2022年5月30日
本日更新する日記は8日の観察分から。
この日お目当てとしたのはムシクイ類。
ド珍鳥とまでは言わなくてもこの時期に本県を通過しているキマユムシクイやカラフトムシクイを見ることができたらと早朝から公園巡りをしてみることに。
公園へ着いて早々耳にしたのはノゴマの囀り。
「何処に居る?」と鳴き声を頼りに歩を進めると笹藪が広がりいかにもノゴマが潜んでいるような環境が。
しかし再び聞こえてきた囀りは藪の中ではなく頭上からであるように感じたことから上方へ視線を移すと自己主張の激しいノゴマを目にしました。
まるで繁殖地で見るようなノゴマに驚かされましたが目にできたのは僅か3秒程。
そそくさと笹藪の中へ姿を消し再び見ることは出来ませんでした。
肝心のムシクイ類は何処の公園を回っても姿どころか鳴き声すら確認できず..
今季は異常に数が少ないのか翌週も確認できずに終わり今季は観察のチャンスを逃してしまいました。
完全に当てが外れてしまい途方に暮れた私は海岸へ。
海岸で目にしたのは少数のシギチの群れ。
こちらはキアシシギ。
画像は1羽ですがキアシシギは8羽見られ少し離れた場所にはミユビシギが1羽。
この他にオオソリハシシギが1羽とオバシギが2羽見られましたが、ミユビシギは他の種と混ざることはなく単独で行動しているようでした。
その一方でオオソリハシシギの後を付いて行動していたのはオバシギ。
オオソリハシシギが右へ動くと右へ、左へ動くと左へといった具合いに一緒に行動することが多かったように思います。
個人的な印象としてオオソリハシシギは警戒心が緩い種であると思っていましたが、こちらの個体は例外なのか車を降りると距離を取ろうとする行動が見られました。
ある程度観察できたところでアングルを変えて撮影を楽しみたかったのですが、警戒させてしまっては元も子もありません。
そのような理由からこの時は車内からの撮影を継続。
単体となるタイミングを狙ったり、波が押し寄せるタイミングを狙ったりと随分と撮影を楽しませてもらうことが出来ました。
一頻り観察したところで別の海岸へ。
到着して間もなく目に飛び込んできたのは洋上を飛び回るアカエリヒレアシシギの群れでした。
群れ全体が写った画像を拡大して数えてみたところ約400羽の群れであることが判明。
水面へ降りることなく飛び回っていた群れは私の直ぐそばを通過することもあり壮観な飛翔シーンを見ることができました。
飛翔を続けていた群れは何処へ降りることもなく内陸側へ。
想定外の行動に唖然とさせられましたが、こちらの海岸では他のシギチが見られなかったことから農耕地へ移動して探鳥を開始。
これといって目的はなかったものの、農道を走っていると不意にジシギが飛び立つことが多くチュウジシギとハリオシギをお目当てとしてジシギの捜索へ乗り出しました。
しかし私が目にしたのはタシギばかり..
それでも条件が良ければじっくり観察したいところでしたが、距離が離れていたり逆光だったりとなかなか良い場面に出会うことが出来ません。
更には云うと、秋季の観察時に比べ警戒心が強いように感じ車の動きに対して敏感に反応しているようでした。
こうなると非タシギに拘らず「見られるものであれば何でもよい」と考えを変えたところ好機到来。
距離が近かっただけに身を屈めこちらを警戒していましたが、飛び立つほどではないようです。
観察を続けていると徐々に警戒心が和らいできたのか体を起こし始め、ムナグロの群れが上空を通過すると空を見上げる姿を撮影することができました。
こうした仕草を間近で見られるのは嬉しいものです。
警戒心の解けたタシギは辺りをウロウロ。
採餌を始めるのかと思いきや少し離れた場所で羽を休めていた個体へ接近。
何かしら面白い場面が見られることを期待しましたが、私の期待を他所にそのまま通過してしまいました。
別個体の前を通り過ぎて間もなく移動が止まると腰を下ろしたタシギ。
暫くすると嘴を背に隠して休息の姿勢に..
自然の姿だけに嬉しいような悲しいような。
熟睡といった雰囲気でいつ起きるのか想像もつきません。
再び活動を始めるまで待とうかとも考えましたが、観察位置が時間の経過と共に逆光になってきたことからそっとその場を離れ別個体の捜索へ繰り出しました。
捜索の途中に撮影したのはオオカワラヒワ。
こちらがこの日最後の撮影でした。
その後の捜索では良い条件での出会いに恵まれることなく観察終了となりましたが、この様な日もあって当然でしょう。
日記に公開しているのは良い部分だけをかいつまんでいるだけであり、観察日の大部分は捜索に時間を費やすことがほとんどです。
ここからはおまけ的に14日の観察の様子を綴りますが、考え方によっては無駄な時間の使い方として代表的な例。
この日もムシクイ類を探すため早朝から公園巡りを予定していたものの、天気予報は大きく外れ観察には生憎のお天気でした。
雨が止むことはなく車内からの観察を余儀なくされたことから農耕地を巡回。
その際に目にしたのは草むらを素早く動く黒い影。
車を停車させると赤い嘴が見え隠れしていたことからクイナと確信。
よく見ると草むらを動いていたのは2羽。
付近には小規模ながら葦原もあり湿地となっている場所もあったことから繁殖しているのかもしれません。
しかし草丈の低い今時期だからこそ発見できたようなもので今後の観察は難しいように思いました。
せめて今だけでもはっきり姿を見せてくれたらと車内から動向を探っていると..
徐々にこちら側へ近寄ってきました。
もう少し接近してくれると開けた環境。
全身を拝むことができたらと辛抱強く待った結果。
暖簾をくぐるように顔を覗かせましたが..
こちらを気にしてか直ぐに草むらへ隠れてしまいました。
再び姿を見せてくれたらと待った時間は4時間強。
結局この後姿を見ることはなく観察を終えましたが無駄と言えば無駄、贅沢と言えば贅沢な時間の使い方の一例です。
果たしてこれを観察と言っていいものなのか..
本日の観察日記はここまで。