2023年5月15日
本日更新する日記は先月8~9日の観察分から。
渡りのシーズン真っ只中の4月上旬。
この週末は友人夫婦と一緒にバードウォッチングを楽しみました。
未だヤツガシラを見たことがないという友人のリクエストに応え、過去に実績のあるポイントを中心に海沿いの探鳥地を巡回してみることに。
始めに観察を行ったのは夏羽のカシラダカ。
田んぼで採餌をしている個体を発見し撮影したものですが、パッと見た目には何が写っているのか分かりません。
画像を見ての通り距離が離れていたため双眼鏡での観察が主体でした。
カシラダカについてはもっと条件良く観察できるものと考え早々に場所を移動。
間もなく観察できたのは渡来して一週間ほど経過したコチドリ。
あっちにこっちにと千鳥足で歩くコチドリは警戒心を見せることなくどんどんこちら側へ。
間近で採餌の様子を見ることができました。
現在はペアが形成され抱卵している頃でしょう。
肝心のヤツガシラは気配もなく時間だけが過ぎていくばかり。
何かしら出会いに恵まれないかと移動を続けていたところ道路脇から顔を覗かせているアナグマを発見。
車を警戒して藪に身を潜めましたが、再び姿を現すことが予想できたため距離を置いて待ってみると...
「出てきた」
アナグマは周囲の様子を見渡しているようです。
この後は道路を横断するものと考え、警戒させることのないよう見守っていると全身が見える位置まで出てきました。
しかし道路へ出てきたアナグマは横断することなく体の向きを変えると静止したまま動きがありません。
再び動き始めると道路を横断することなく藪の中へ。
予想とは違った行動でしたが真っ昼間に撮影できたのは幸運。
出会いはカメラを持っていない時ほど多く、撮影の機会は少ないというのが実状です。
アナグマを見ることができたお陰で気分は上向き加減でしたが、その後も本命のヤツガシラは発見に至らずドライブをしただけの一日に...
友人とは予め「空振り覚悟」という話をしていましたがこのまま終わる訳にはいきません。
ちょうどヤマシギが渡ってきていたということもあり、この日の夜はナイトウォッチングを計画。
戦の前に親子丼ときりたんぽ鍋で腹ごしらえ。
体が暖まったところでヤマシギの観察に出ましたが、最初のポイントでは15羽ほどのヤマシギを確認。
夜にヤマシギを見るのは初めてという友人のため、私は撮影補助に徹したため画像は別日に撮影したものになります。
この日はもう1ヶ所のポイントを回りましたが、次の場所は7~8羽程度と思ったよりも少なめでした。
ヤマシギに混ざりオオジシギも採餌していたようでしたが撮影には至らず。
代わりに撮影できたのがタシギ。
こちらは友人撮影の画像。
約2時間ほどのうちに沢山のヤマシギを見ることができた他、活発に活動するアオサギやキツネなども見ることができ楽しい夜を過ごすことができました。
翌日は快晴の良いお天気に恵まれましたが、風が強くヤツガシラ探しは困難であると判断。
代替案として思い浮かんだのはヤマセミの観察でした。
以前『ヤマセミを見たい』と云っていた友人の言葉を思い出し、この日は河川の上流~中流域をしらみ潰しに探して回ることに。
繁殖期に入り、この時期は抱卵中であることから確率としては良くはありません。
それでも1羽くらいは見つけられるだろうと思いましたが...
世の中そんなに甘くない。
空振りの連続に私の心労は激しくなる一方。
そんな折り、気分を紛らわせてくれたのはカワガラスでした。
葉っぱを咥えており巣材として利用するようです。
付近に別個体が見られましたがペアと判断して間違いないでしょう。
カワガラスとしては繁殖の遅いペアだと思い眺めていました。
ヤマセミが見つからないまま最終チェックポイントへ到着。
タイミングの問題もあると考え、一度ヤマセミから頭を切り離し夏羽のカシラダカを観察してみることに。
あちこちで見られるカシラダカでしたが、群れの規模が大きくなるほど撮影は難しくなかなか思うようにいかず...
ちょうどこの頃、秋田市は見頃となった桜が多く開花時期としては半月ほど早いペース。
場所によってはまだ蕾の桜も見られましたが今年の桜の見頃はあっという間に過ぎ去ったという感覚です。
例年であれば桜が満開の頃にオオルリやキビタキが見られるようになりますが、この頃は渡来を確認できていなかったことからルリビタキを探してみることに。
以前ヤマシギが多く見られていた林道を歩きルリビタキを探しましたが鳥そのものが少なく閑散とした様子。
気候変動だけではなく、この地域は風力発電の影響が大きいように思います。
林道での探鳥を終えた後は再びヤマセミ探し。
タイムリミットは17時。
それまでに一目でも見せることができたらと河川に沿って移動を繰り返しましたが、それらしき姿は見当たらず...
時刻が16時になった頃。
執念でヤマセミを発見するも居場所を伝えているうちに飛去してしまいました。
千載一遇のチャンスを逃し落胆の色が隠せません。
残り1時間のうちにもう一度見られるか分からなかったものの一縷の望みに賭けて周囲を右往左往。
間もなくタイムリミットの17時。
ギブアップの言葉が出始めた16時55分、鳴き声と共にヤマセミが飛来。
なんという結末。
冗談半分に「最後の最後に出たらドラマチックだね」という話をしていましたが、その通りの結末になりました。
見ることができた時間は5分ほどだったでしょうか。
短い時間ながらも見せることができて本当に良かった...
こうして幕を閉じた週末の観察。
当初の目的は果たすことができなかったものの、ヤマシギとヤマセミを見せることができ友人に喜んでもらえたことが何よりでした。
本日の観察日記はここまで。