前回の続き。
ANAダイヤモンド修行を大義名分のもと訪れたのは石垣島。
日程初日から沢山の出会いに恵まれましたが、その中でも目玉となったのは間近に見ることのできたジャワアカガシラサギ。
以前の観察では豆粒ほどの大きさに見ただけとあって今回が実質初観察となりました。
日程2日目の午前は島の友人とアカハラダカの渡りを観察。
午前中の間に約1000羽をカウントする観察は石垣島でも10年ぶりとのことで、貴重な場面に立ち会えたことを心の底から嬉しく思います。
2023年9月23日 (午後)
日程2日目の午後はベニバトを探して田んぼを巡回。
初日は島の友人より情報を頂き念願の初観察になると鼻息を荒くしましたが、私の目が節穴であったため発見には至らず。
アカハラダカの渡りを観察している際にもベニバトの話題で盛り上がる時間があり、どうやら私が到着するほんの少し前にハヤブサが現れ飛ばされてしまったようでした。
友人の先輩によると『ベニバトは小さいため田んぼの起伏によって見えないことが多い』というお話も。
奥まった場所に居る場合は尚更とのことで、このアドバイスを基に捜索。
双眼鏡を忘れる失態を犯していたため捜索にはかなり手こずりましたが、リュウキュウキジバトの群れに紛れるベニバトを3羽発見。
雄1羽、雌2羽を確認できただけではなく、リュウキュウキジバトとサイズの比較できる画像を残すことができたのは望外の喜び。
アドバイスにあった通り角度によっては土の陰にすっぽりと身を隠すこともありましたが、皆さんのお陰で初観察となり感謝の気持ちでいっぱいです。
ベニバトの観察後は新たな出会いを求めて島を巡回。
しかしこれといって目新しい鳥は発見できず。
時期が時期だけに石垣島にはとんでもない珍鳥が入っていてもおかしくはありません。
島の友人には毎回のように情報を頂き楽しい思いをさせてもらっている分、恩返しができればと考えていたのですが...
そんな折、友人より『アメリカウズラシギ2羽』という連絡が入り現場へ直行。
現地へ到着すると先客のバードウォッチャーがアメリカウズラシギを観察中。
後からやって来た者が飛ばしてしまっては問題に発展しかねません。
そのため先客の観察が終わるまで限られた時間を有効活用。
周辺で見られる鳥をじっくり観察しようと思ったところ、私の方へ突っ込んでくるようにリュウキュウヨシゴイが飛来しました。
飛びモノは残念ながらピント合わせが間に合わずボツとなりましたが、飛来したリュウキュウヨシゴイは初めて見る幼鳥と判明。
これにより雌雄・幼鳥とリュウキュウヨシゴイの記録をコンプリート。
こちらの幼鳥は擬態のポーズを見せる場面もありました。
たっぷりとリュウキュウヨシゴイの観察を楽しんだ後は本命のアメリカウズラシギを観察。
ウズラシギに似ますがアメリカウズラシギは胸の縦斑が濃く、腹との境界が明瞭。
この部分が最も簡単な比較部分となるでしょう。
アメリカウズラシギは数少ない旅鳥として見られ比較的秋の記録が多いようです。
そのため休耕田が皆無に近い状態となった秋田県ではこの先見ることができないかもしれません。
こうした事情もあって私にとっては貴重な機会となりました。
様々な撮影をするなかでヒバリシギと比較できる写真も。
この様に並ぶと明らかな大きさの違いを見て取れますが、時々ウズラシギ(またはアメリカウズラシギ)とヒバリシギを誤同定していらっしゃる方を見かけます。
図鑑で見るものと実物は印象が異なるため私も嘗ては見分けがつきませんでした。
特にシギチは似たような種が多く存在するため反復練習が必要です。
今回のアメリカウズラシギについては条件良く見ることができたため観察内容としては申し分ありません。
他力本願、万歳。
夕暮れ時までアメリカウズラシギを見ていると姿を見せたはカタグロトビ。
実は前日も同様の時刻に姿を現しており、全くと言っていいほど同じ場所へ止まっていました。
島の友人がブログに掲載していた狩場へ現れるカタグロトビとはこちらの個体ではないでしょうか。
友人が見る個体は夕刻になると現れるそうですが、私が見た個体も同様に二日連続で夕方になると現れホバリングしながら獲物を探す様子が見られました。
この日最後に観察したのは5羽のジシギ。
ハリオシギ1・チュウジシギ2・タシギ1は同定できましたが、残りの1羽はハリオシギなのかチュウジシギなのか私の知見では識別することができず。
こちらはハリオシギ。
そしてこちらはチュウジシギ。
識別不可となった個体は島の友人が言っていた紛らわしい個体だったのかもしれません。
こうして盛り沢山の一日を終え、この日の夜は郷土料理を堪能。
先ずはオリオンビールから。
【 ゴーヤチャンプルー 】
【 グルクンの唐揚げ 】
【 八重山そばの焼きそば 】
【 ラフティー 】
調子に乗って食べ過ぎ、腹が破裂しそうになりました。
2023年9月24日
日程3日目。
今回の旅行は早くもこの日が最終日。
フライトによって付与されるプレミアムポイントが第一の目的であったため日程としては短めの観察旅行です。
この日は朝一番からアカハラダカの渡りを観察するため渡り鳥観察所へ。
前日に比べると人出は少なかったものの、朝早くから観察所は賑わいを見せていました。
早い時間帯はバンナ公園で羽を休めていた個体が低空で飛ぶという話を耳にし、噂に釣られてやって来ましたが撮影に関しては腕次第。
話にあった通り『こっち出た』『あっちに出た』と四方八方から声が上がり、その度にカメラを構えたものの...
「ピント合わせが追い付かねぇ」
今流行りの機材では簡単に撮影できたかもしれません。
しかしレトロな機材を使う私には難易度が高過ぎました。
やっとの思いで撮影できたのは遠くを飛ぶ個体。
そうこうしているうちにアカハラダカの群れが徐々にこちら側へ。
地元の方のお話によると前日がピークとのことでしたが、この日も沢山のアカハラダカを見ることができ私としては願ったり叶ったり。
前日と同様に南下した群れが戻ってくる場面も見られ、石垣島での観察を非常に面白く感じました。
これまでに長崎市の烏帽子岳でもアカハラダカの渡りを見ていますが、噂に聞く対馬での観察はどのようなものなのでしょう。
10時頃まで観察を続け、カウントされたアカハラダカは450羽。
『この後はポツポツ渡る程度だろう』という地元の方のお話もありアカハラダカの観察はここまで。
残された時間はあと3時間。
限られた時間を有意義に過ごすため最後は私の好きなジシギを観察することに決定。
田んぼを巡回し発見したハリオシギ。
そしてこちらもハリオシギ...多分。
ちょっと確信の持てない個体を前に時間を掛けて観察していると上空をカンムリワシが飛んでいました。
『雄々しく広げた翼 天高く宙を舞う』
ダイナミック琉球の一節が相応しいこの場面。
考えてみるとこうした飛翔シーンを見るのは初めてだったように思います。
どんどん高度を上げるカンムリワシを眺め、ふと思い出したのはハシブトアジサシの存在。
島の友人より情報を頂いていましたが、他の観察に夢中になりすっかり忘れていました。
せっかく寄せて頂いた情報を無駄にする訳にはいきません。
そこで〆の観察はハシブトアジサシと考え情報のあった場所へ。
8月のケアンズ探鳥旅行でも観察していましたが、エスプラネードで見るより条件が上でした。
当初は5羽確認されたそうですが日に日に数を減らしたようです。
ハシブトアジサシの観察を終えて車へ戻ろうとしたところイシガキシジュウカラを発見。
鳴き声も見た目も本州で見る亜種シジュウカラとは異なり、とにかく“黒い”羽衣が目を引きます。
大雑把な観察をするなかで最後の最後に本来あるべき姿の観察をしたような気がしました。
石垣島での観察はイシガキシジュウカラを見て終了。
この後、スマホを拾得し交番へ出向いたもののお巡りさん不在のため暫く待たされるハプニング。
旅の締め括りに食べる八重山そばは慌てて掻き込む羽目となりました。
最後の最後にハプニングがあり慌ただしい終わりを迎えた石垣島の旅でしたが、ANAダイヤモンド修行を大義名分とした旅は今回で終わりません。
実は10月・11月・12月と計画があり今回の旅を含めて4ヶ月連続で石垣島を訪問します。
その間には北海道へのフライトも挟みますが、果たして私の体力は持つのでしょうか...
2023年 野鳥観察 in 石垣島 (9月)はこれにておしまいです。