2022年2月21日
本日の日記は今月6日の観察分から。
昨年12月から毎度同じことを言っているような気もしますが、狙い撃ちをするかの如くこの週末も寒波が襲来。
一日を通して氷点下の真冬日となり積雪量は更に増加しました。
衛星画像で雲の様子を確認してみると日本海には筋状の雲が見られ、吹雪いたり晴れたりを繰り返す天候になることが伺えます。
僅かな晴れ間を狙って観察できたらと自宅を出発しましたが、海沿いでの探鳥は悉く空振り。
たまにシジュウカラの鳴き声を耳にする程度でホオジロの1羽も見当たりません。
カヤクグリの越冬個体も見当たらず男鹿半島を一周して出会えたのはカモシカのみ。
急な斜面で餌を採っており徐々に崖の上へ移動していたことから反対側から先回りしてみることに。
「この辺に向かってくるはず」と崖を登ったところ予想よりも早くカモシカは移動していたようで鉢合わせの状態になりました。
あまりにも距離が近かったことから距離を置いて暫し観察。
30分ほど経っても全く動かないカモシカ。
カモシカはあまり視力の良い生き物ではないようですが、相手側からすると私はどのように見えているのでしょう。
得体の知れない者と対峙して様子を見ているといったところでしょうか。
カモシカの観察はほどほどに場所を転々としながらチェックを重ねても鳥そのものが少なく何かしら見られるであろう大潟村へ。
その道中、突然目に飛び込んできたのは雌のキジ。
この地域は道路が綺麗に除雪されおり、往来する車を避けようともせず道路脇で採餌をしていました。
笹藪が西風をブロックする形で繁っていたことから吹雪の中でも採餌しやすかったようです。
一体何を食べているのかと気になり画像を拡大してみたところ植物であることが判明。
餌の採り難いこの時期、この様にして生きている姿を見ると逞しさを感じました。
大潟村へ辿り着いたところで前回ハクガンが見られた地域を巡回してみたものの今回は1羽も見当たらず。
ハクガンは確認できませんでしたが周辺の水辺ではミコアイサなどのカモ類が少数見られました。
秋田で見られるミコアイサは警戒心の強い個体が多く直ぐに飛んでしまいます。
前回よりも積雪量が増えた影響かヒシクイの数も少なく何処へ移動してしまったのか。
時間を持て余し他に行くあてもなかったことからオオワシの様子を確認してみることに。
置物のように動かず当たり前のように見られる彼ですが、この厳しい冬は一体何を食べて過ごしていたのでしょう。
悪天候の日が続き餓死してしまうのではないかと心配したこともありました。
どれほど空腹に耐えられるのか分かりませんが、こうして無事を確認できることに安堵します。
暫く様子を見ていましたがこれといった動きはなく飛び立つ様子も見られませんでした。
もしかするとこの時も空腹で極力エネルギーを消耗しないよう動かずにいたのかもしれません。
現に今季は止まり木に留まる時間が長く、飛んで移動する姿を見る機会が少ないように感じます。
オオワシを眺めていると不意に地面へ降りてきたのはシロハラ。
大きな樹木が傘となり地面が露出している場所を見つけ餌を採りにきたようです。
観察対象に乏しい今季、こうした場面を見ることが少ない為じっくりとその様子を観察してみることに。
落ち葉の下に潜む生物を探すため嘴で勢いよく払い除ける様子が見られました。
採餌に夢中な様子であったことから少し距離を縮めて観察。
落ち葉を払い除けると首を傾げるようにして地面を凝視しています。
鳥と暮らす者にとってはお馴染みの場面でしょう。
玩具などで遊んでいる際、落下させると首を傾げ凝視する姿は可愛いものです。
頻りに何かを捕食しているようでしたが、残念ながら獲物が写っているカットは残っておらず..
採餌するにあたって気になるのは大型ツグミ類がよく見せるホッピングを交えた動作。
獲物を探す分には嘴で落ち葉を払い除けるだけで充分だと思いますが、わざと挙動を大きくしているようにも思えます。
鳥類には足を振動させて土壌に潜む生物を誘き出す種も見られますが、ホッピングを交えた動作も似たような効果があるのでしょうか。
単なる習性の可能性もありますが、目の前で採餌を続けるシロハラはこの日の最優秀選手となりました。
単に写真を撮るだけではなく、こうした“行動”という部分を観察するのが好きな私にとって一番楽しい時間です。
シロハラのお陰で空振りにはならずに済みましたが今年の春はいつやって来るのか。
季節のなかで最も冬が好きな私も今季に限っては春の到来が待ち遠しく思えます。
雪融けが進まないうちにガン・カモ類の北帰行が始まってしまうのではないかと気掛かりなところもありますが、もう少し冬鳥を観察できる機会があればと思いこの日の観察を終えました。
本日の観察日記はここまで。