2024年10月28日
本日更新の日記は9月23日の観察から。
前日とは打って変わり快晴のお天気に恵まれた秋分の日。
タカの渡りの観察にはもってこいの天候でしたが、週間天気予報を確認すると暫く好天続きの予報になっていました。
予報通りであれば田んぼは再びカラカラに干上がってしまいます。
タカの渡りとジシギの観察を天秤にかけた場合、ほとんどの方はタカの渡りに傾くことでしょう。
しかし天の邪鬼の私はジシギの一択。
田んぼが干上がる前にと農地へ繰り出すと冠水した田んぼにはカモ類が沢山。
画像に写るのはハシビロガモですが、この他にコガモ・ヒドリガモ・マガモも見られ冬鳥が続々と渡ってきているようでした。
カモ類のチェックを終えた後はゆっくり車を走らせジシギ探し。
早速見つけたこちらのタシギ、農家さんが刈り取った雑草の束に体を埋めて羽を休めていたようです。
観察には不向きな環境とあってこちらの個体はスナップ撮影のみ。
別個体を探して間もなく農道脇で採餌する個体を発見し真横に停車。
距離が近過ぎたため私を気にしている様子が伺えます。
硬直状態が続いてしまうと思いきや目の前で採餌を始め活発に動く様子を見ることができました。
期待するのは伸びの姿。
その他にこれまで目にしたことのない行動が見られたらと注意深く観察を続けると徐々に遠退き後ろ向きの姿に…
距離を取られてしまったためオオジシギの観察と同様、自分ルールに則りこちらの個体については観察を終了。
新たな出会いを求めて農地を巡回していると微かに聞こえてきたのはムネアカタヒバリの鳴き声。
前日の観察では見つけることができなかったこともあり、タシギと並行してムネアカタヒバリも探してみることに。
いとも容易く見つかるタシギの数々。
タシギ…
タシギ…タシギ…
まさにタシギのオンパレード。
ムネアカタヒバリは一体何処へ。
昨年の観察を思い出し二番穂の間を丁寧に見て回ったものの気配すら感じられません。
ふと気付けばタシギが目の前に。
睡眠の姿勢を取るこちらの個体、車が目の前に止まったにも関わらず動じる様子は見られませんでした。
ムネアカタヒバリを見つけられなかったこともあり、こちらの個体が活動を始めるまで待っていたところ...
タシギの頭にトンボが止まり慌てふためく私。
ぼんやりと眺めていたこともあり当然のことながらカメラを構えておらず。
決定的瞬間を撮り損ねて意気消沈。
もうこのようなチャンスは訪れないだろうと思いつつも念の為にカメラを構えていると...
まさかの展開にニヤニヤが止まりません。
身震いすることによりトンボは追い払われてしまいましたが、余程タシギを気に入ったのか今度は背中へ。
嬉々とする私とは対照的に迷惑そうなタシギ。
しつこいトンボを気にしてか上方を気にする様子が見られました。
トンボとの攻防を夢中になって観察しているといつの間にか別個体のタシギが。
草陰に身を潜めていたのかこの時まで全く気付きませんでした。
どちらの個体も私を気にする素振りが見られなかったため更に接近。
到底望遠レンズでは撮影できる距離ではなかったためズームレンズや広角レンズに交換しての撮影です。
ほぼ真上からの撮影とあって普段の画像とは違ったものに。
距離が更に縮まったことにより改めて感じさせられたのはタシギの小ささ。
大袈裟に思われるかもしれませんが手のひらサイズと云っても過言ではありません。
こちらは面白半分で撮影したタシギの動画。
ズームしての撮影ということもあり小さなタシギを大きく見ることができます。
暫く観察を続けていると2羽のうち1羽が採餌を始めました。
依然として目の前から動こうとしない個体は再び睡眠の姿勢に。
渡ってきて間もなかったのでしょうか。
採餌を始めた個体ほ少しずつ田んぼの中央付近へ移動していたこともあり、この場をそっと離れると別個体のタシギを発見。
しかしこちらの個体は逆光の悪条件。
なかなか思い通りの観察ができずにいたところ、農道脇で私の様子を伺っている個体に遭遇しました。
この時もまた望遠レンズでは観察不可という至近距離であったためズームレンズでの撮影です。
これまでに至近距離での観察は何度も経験してきましたが、この日ほど至近距離での観察が続いた日はありません。
私を警戒すべき対象ではないと判断したのか田んぼへ降りたタシギは採餌を始めミミズを捕食。
しかし伸長した雑草が多くはっきりと様子を見ることができまさん。
頻りに田んぼの縁を突っつく様子が見られミミズ以外にも何等かの生き物を捕食しているようです。
しかし一瞬で獲物を飲み込んでしまうため正体を掴めずにいましたが、この様な場面こそ撮影した写真を活かす時。
画像を拡大して検証した結果、タシギが捕食していたのはゾウリムシであることが判明しました。
生態を知る上で写真が役に立った瞬間です。
腹の足しになるとは思えませんでしたが、採餌を終えたタシギは田んぼの縁を上り目の前に出てきました。
この時に撮影した別カットの写真を拡大してみたところタシギの目には私の車がくっきりと。
ここまで大きく映ったのは初めてのこと。
休憩を挟んだ後にはダンゴムシを捕食。
このように気の済むまでタシギを観察した一日。
過去の観察を振り返っても1、2位を争う内容となりました。
心残りは見つけることのできなかったムネアカタヒバリですが、翌週の観察ではこれまでの鬱憤を晴らすような出会いが...
そちらの様子は次週更新の日記へ続きます。
本日の観察日記はここまで。