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2024年10月14日

 

 

 

本日更新の日記は9月16日の観察から。

 

対馬から戻った翌日、秋田はすっきりとした青空が広がりタカの渡りを観察するうえでは絶好のお天気に恵まれました。

 

しかし前日まで移動を繰り返していたせいか得も言われぬ疲労感に襲われ気持ちに対して体が追い付かず…

 

無理に外出することにより体調を崩してしまっては元も子もありません。

 

翌日からの仕事に支障をきたさないよう自宅でゆっくり過ごそうかと考えましたが『休日は外出しないと落ち着かない病』を発症しタカの渡りは諦め自宅周辺の農耕地を回ってみることに。

 

 

タシギの1羽でも見ることができれば私の気持ちは満たされますが、何処の田んぼもカラカラに乾いておりジシギの観察は絶望的とも言える状態でした。

 

残念ながらジシギは観察できなかったものの農耕地にはノビタキが沢山。

 

 

9月第1週は三沢基地航空祭、第2週は対馬と秋田を離れている間に小鳥たちの渡りが活発になっていたようです。

 

敢えて探す必要もなく否応なしに視界に入るノビタキ。

この日の私にとっては最適な観察対象でした。

 

 

換羽の状態は個体毎に異なり、雌雄の成鳥に加えて幼鳥も見ることができ先ずは個体毎の特徴をじっくりと観察することに。

 

 

各々の特徴を観察した後は行動に注目。

 

稲刈り前の田んぼでは伸長した雑草に止まる姿が多く見られ、見晴らしの良い場所を好むことがよく分かります。

 

 

見晴らしの良い場所と言えば北海道では見られる電線止まりのノビタキ。

 

これまでに何度も足を運んでいる北海道ですが、繁殖地で見るノビタキを初めて目にした時は衝撃的でした。

 

 

電線に止まるノビタキは強烈な違和感を感じるほど秋田では有り得ない光景。

 

つまり渡りの時期に見られる個体は電線に止まることがほとんどありません。

 

 

地域によって止まる場所が異なるのは何故なのか。

 

北海道では電線に止まる姿が当たり前なのに対し、秋田で見られる個体は見晴らしの良い場所とはいえガードレールや杭など低い場所に止まります。

 

 

繁殖期はパートナーを作るためのアピールと言えば合点がいくものの、繁殖を終えたであろう個体も電線に止まっていることが多く謎は深まるばかり。

 

私の疑問を余所にノビタキは忙しなく動き回り餌となる虫を探しているようでした。

 

 

その様子を眺めていると間近に飛んでくることも屡々。

 

不意に地面に降りると一瞬のうちに虫を捕食してしまいます。

 

 

咄嗟にカメラを向けても間に合うものではなく、これもまた老化現象の一つなのでしょうか。

 

それでも決定的瞬間を撮影しようと何度か試みたものの悉く撮影失敗。

 

 

結局何を捕食しているのか確信に迫ることはできず...

 

しかしながら探すことをせずとも活発に動く様子を観察させてもらえることには感謝しかありません。

 

 

個体数が多いだけに時には絵面に拘って撮影することもありましたが、これだけ長い時間ノビタキを観察したのは何年ぶりだったでしょう。

 

冬鳥が渡って来る頃にはノビタキを目にしても素通りしてしまうことが多く、ついつい珍鳥ばかりに目が向いてしまいます。

 

 

近年の観察記録を振り返ってみるといつの頃からか珍鳥オジサンに成り下がってしまったような...

 

しかしバードウォッチングの形は人各々。

鳥に悪影響さえ与えなければどの様な形でも良いと思いますが、私は原点に立ち返る必要があると思わされる一日に...

 

 

こうした思いから数時間後の出来事。

 

目に飛び込んできたのは日本海側で多くのハチクマが渡ったという各地からの報告。

この日はハチクマが一斉に渡り、秋田の定点観測地においても過去最高の羽数を記録したそうです。

 

無理をしてでもタカの渡りを観察するべきだったと、原点に立ち返るどころか後悔の念に駆られる一日となりました。

 

私の煩悩は消えそうにもありません。

 

 

本日の観察日記はここまで。