2023年12月8日
本日更新の日記は今年最後の観察旅行記。
当初の計画では“4ヶ月連続・石垣島旅行第4弾”となるはずでしたが、先月は急遽旅行を中止したため一ヶ月置いての石垣島。
本来この旅行はANAダイヤモンドステータスを獲得するためのものであり、旅先の石垣島では明確な目的がありません。
私は他の鳥屋さんに比べると緩く観察するタイプとあって観光を兼ねて何等かのイベントを企画したいところでしたが、石垣島は頻繁に足を運んだこともあり最早行くところが無くなってしまいました。
そこで足りない頭をフル回転。
Windows98より劣る能力を駆使して弾き出した答えは西表島。
知人・友人との会話でも度々話題になっていましたが私はこれまで西表島へ渡ったことがありませんでした。
そこで今回の旅行では石垣島を中継地として西表島を探検してみることに。
題名には野鳥観察とありますが観光を主な目的としたため鳥屋さんにとっては何の参考にもなりません。
今回の旅行記は暇潰しにどうぞ。
8日午前の秋田空港。
ターミナルはクリスマスの装飾が施され年の瀬を実感。
今年一年本当によく出歩きました。
走馬灯のように記憶が蘇り、間もなく迎える新年の過ごし方について考えているとあっという間に羽田空港へ到着。
慌ただしく飛行機を乗り継ぎ石垣島へ到着したのは15時前。
バスクリンのような海に囲まれる石垣島ですが、この日はどんよりと霞み綺麗な海を見ることはできませんでした。
ターミナルの外は生ぬるい空気に包まれ気温は26℃だったでしょうか。
秋田を離れる際の気温は3℃と肌寒く私の服装は真冬の出立ち。
あまりの寒暖差に体が追い付かず吹き出す汗が止まりません。
慌てて薄手の作業着に着替え、早速定番探鳥地へ繰り出しました。
探鳥地へ着くとぽっかりと青空が広がり夕陽が眩しく思えるお天気に。
石垣島は場所によって雨が降ったり、晴れたりと少しの移動で天候が変わります。
この日最初に撮影したのは石垣島の象徴とも言えるカンムリワシ。
トラクターに止まる姿は石垣島の日常ですが私にとっては非日常。
反対側の田んぼにもカンムリワシの姿があり左右どちらも気になる状況でしたが、田んぼに佇んでいた個体が不意に飛び立ちこちら側へ接近してきました。
まるで私のことなど気にしてない様子。
カンムリワシに限らず相手側から距離を縮めてもらえるのは嬉しいものです。
飛んできたまでは良かったのですが置き物のように動かないカンムリワシを見ているとトラクターに止まっていた個体が見当たりません。
少し目を離した隙に飛んでしまったのか、見失ってしまったことを後悔し周囲を見渡してみると...
地面で何かが動いたような。
双眼鏡を覗くとカンムリワシが鳥の羽を毟っており、どうやら獲物にありついたようです。
場所を移動し再度双眼鏡を覗くと獲物はオサハシブトガラスと判明。
周囲にはおびただしい数のハエが集り、死後数日が経過しているようでした。
羽を毟り死骸に喰らいつく様子は動画でも記録。
この時何よりも気になったのはカラスの死因。
石垣島では轢死したカラスの死骸をよく目にしますが、そうした死骸を見るのは車通りの多い幹線道路。
農地で事故に遇うということは考え難く、頭を過ったのは鳥インフルエンザ。
時期が時期だけに不安が募ります。
私の不安が的中しなければ良いのですが...
16時から観察を始めたこともあり、あっという間に陽が傾き景色はオレンジ色に染まりました。
カンムリワシの観察を終えて宿泊先へ向かう途中、別の探鳥地を覗いてみるとソリハシセイカタシギの姿が。
画像に写るのは2羽ですが、こちらでは4羽見られスナップ程度に撮影して初日の観察を終えました。
2023年12月9日
日程2日目はいよいよ西表島へ。
石垣港のフェリーターミナルへ着いたのは6時50分。
秋田県は既に明るい時間帯ですが石垣島は時差を感じるほどの暗さ。
同じ日本とは思えません。
ターミナルへ入って先ずはチケットの購入手続き。
西表島にはフェリーターミナルが2ヵ所あり、この日は波の影響から上原港が欠航になっていました。
幸いにも私は大原港を発着する予定であったためホッと一安心。
石垣港から大原港までの所要時間は高速船で40分。
うたた寝をする間もなく西表島へ。
西表島へ着いてから最初の予定としてマングローブクルーズを予約していました。
乗船まで一時間ほどの空き時間があり、それまでにレンタカーを調達し少しだけ島を散策。
港周辺を探検してみると早速イリオモテヤマネコを発見。
「想像していたよりもデカい」
近場では水田を発見したもののサトウキビ畑の面積が圧倒的に広く、石垣島に比べると水田の面積は極端に少ないようです。
ざっと水田を回り見られた鳥はセイタカシギ・イソシギ・ダイサギ・タヒバリ・ツメナガセキレイ。
総数としても思った以上に少なく閑散とした印象を受けました。
マングローブクルーズを控え、腰を据えて観察するには気持ちに余裕が無く早々に港へ戻り一休憩。
間もなく乗船の時刻となり日本最大のマングローブ林を船から眺めます。
船頭さんのアナウンスに耳を傾けながら川の進むとアオアシシギを発見。
流石に望遠レンズを持っての乗船は場違いだろうと考え広角レンズで撮影しましたが『あちらに見える鳥はアオアシシギです』としっかり同定している船頭さん。
またコサギが見られるとしっかりと同定するだけではなく、サギ類の見分け方にも触れ的確な説明であったことから「鳥屋か?」と思わされるほど。
一体何者なのでしょう...
船頭さんの話は多岐に渡り、軽快なトークを楽しんでいると約一時間のクルーズはあっという間に終わってしまいました。
この後は港から最寄りの水田へ戻り再度チェックを行うとタヒバリとツメナガセキレイの群れのなかに気になる鳥を発見。
嘴の色や形・背の模様・羽衣の色・足の色など総合的に見てマキバタヒバリと判断。
手持ちの図鑑によると迷鳥として扱われているようですが、近年は観察例が多くなっているように思います。
年々渡来数が増えているのか、バードウォッチャーの目が肥えてきたのか理由は定かでありませんが、実際のところ日本へ渡来する数はどれほどなのでしょう。
予期せぬ出会いに気分を良くしましたが、マキバタヒバリの他に気になる鳥は見られず本格的に島の探検へ。
こちらは西表島のカンムリワシ。
幹線道路を進みましたが石垣島のように交通量は多くありません。
島の制限速度は40km/hであるとレンタカーを調達する際に念を押されましたが、速度超過する車も見られずのんびりとした印象です。
電線や電柱に止まるチョウゲンボウやサシバを頻繁に見かけこちらはスナップ撮影。
【 チョウゲンボウ 】
【 サシバ 】
草地ではダイサギ・チュウサギ・アマサギがよく見られムラサキサギの姿も。
ムラサキサギにカメラを向けると何やら上空を気にしている様子。
何をそんなに気にしているのかと空を見上げてみると目に入ったのはトビが1羽。
なんだ、トビか』と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが八重山諸島でトビは珍鳥扱い。
現地の方からすとマキバタヒバリどころの話ではないでしょう。
ムラサキサギにとっては普段目にしない猛禽が飛んでいただけに脅威と感じていたのかもしれません。
朝から陽射しが届き良いお天気に恵まれましたが、この時の気温は28℃と夏のような暑さ。
ツバメが飛び交い秋田とはまるで季節感が異なります。
電線にはツバメとリュウキュツバメが並び両種の違いを見ることができました。
【 ツバメ 】
【 リュウキュツバメ 】
少しだけ野鳥観察を楽しんだ後は西表島野生生物保護センターへ。
公式ホームページに目を通すと【西表野生生物保護センターは、西表島を訪れるみなさんにイリオモテヤマネコをはじめとする希少な野生生物や島の自然について知ってもらい理解や関心を深めるための普及啓発活動や、絶滅のおそれがある野生生物の保護と調査研究を総合的に行うための活動拠点として整備された施設です】と記載があり学びの時間を設けることに。
施設ではイリオモテヤマネコは勿論のことカンムリワシの生態についても学ぶことができ、島で見られる生物の剥製も数多く展示されていました。
見学を終えた頃には正午を過ぎており、昼食をどうしようかと考えていたところ道すがら目にしたのは由布島まで0.5kmという看板。
探検ついでに道を進むと見えてきたのは海を渡る水牛車。
調べてみると由布島は水牛車で渡る観光地になっており、土産物屋の他レストランもあるようです。
何の迷いもなく水牛車へ乗り込み由布島のレストランへGO!!
手綱を引くおじーは島の成り立ちや水牛について話をしてくださり興味深く耳を傾けてました。
上陸して間もなく目にしたのは池に浸かる水牛たち。
20歳を超える水牛は労働から解放され、のんびりとした余生を過ごすそうです。
レストラン目掛けて道を進むと“おじー飛び出し注意”の標識が。
なかなか洒落が効いていますが、手に持つ鎌はサトウキビを刈るものでしょうか。
ちょっと怖い...
レストランでは八重山そばと丼物のセットを頂き、食後は由布島を散策してみました。
雰囲気としては熱帯植物園を思わせ異国情緒たっぷり。
ひっきりなしに観光客が訪れる様子から西表島を巡る旅として由布島は外すことのできない観光地になっているのかもしれません。
戻りの水牛車ではおじーが三線を弾いてくれるサービス。
由布島を後にして再び西表島を探検しましたが、島内を巡り感じたのは石垣島のような賑やかさとかけ離れた印象。
良く言えば手付かずの自然がそのまま残っており開発とは無縁の場所。
石垣島とは異なる地形がそうさせるのかもしれません。
陽が傾き宿泊先への移動を考えた頃、私の心を擽ったのは星砂の浜という看板。
看板の案内に従って浜辺へ移動すると砂金採りの如く星砂を探す人々。
こちらもまた由布島のように西表島では外すことのできない観光地になっているようです。
右に倣って私も探してみると驚くほど簡単に見つかった星砂。
竹富島の星砂の浜に比べるとこちらの浜辺の方が星砂の量が多く、老眼の進んだ私にとって優しい浜辺でした。
星砂を探した後は土産物屋を覗き宿泊先へ。
早めに夕食を済ませナイトウォッチングに備えましたが、ナイトウォッチングでのお目当ては勿論イリオモテヤマネコ。
しかし生態の分からない相手だけにどう探したら良いものか...
考えてどうにかなる問題ではなく闇雲に探す他ありませんでした。
ナイトウォッチングを始めて最初に発見したのは大きなヤシガニ。
私の手より遥かに大きく、サイズ感を表現しようと掴むことを試みましたが恐怖心から突っつくことが精一杯。
ヤシガニの観察は程々にして可能な限り島を徘徊。
しかし見つけることができたのはリュウキュウイノシシのみ。
探し始めて3時間が経過しても尚イリオモテヤマネコを見つけることはできず、時間も時間だっただけに宿泊先へ戻ろうとしたところ道路を横切ろうとする黒い物体。
「イリオモテヤマネコ!!」
お察し下さい。
カメラを構える間もなく道路脇の法面を一目散に駆け上がったイリオモテヤマネコ。
一瞬の出来事で証拠写真すら残すことができませんでした。
出会いは一瞬だったものの空振りに終わらなかっただけでも良しとするべきなのでしょうか。
宿泊先へ戻ったのは22時45分。
積み重なった疲労もあり、この日は泥のように眠りにつきました。
2023年12月10日
2泊3日の弾丸旅行は本当にあっという間。
ほとんどの時間を移動に費やしているため少々もったいなくも感じますが、会社員の身でありながらここまで自由奔放に過ごせるだけでも幸せなのかもしれません。
最終日はゆっくりとした朝を迎え、僅かなに残った時間を大切に過ごしました。
名残惜しくも高速船に乗り込み、離れつつある西表島を眺めていると航路標識に止まるカツオドリを目にしました。
特に西表島に近い場所では支柱という支柱にカツオドリが止まっており、この様な発見も私にとっては良い思い出。
あっという間に石垣港へ着き、お約束の記念撮影。
更にこちらも。
具志堅用高はカンムリワシの亜種であることは周知の事実。
時間の許す限り石垣島でも観察を楽しみましたが〆を飾るのはやはりこの鳥が一番でしょう。
こうして今年最後の観察旅行を終えましたが、西表島の探検は学びの時間もあり収穫の多い旅でした。
今回の西表島のように見聞を広める為には実際に足を運ばなければ知ることはできません。
来年も知識と教養を深めるため全国津々浦々渡り歩きたいと思います。
2023年 野鳥観察の旅 in 西表島 (12月) はこれにておしまい。