2023年8月8日
本日更新する日記は旅先での思い出を綴る観察旅行記。
「遂にこの日がやって来た...」
この様な気持ちで迎えた旅行はいつぶりだったでしょうか。
今回の旅は少々事情が異なり複雑な心境で出発の朝を迎えました。
理由は徐々に明らかにするとして、秋田空港を離れたのは正午頃。
いつもの旅行であれば始発便か最終便を利用している為、当ホームページの常連さんは異変を察知しているかもしれません。
13時10分、羽田空港へ到着。
普段はここで乗り継ぎ最終目的地を目指すことが慣例となっています。
しかし今回の旅は一手間多く、バスや電車などを利用して羽田空港を離れる必要がありました。
田舎者の私にとって電車での移動はハードルが高いため目的地まで迷うことのないバスが最良の選択肢。
※タクシーでの移動は料金が高いため選択肢から除外。
最良の選択肢とは言え乗り場が多過ぎて田舎者はバスに乗るだけでも緊張していたように思います。
普段出ることのないターミナルの外は想像を絶する都会の暑さを覚悟していましたが今年は秋田市も連日の猛暑続き。
暫く過酷な環境で仕事をしていたせいか東京の方が涼しく感じるほどで、暑さに対する感覚がおかしくなっていたかもしれません。
14時05分、予約していたバスに乗り込み次の目的地を目指すと見えてきたのはフジテレビ。
8月8日のフジテレビの日に社屋を見ることができた田舎者は興奮気味。
都会の景色を眺めながらバスに揺られること1時間半...
辿り着いたのは成田国際空港。
既にお察しの方もいらしたことでしょう。
遂に日本を飛び出し海外探鳥する日がやって来ました。
昨年の秋、友人と何気ない会話のなかから持ち上がった今回の旅行。
友人から誘いを受けたものの、国内の鳥ですらまともに見ることができていない私にとって海外での探鳥はまだ早過ぎます。
その他諸々の理由から友人と押し問答が続き何度も断りましたが...私の根負け。
こうして初の海外探鳥は準備段階へと進み、計画は一気に具体化していくものと思いましたが波乱の展開が待ち受けていました。
先ずはパスポートの申請前に一悶着。
パスポートを申請するにあたり幾つかの書類を準備しなければなりませんが、戸籍謄本の取得に問題が発生。
私の本籍地は現住所から遠く離れた場所にあり、戸籍謄本一通取るだけでも手間が掛かります。
しかしオンラインで繋がる現代、マイナンバーカードがあるとコンビニでも戸籍謄本を取得できると知りマイナンバーカードの申請から始めました。
マイナポイントも貰えてウハウハと思ったのも束の間、コンビニでは慣れない機械の操作に手こずり戸籍謄本の取得ができず...
何処に問題があるのか分からず所轄の役所へ問い合わせてみたところ『申請頂いた本籍地の入力に不備があるようです』との回答が。
言われてみると以前戸籍謄本を取得した際、住所と本籍地の地番が異なっていたことを思い出しました。
思い当たる地番を口頭で伝えたところ『惜しい』と言われカチンと来る短気な私。
おそらく相手方はパソコンに表示されている私の本籍地を見ての言葉だったのでしょう。
こちらとしてはパスポートの申請に戸籍謄本を使用したいだけであり何の悪意もありません。
事情を話しても全く聞き入れてもらえず「お前とクイズをやっているんじゃない」と口にしてしまい険悪な雰囲気に...
この様に戸籍謄本一通取るだけでも大変な苦労があり先が思いやられる幕開けとなりました。
パスポートを無事取得できたことで次に待つのは航空券の予約です。
普段ANAを利用することの多い私ですが、今回利用するのは人生初のジェットスター。
LCCに乗るのも初めてとあって大手航空会社と料金システムの違いに戸惑いを隠せず。
目的地まで直行便を運航している利便性からジェットスターを利用することにしましたが...
予約を完了した数日後。
スターアライアンス系列の航空会社が羽田空港から直行便の就航を発表。
流石にこの発表を知った時は愕然としました。
あと数日違っていたら成田空港へ移動する手間も省け、より効率の良い旅をすることができたでしょう。
取得したチケットをキャンセルしようにもLCCの罠なのかキャンセルする手筈が無く渋々ジェットスターを利用することに。
続いて取得したのは国際運転免許証。
今回の旅では私がドライバーを努めるため国際免許証が必須となりました。
しかし秋田県運転免許センターでは平日のみの交付であった為、やむを得ず仕事を休まなければいけませんでしたが更に驚いたのは免許証返納の義務。
※返納されなかった場合、新たに申請しても免許証が交付されないそうです。
国際免許証を取得した後はレンタカーの予約を入れましたが、利用したサイトが悪かったのか法外な金額が提示され一度予約し直す羽目に...
やはり国内旅行とは異なり思うように事が運びません。
この他にも様々な準備を整えましたが、ここで旅の目的地について触れたいと思います。
今回の目的地はオーストラリア。
クイーンズランド州北部に位置するケアンズが旅の舞台。
グレートバリアリーフの玄関口と言われるケアンズでは市街地のエスプラネード周辺だけでも多種多様な野鳥が観察できるとあってバードウォッチャーに人気の探鳥地なのだとか。
加えて日本との時差は1時間ということもあり、時差ボケすることなく旅を楽しめることから日本人にとって人気の観光地になっているそうです。
マップに赤ピンを立てた場所がケアンズ。
成田空港からケアンズ国際空港までの所要時間は7時間20分。
移動距離にして5981kmの長旅です。
ここで話を戻し、成田空港へ到着したのは15時30分。
ターミナルは第1、第2、第3と分かれておりLCC専用となっているのが第3ターミナル。
中へ進むと競走用のトラックを思わせるラインが施されていました。
ターミナル内は広々としていますがとても空港とは思えず。
打ちっぱなしの壁にダクトが剥き出しの空間はまるで宅配便の配送センター。
チェックインカウンターや自動荷物預機が整然と並ぶ傍ら、フロアの一角には書店・土産物店・コンビニなどが並んでいました。
広々とした休憩スペースはほぼ満席。
やはりコロナが5類に分類されたことで活気が戻ってきているようです。
10店舗ほどが並ぶフードコートもほぼ満席でした。
ターミナル内を一通り探検してみましたが、腹拵えをするにはまだ早く両替所へ行ってみることに。
行ってみると言ってもフードコートの向かいにありましたが...
両替所の直ぐ側にはレートを表したモニターがあり、オーストラリアドルのレートは1豪ドル約104円。
両替前にその日の相場を確認。
ぼられるところでした。
しかし現地へ行ってからの手間を考えると国内で両替するのもありでしょう。
そもそも私はクレジットカードでの決済が主となるため、現金はあくまでも不足の事態に備えてのこと。
その様な理由から1万円分を両替しましたが初めて手にしたオーストラリアの紙幣にびっくり。
まるで子供銀行が発行した紙幣かのよう。
紙幣の一部が透けて見え、ビニールのような質感は完全に玩具。
日本の紙幣とは全く異なる印象でした。
日本を離れる前にたこ焼きを食べ、17時のチェックイン開始時刻と共に自動チェックイン機へ。
通常はチェックインを済ませると自分でタグを貼って自動手荷物預け機に荷物を預けるようですが、私はFRAGILEのタグを付けてもらいたかったことからカウンターで更なる手続きを行いました。
探検とチェックインを済ませ、やる事が無くなった私は早々と保安検査へ。
保安検査終了後は出国審査を行いましたが、全て自動化されておりパスポートを機械にスキャンするだけ。
パスポートに捺印されるスタンプは廃止されたようです。
出国審査を受けた後は免税店を眺めて時間潰し。
この後は搭乗時刻を待つのみとなりましたが、ここで渡航前の準備について幾つかお話したいと思います。
先ずオーストラリアの渡航に必須となるのがETA(Electronic Travel Authority)と呼ばれる電子渡航許可の申請。
現在はオーストラリア以外にも様々な国で同様の申請が必要となっており、こちらはGoogle StoreまたはApple Storeからアプリをダウンロードして登録を行います。
申請に必要とされるのは個人情報が記載されているページの撮影、顔写真の撮影、求められる質問に対しての回答、住所・連絡先の登録、オーストラリア滞在中のホテルの登録など。
登録自体難しいものではありませんが、私が手こずったのは個人情報が記載されているページの撮影。
【テカりを押さえて撮影して下さい】という表示が何度も出てしまい、なかなか読み取ることができませんでした。
スマホのカメラ機能が悪いのか照明または立ち位置が悪かったのか...
次に帰国時の準備として予め済ませておいたのが visit japan web という入国審査と関税申告をWebで行うことのできるサービス。
こちらを利用することで帰国の際、スムーズに入国できるようです。
そして私が迷ったのは渡航してからの通信手段。
ほとんどの方はSIMカードの差し換え、またはレンタルWi-Fiを利用しているのではないでしょうか。
当初は現地へ着いてからSIMカードを差し換えるつもりでしたが、今回の旅では旅行前にセットアップできるeSIMを採用。
最後にコンセントのアダプター。
オーストラリアでは国内でも地域によってコンセントの形状が異なるそうです。
ヤマダ電機の店員に言われるがまま購入したのはO型タイプのアダプター。
海外旅行で必要とする準備はこれくらいでしょうか。
旅慣れしている方であれば荷物が多少多くなるくらいで国内旅行と然程変わらないでしょう。
19時30分、搭乗開始時刻となりビジネスクラスを優先後エコノミークラスはグループ分けすることなく全員機内へ。
ジェトスターのエコノミークラスはシートピッチが狭いと聞いていましたがANAと変わらないように思いました。
出発までの間、機長からフライトについての丁寧な説明があり飛行時間は6時間42分とのこと。
予定通り機内へ乗り込んだまでは良かったのですが何やらトラブルがあったようで出発時刻から43分遅れて成田空港を離陸。
シートベルト着用サインが消灯して間もなく配布された出入国カード。
「字が小さくて読めねぇ...」
ここのところ老眼が極度に進み、字が読めないどころか自分の書いた文字さえ見えません。
そのため撮影した画像を拡大しながらの記入となりました。
21時30分頃に『HIDEYUKI !!』とCAに呼ばれ手渡された機内食。
こちらは予め頼んでおいた物になりますが味はともかくとして火傷するほど熱かった。
機内食を食べ終った頃には皆さん就寝モードに入り、私も「寝よう 寝よう」と努力したもののさっぱり眠れず...
更にパプアニューギニア上空を通過した頃から気流の悪い状態が続き、何度もシートベルト着用サインが点灯。
几帳面なパイロットなのかその都度アナウンスが入り、おそらくほとんどの方が眠れなかったことでしょう。
結局一睡もできないままケアンズが目の前に。
パイロットからのアナウンスによるとケアンズの天気は曇り、気温は21℃とのことでアナウンスを聞くだけでも涼しさを感じます。
成田空港の出発が遅れたものの現地時間の4時18分、定刻より少し早くケアンズ国際空港に到着。
ボーディングブリッジを通過する際にケアンズの空気を肌で感じましたが21℃とは思えない肌寒さ。
ターミナルへ入ると所々に日本語を見かけました。
やはり日本人の観光需要が高まっているのでしょう。
オーストラリアの税関は特に審査が厳しいことで知られているため、話のネタにとテレビで見るような押し問答を期待しましたが特に何も無く通過。
ここでやっと放尿タイム。
窓側席に座っていた私は隣の方に迷惑を掛けまいと7時間半の間、一度もトイレに行ってませんでした。
トイレに駆け込むと便器の位置が高く、形状も異なり海外へ来たこと実感。
到着ゲートへ移動すると大手旅行会社の方がプラカードを手に観光客を出迎える様子が見られました。
この日の日の出時刻は6時39分ということもありまだ外は真っ暗。
やはり肌寒さを感じたものの日の出前にも関わらず鳥の声が賑やかで気持ちが高ぶっていたように思います。
ここでアクシデントが発生。
出発前にセットアップしていたeSIMが機能せずネットに繋ぐことが出来ませんでした。
ネットが使えなければナビを使うことも出来ません。
海外のレンタカーはナビがついてないことが当たり前で途方に暮れる私。
レンタカーの受付が始まるのは7時から。
それまでに何とかしなくてはなりませんでしたが腹が減っては戦ができぬ。
画像には写っていませんが、菓子パンを買い足して総額29豪ドル。
物価高過ぎ...
食事を採りながら試行錯誤を繰り返しましたがやはりeSIMは機能せず。
無駄な出費となりますがネットを使用できなければどうすることもできず渋々SIMカードを購入することに。
ケアンズ国際空港では両替所でSIMカードを販売しており、一番安いSIMカードを購入しようと思ったところ安いSIMカードが欠品中。
一番安くても30豪ドルとのことでした。
街中のマーケットにはセール品があり8豪ドルほどで買えると知っていただけにこれは手痛い出費です。
しかし背に腹は変えられません。
これでもう大丈夫と思いきや...
何故かこちらも機能せず。
SIMフリーの確認は勿論のことアクティベートも付録された手順書通りにやってみましたが現地の電波を拾うことはありませんでした。
もうお先真っ暗。
そうこうしているうちに時刻は7時を過ぎましたがレンタカー屋の店員が一向に現れません。
「おかしいな」と思いカウンターへ移動すると【国内線ターミナルで受付中】の案内が...
慌てて国際線ターミナルを出ると辺りには沢山の野鳥たちが。
前乗りしている友人をほったらかして観察したくなるような状況でした。
何よりも驚いたのは鳥との距離感。
こちらはツチスドリという何処でも見られる鳥ですが、私にとって勿論この時が初見。
全く人を気にする素振りもなく近寄って来る様子に思わずスマホで撮影しました。
国内線ターミナルへ入ると入り口の直ぐそばにレンタカーカウンターがあり日本人が受付をしていたことから「おはようございます!」と挨拶をすると『morning』との返答が。
後に分かったことですがケアンズは日系の方が多く、ワーキングホリデーで働く日本人と見分けがつきません。
言われるがままに手続きを進めているとクレジットカードを要求。
支払いはネットで済ませていたためその旨を伝えても要求が続きました。
どうもこの辺の会話が聞き取りづらく、やっと理解できたのはガソリンを満タンで返却しなかった場合の保証金が必要だったようです。
保証金200豪ドルを支払うと手渡されたのは車の鍵。
日本の様に車のチェックもなければシステムの説明もなく「189番の番号が付いた場所に車があるからそのままどうぞ」というのです。
随分と簡単なものだなと思いましたが、ターミナルを出る前に空港のフリーWi-Fiに繋いでナビを起動。
友人が待つ宿泊先までの道のりを暗記して車へ乗り込みました。
いよいよケアンズの旅が始まります。
2023年8月9日
空港を出て直ぐ待ち受けるのがラウンドアバウト。
信号が無く右側優先のサークル型交差点。
右側さえ注意すると大丈夫なラウンドアバウトは車が来て無い場合一時停止の必要がありません。
但し曲がる場所を間違えてしまうと方向感覚が狂います。
更に日本には無い赤い矢印の信号など最初は戸惑いを感じましたが、オーストラリアは右ハンドル左側通行。
この点が日本と同じとあって10分も走ると何の違和感もなく運転することができました。
記憶を辿っての運転は集中力を欠き少々迷う場面があったものの奇跡的に友人の待つ宿泊先へ到着。
友人をピックアップして早速観察へ出かけましたが、そちらの様子は後日更新の日記へ続きます。