影させてもらうことができました。
細部までチェックしてみると、こちらの個体は羽の擦れや磨耗が激しく、特に尾羽の磨耗が激しいことが見て取れます。
こちらは拡大画像。
角度によっては初列風切と同じくらいの長さに見えることもありました。
越冬地から繁殖地までどれほどの日数を掛けて移動するのか分かりませんが、過酷な日々はこの先も続くことでしょう。
無事に目的地へ辿り着くことを願ってやみません。
ヒメコウテンシのように旅の途中に秋田へ立ち寄り羽を休める渡りの季節はもう暫く続きます。
今後どの様な出会いに恵まれるか分かりませんが、素晴らしい出会いに期待をして本日の観察日記はここまで。