2022年2月28日
今回の日記は先週23日の観察分から。
急速に発達した低気圧の影響により週明けから大荒れの天候となり、この日も依然として風の強い状態が続きました。
雲の流れが早いことで吹雪いたり晴れたりと変わりやすいお天気で、晴れ間を狙って観察ができればと港巡りをしてみることに。
海沿いを進むと冬将軍の力をまざまざと見せつけられ、冬の日本海側ならではの光景が広がっていました。
強い西風を受けて凍りついた植物。
アビ類やウミスズメ類を期待して港巡りをしてみたものの、期待とは裏腹に影も形も見当たりません。
地形によって北風の影響を受けないところではコクガンが8羽見られましたが、上手いこと全ての個体をフレームに収めることは出来ず..
コクガンが採餌をしていた浜辺にはハマシギとシロチドリの群れも。
思ったような成果を上げることができなかった為、それならば小鳥を観察しようと探し回ったところシベリアジュリンを発見。
しかし警戒心が強すぎて近寄れない..
かなり距離を保っているにも関わらず、車の動きに敏感でカメラを構える動作にも反応してしまいます。
この様子から暫く身動きを取ることを止め警戒心が解けるまで待つ作戦に出たところ、遠巻きながら確認できたのは別個体が現れ2羽で採餌をする姿でした。
辛抱強く待ち「そろそろ大丈夫かな?」と車をじわじわ動かすと即座にブッシュへ姿を消したシベリアジュリン。
なんと言う警戒心の強さ..
振り出しに戻されてしまいました。
再び姿を見せるまで寒空の下、窓を全開で待っていると車の直ぐそばへ飛来。
葦に掴まりこちらの様子を伺っている場面を撮影しましたが..
まさかのオオジュリン。
とんだ糠喜びです。
間もなく本命のシベリアジュリンが姿を見せたものの、やはり距離を取ろうとする行動にお手上げ。
まともに観察できそうにもなく、私が居ることで採餌に支障があるのならばこの場所に留まるべきではないと判断。
海沿いでの観察は残念な結果に終わってしまったことから気持ちを新たに大潟村へ。
何も見えない..
遮蔽物のない大潟村はホワイトアウトで視界を確保できず立ち往生してしまいました。
この時に予報サイトで今後の天気について調べてみたところ、月末から気温が上がる予報で冬の出口が見えてきたようです。
厳しい冬もあと僅かかと思うと敢えてその光景を記録として残し、逞しく生きる姿を見ておきたいと考えが一変しました。
視界が確保できたところで移動を始めると村の幹線道路から直ぐの池には羽を休めるヒシクイの群れの姿が。
この池でこうした場面を目にしたのは初めて。
こうせざるを得ないほどの状態なのでしょう。
しかしふと疑問に思ったのは「何故結氷した池に集まるのか?」という点。
雪に覆われた田んぼも条件としては同じはず。
寧ろこの場所は車通りも多く落ち着かないような気もしますが、多くのガン・カモ類が結氷した水辺で羽を休めるのは何故なのか。
水が凍るということを理解した上でも尚、水辺が羽を休める場所とする習性からなのでしょうか?
結氷した水辺は捕食者の侵入も容易であることから田んぼでも条件は同じであると考えますが本当に不思議なものです。
水辺ではいつもの彼の姿も見られました。
この日は止まり木と水辺を行ったり来たりしていたようです。
例年であれば少しずつ行動範囲が広くなり故郷へ帰る日が近くなることを感じさせられますが、今季は一体いつ秋田を離れるのか予想がつきません。
大雪の影響がいつまで続くのか気になるところ。
凍った水辺を巡回しているとヒシクイやハクチョウたちを沢山見ることができました。
間もなくこの氷も融けるはずなので、こうした場面を見るのもあと僅かでしょう。
車を停車させることで少し距離を取られてしまいましたが、暫く様子を眺めていると採餌を始める個体も見られました。
ガンと言えばハクガンやシジュウカラガンに目を向けがちですが、ヒシクイのこうした場面を見る機会も少ないことからじっくりと観察。
グイグイと植物を引っ張り勢いよく飲み込む姿を見ることができました。
ヒシの実を食べることが和名の由来となっているヒシクイも、この時ばかりはクサクイ。
周囲を見渡しても北上してきたマガンの群れは見当たらず、再び南下して北帰行のタイミングを伺っているようです。
気温が上がることで大潟村は賑やかになってくることと思いますが、田んぼの雪が融けるまでまだまだ時間は掛かることでしょう。
例年にない大雪の影響で今までの観察経験が全く役に立たず今後の動向に予測がつきません。
3月に入って渡り鳥はどのような行動を取るのか注目です。
本日の観察日記はここまで。