2024年10月7日
本日更新の日記はいつもと内容が異なり先月開催された三沢基地航空祭のお話。
そのため観察についての記事はお休みとなります。
9月は二週連続での観察旅行を計画していたため今年の三沢基地航空祭は見送る予定でした。
※天候不良のため観察旅行は予定変更となりました。
毎週のように出歩いていては体力的に厳しくなるだろうと考え、9月上旬は旅行に備え大人しくしているつもりでしたが...
8月下旬、こちらのポスト(旧Twitter)を目にして考えが一変。
米軍F-22デモチームによるフライトを匂わせる内容。
このデモフライトが実現した場合、日本の航空祭においては史上初となります。
しかし米軍が得意とする“やるやる詐欺”の可能性も否めません。
加えて三沢基地航空祭は季節的に秋雨前線や台風の影響を受けることも多く、嘗ての航空祭では米軍F-15デモチームによるフライトがキャンセルになったことも…
どんなフライトが予定されたとしても天気には勝てず、様々なリスクを考慮した結果ギリギリまで様子を伺い前日判断とすることに。
航空祭当日までF-22については様々な憶測が飛び交いました。
デモフライトはキャンセルという情報が流れ始めた頃、三沢基地よりF-22が離陸し情報が錯綜。
そちらは嘉手納基地へ戻る機体であったことが判明し些細な情報に一喜一憂する日々でしたが…
9月6日、AIR COMBAT COMMANDのリストからF-22のスケジュールが削除され三沢行きキャンセルの方が続出。
私自身、非常に悩みました。
お目当てのデモフライトがなくなり三沢へ行く意味は何処にあるのかと…
しかし気持ちは既に三沢基地航空祭へ傾いており、天気予報を確認すると【曇のち晴れ 28/17℃】という予報を受けて三沢行きを決心。
航空祭前日の9月7日、仕事を終えると慌ただしく身支度を整え19時半頃に自宅を出発。
時々休憩を挟みながらも24時頃、三沢基地メインゲートに到着。
お約束の記念撮影です。
正門前でのイベントは終わり、飲み屋ではしゃぐ軍属の声が辺りに響いていました。
この後は特に徘徊することなく最寄り空き地へ移動し航空祭に備えて仮眠を取ることに。
仮眠を取るつもりが一睡もできないまま迎えた航空祭当日。
6時に行動を始め先ずは食料の調達から。
既に基地周辺は渋滞が発生しておりコンビニのトイレにも長蛇の列ができていました。
裏路地を潜り抜けファルコンゲート近くに居住する現役隊員宅へ到着すると『キッキッキ』という猛禽の声が。
空を見上げるとチゴハヤブサが飛んでおりアンテナ塔を意識してる様子。
よく見てみるとアンテナ塔には別個体の姿があり、もしかするとこちらで繁殖していたのかもしれません。
間もなくオオタカも飛来しちょっとした野鳥観察を楽しむことができました。
8時の開門に合わせのんびり過ごしていましたが、Xのポストを見てみると7時半に開門したとのポストがあり予定よりもスケジュールが前倒しになったようです。
現役宅からファルコンゲートまでは徒歩7〜8分ほど。
慌てることなくファルコンゲートを目指しましたが、目に飛び込んできたのは尋常ではない長蛇の列。
昨年とは列の方向も異なりいつ基地へ入れるのか見当がつきません。
列の最後尾は何処にあるのか様子を伺っているとオープニングフライトに向けてF-35が次々に離陸。
続いてF-16、E-2Dも離陸しましたがこの時の時刻は8時ちょうど。
やけに早いなと思いつつも列に並び、少しずつファルコンゲートへ。
基地へ入って少し歩くと手荷物検査が待っています。
今年は米軍の御達しによりIDチェックもあるとのことで私は運転免許証を用意しました。
手荷物検査のテントへ進むとオープニングフライトのアナウンス。
この時の時刻は8時半。
プログラムには9時からオープニングフライトと記載されていただけに「聞いてねーよ!」とテントの隙間から慌てて撮影。
F-35によるオープニングフライト。
4機編隊のお尻が悲しい…
立て続けにF-16も飛びましたが、角度が…
E-2Dだけはまともに撮ることができたものの、一番美味しいシーンを撮り損ねてがっがり。
間もなく米軍士官学校によるパラシュート降下。
米軍ならではのデモンストレーションにお祭り気分が盛り上がります。
各基地より飛来した地上展示機を眺めながら会場中央まで歩き記念撮影。
三沢基地の顔とも言える空自F-35と米軍F-16のコラボレーション。
この時点で私は既に汗だく。
体質的に汗かきな面もありますが、この日は例年より気温が高く炎天下での撮影は非常に辛いものがあります。
そのため今回の航空祭では“頑張らない”ことを念頭に置き、極力日陰にいることを心掛けました。
格納庫前に荷物を置き、居場所を確保するとRQ-4が静かに離陸。
何気なく撮影したこちらのシーン、RQ-4の離陸が一般公開されたのは今回が初めてだったはず。
飛行屋に『無人くん』と呼ばれる無人偵察機ですが、やはり格納庫前からでは初動が遅れ残念な写真になってしまいました。
間もなくF-35の機動飛行が始まり、この時だけは最前列付近へ。
離陸直後、ほぼ垂直の角度でハイレートクライム。
そのまま高度を上げるのかと思いきやいきなりのレベルオフ。
急激な姿勢変化ながらも滑らかさを感じ初っ端から機動性の高さを見せつけます。
海側から進入したF-35は会場中央でハイGターン。
下面もステルス機らしいフォルム。
塗装一つ取っても従来の戦闘機とは異なる質感です。
ウエポンベイのオープン。
約400ktのハイスピードパスでは円形のベイパーが発生しました。
会場へ戻ったF-35は再び中央付近でターンを始めましたが驚愕の性能を発揮。
旋回の途中、パワーを抑制したように見えたもののフルアフターバーのまま。
水平尾翼を小刻みに動かしながらグイグイと旋回。
静止画では伝わらないのがとても残念。
その後、急激に機首方向を変えドリフトの様な動きを見せました。
推力偏向ノズルを有していないF-35がこの動きをできるのかと驚かされましたが、米軍のデモチームも同様の動きを見せるようです。
機首の上方に向けそのまま上昇するのかと思いきや横向きに方向転換。
ゆっくりと方向転換するとほぼ垂直の角度で急降下。
この動きは今回来日が実現しなかったF-22デモチームが見せる低速方向転換。
まさか空自のF-35がJターンを見せるとは…
その後も随所に優れた機動性を発揮し従来の戦闘機とは異なる動きを披露。
これまでの航空祭で見せた機動飛行とは全く別物であり、まるで米軍のデモフライトを見ているような感覚でした。
航空祭において空自がここまで見せたことに驚きを隠しきれません。
残念ながらF-22のデモフライトは見ることができなかったものの、想像を超えるF-35の機動飛行を見ることができ大満足。
事実上、航空祭のお楽しみは早くも終わってしまったためこの後のプログラムはデザート感覚です。
最初のデザートはCH-47Jによる訓練飛行。
ブレードに動きが出るようスローシャッターでの撮影。
そのため機体がブレて写ることが多く、撮影した画像を一枚一枚確認すると敬礼しているFEの姿が。
続いてUH-60Jによる訓練飛行。
こちらは千歳救難隊の機体でした。
メディックによる降下。
間もなく松島基地よりF-2が飛来し機動飛行が行われました。
会場のアナウンスによるとパイロットは青森県出身とのこと。
余談になりますがF-2のフォルムは女性に人気なのだとか。
曲線美がその理由になっているそうですが、双発エンジンであったら私の心を掴んでいたかも…
旋回性能を存分に見せてくれましたがF-35の機動を見た後ではやはり第4世代の戦闘機だと感じさせられます。
ハイレートクライム。
急激な圧力変化でベイパーが発生。
この頃から一段と陽射しが強くなり肌を突き刺すような感覚がありました。
時代の変化から紫外線対策のため一切肌を露出しないようにしている方、暑さ対策のため空調服を着ている方など過去の航空祭とは来場者の姿も変わりつつあるようです。
機動飛行を終えたF-2は松島基地へ戻ることなく、そのまま地上展示へ。
続いて千歳基地よりF-15Jが飛来し訓練飛行が行われました。
オーバーヘッドアプローチからタッチアンドゴー。
訓練飛行ということもあり見せつけるような動きはありませんでしたが、F-15Jはどの角度から撮ってもカッコいい。
個人的に思い入れのある機種ということもあり贔屓目が働くのか、形だけは非の打ち所がありません。
今回の航空祭では写真の選定作業が辛くならないよう控え目にシャッターを押していましたが、撮影枚数だけ見るとF-15Jの写真が最も多くなりました。
10分の訓練飛行はあっと言う間に終わりF-15Jは千歳基地へ。
間もなくPACAFのF-16によるデモフライトが始まりお国柄の違いを見せつけました。
内容はいつも通りでしたが、久しぶりに天候に恵まれた三沢基地航空祭ということもあり垂直軌道の飛行を連発。
いつぞやの航空祭ではほとんどのフライトが中止になったこともあり、こうして航空祭を楽しむことができたのは久しく記憶にありません。
三沢基地航空祭と言えば暑いか寒いかの両極端。
嘗ては爽やかな気候のなか航空祭を楽しめていたものの、温暖化の影響もあり今後は暑さとの戦いになることでしょう。
プログラム通り11時にF-16のデモフライトが終わり次に行われるのは米軍士官学校による二回目のパラシュート降下。
13時30分に再びF-35の機動飛行が予定されていましたが、二時間半も間延びした時間が続きます。
毒々しい色のホットドッグを食しながら悩んだ結果…
今年の三沢基地航空祭はここまでとしました。
決断したのは丁度お昼頃。
三沢基地からノンストップで帰宅しても自宅へ到着するのは16時を過ぎるでしょう。
渋滞を避けるためにもこのタイミングが最良の判断になると考え三沢基地を後にしました。
帰路では道の駅に立ち寄りソフトクリームを食べ、奥入瀬渓流ではマイナスイオンを浴びたりと予定よりも大幅に遅れての帰宅となりましたが、事故やトラブルもなく帰宅できたことが何より。
このように今年の三沢基地航空祭は午前のみとなりましたが個人的には充分に楽しめたと思います。
道中も様々なことがあり色々な意味で思い出に残る航空祭となりました。
次に足を運ぶのはいつになるか分かりませんが、再び楽しい航空祭になればと思います。
2024年 三沢基地航空祭はこれにておしまいです。
おまけの画像。
最後まで見てくださった鳥屋さん向けにリアルタイムの画像です。
10月3日、秋田市でコハクチョウを今季初認しました。
例年より少し早めの確認でしたがこれから続々と渡来することでしょう。
我が家の上空を飛び夜通し鳴き声が聞こえてくるのも間もなくです。