2022年3月28日
先週は旅行記を更新したことから日付は前後してしまいますが、本日更新する日記は今月6日の観察分から。
田んぼの雪が融け始めようやく春めいてきた3月上旬、観察日に当てていたこの日は暴風雪警報が発表される大荒れの天候になりました。
家の中に居てもゴーゴーと風の音が聞こえるほどの暴風で常識的に考えると外出を控える方も多かったことでしょう。
非常識な私は当然のように観察に出掛けましたが、この日予定していたのはアオシギの観察。
この冬は各地でアオシギを探してみたものの目星をつけていた場所は大雪の影響で立ち入ることができず思うような捜索活動をすることができずにいました。
アオシギの生息環境を考え怪しいと感じる場所を見つけては空振りを繰り返していましたが、結果として見つけることのできないまま3月へ突入。
そこで今回は昨年観察することのできた場所へ足を運んでみることに。
外に出るとものの数分で雪まみれになるほど吹雪いており、捜索を始めて30分ほど経った頃ようやくアオシギを見つけることができました。
発見することができホッと胸を撫で下ろしたのも束の間、私の意に介さず寝る姿勢に入ったアオシギ。
取り合えず眠りにつく姿を撮影しましたが一体いつ起きてくれるものか..
断続的に雪の降るなか発見から2時間ほど待ちましたが活動を始める気配は全く感じられません。
ほんの数秒ほど周囲の様子を見渡すような素振りを見せることもありましたが、それでも直ぐに寝てしまいます。
風向きを考えその都度体の向きを変えており、当初見ていた位置からは顔が見えなくなってしまったことから川の反対側へ移動。
反対側からも暫く様子を見ていましたが一向に動く気配は無く、この日は寝る姿を見るだけで終わることに落胆の色を隠せませんでした。
それでも空振りに終わらなかっただけでもヨシとし移動しようと思った瞬間、あくびをする姿を目撃。
「待ってました!」と言わんばかりに車を降りてその様子を観察。
他のジシギと同様に上嘴が反り返る様子を見ることができました。
あくびを連発していたアオシギは羽繕いを始め、尾脂線から出る分泌液を嘴に擦り付け丁寧に羽のお手入れ。
体をブルブルと震わせたり首をグリグリと動かしたりと、長時間同じ姿勢を続け凝り固まった体を解しているようでした。
羽繕いやストレッチが終わると場所の移動を始めラッキーなことにこちら側へ。
葦の隙間を縫うようにして移動する姿が可愛らしい。
ゆっくりとした動作で一歩一歩足元を確めるようにして前へ進みました。
何気ない一コマですが雪の上を歩く姿は北国ならでは。
Web上で見るアオシギの画像は雪の無い地域のものが多く、雪景色の画像は圧倒的に少ないように思います。
餌の採り易さを考えても雪の無い地域の方が暮らし易いと思うので当たり前と言えば当たり前の話ですが..
そろりそろりと歩みを進めたアオシギは水気のある場所まで移動すると体を上下に動かしながら採餌を始めました。
アオシギがよく見せるこの動き、こればかりは静止画で伝わるものではありません。
それに加え私の語彙力では伝えきれるものではないことから昨年と同様に今回もコミカルな動きを動画で撮影しました。
この独特な動きは誘発性が高く、アオシギを観察するにあたり同じような動きを見せるバードウォッチャーを目にした方も多いことでしょう。
事実、私は昨年の観察で体を上下に動かしているオジサンを何度も目にしていました。
羽の模様も美しく、行動も面白みがあることから何度でも観察したくなる中毒性の高い鳥と云っても過言ではありません。
アオシギを見て体を上下に動かすバードウォッチャーを目にしたら、その人は中毒症状です。
かくいう私もそのうちの一人ですが..
歩く姿を見ても可愛らしいと思え、自宅へ連れて帰りたいと思うほど。
雪の上でも体を上下に動かす姿は可愛いという以外に表現のしようがありませんでした。
それだけに観察を続ける間は吹雪いているにも関わらず手袋もせず寒さを忘れるほど。
髪の毛も雪で真っ白になり外で観察を続ける姿は端から見るとさぞ滑稽だったことでしょう。
今回特に印象に残ったのはこちらの場面。
撮影した画像からは伝わりにくいと思いますが、新雪に残ったアオシギの足跡。
我慢強く起きるまで待つことにより活発に動き回る姿を見ることができ、この日のアオシギ観察は満点と思えるほどでした。
また3月に入っていたということもあり冬羽から夏羽に移行している状況を見ることができたのは収穫の一つです。
今後雪融けが進むことで他の地域でも観察のチャンスが巡ってくるかもしれません。
個体による特徴の違いなど、より深く踏み込んだ観察ができればと考えます。
本日の観察日記はここまで。