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2024年12月2日

 

 

 

本日更新の日記は10月26日の観察から。

 

早いもので今年も残すところ一ヶ月を切りましたが、今回の記事もまた賞味期限が切れたような一ヶ月以上前の話題になります。

 

好天に恵まれることの多かった10月。

例年この時期は血眼になって探鳥していることは過去の日記に何度も綴っている通り。

 

しかし今季は渡り鳥にとって条件の良い天候が続いていたため成果の上がらなかったバードウォッチャーも多かったことでしょう。

渡り鳥の探鳥地として名高い飛島からも悲鳴が聞こえるほどでした。

 

 

渡りの珍鳥を探すうえで大きな可能性を秘めているのは日本海側に突出した男鹿半島。

 

自宅から男鹿半島の主要探鳥地まで所要時間はおよそ一時間半。

往復するだけでも三時間を要します。

 

それでも良い出会いに恵まれる機会が多いからこそ飽きることなく男鹿半島へ通っていましたが、今季に限っては期待値が低い分モチベーションが上がらず…

 

 

何を観察するべきかと週末の過ごし方について思案した結果、思いついたのはガンの塒立ち。

 

これまでに私が塒立ちを観察したのは2月下旬〜3月上旬の北帰行の頃。

そのため秋の様子については詳しいことが分かりませんでした。

 

後学の為にと観察を計画し、私は夜明け前に塒立ち。

 

ガンの塒となっている地域へ到着したのは午前4時40分。

辺りはまだ暗闇に包まれており少々張り切り過ぎたようです…

 

 

それから30分ほど経過すると雲の隙間が赤く染まり始めたため、塒近くへ移動して車内で待機していたところ続々と観察者の車が。

 

5時30分を過ぎた頃だったでしょうか。

ハイビームを照射しながら接近する車が現れ「不味い」と思った瞬間、轟音を立ててガンが飛び立ってしまいました。

 

慌てて車を飛び出し撮影した画像がこちら。

 

 

四方八方からガンの鳴き声が聞こえ羽音も間近に聞こえます。

 

渦巻くように飛翔するガンの群れは徐々に高度を下げ塒へ戻り始めました。

 

 

一体どれくらいの個体が塒を離れてしまったのか分かりません。

 

ほとんどの個体は塒へ戻ったようてしたが、フライング的な塒立ちは北帰行の頃にも多々あります。

 

そのためハイビームが影響したのか因果関係は分からないものの、少なからず人為的な影響が出る日もあるのではないでしょうか。

 

 

落ち着きを取り戻した塒の様子を双眼鏡で確認すると大多数がマガン。

次いでヒシクイとシジュウカラガン、僅かにハクガンも確認できました。

 

ガンの群れに混ざりカモ類やハクチョウも見られ塒は賑やかな様子でしたがロケーションは今一つ…

 

 

私の想定では朝焼けの空、そして紅葉とのコラボを考えていたものの予報に反して雲が多く紅葉もまだまだといった様子。

 

「雲の隙間から太陽が覗いているうちに…」と思っていた6時15分、鳴き声をかき消すほどの大きな羽音を立てて塒から一斉に飛び立ちました。

 

 

『ゴォー』と聞こえる羽音は大迫力。

 

この瞬間がたまりません。

 

 

私の立ち位置から見て右側へ飛翔するガンの群れ。

 

 

塒立ちの様子は三脚を使用して動画撮影も同時に行っていましたが、私が想定した方向とは逆方向へ飛んでしまったためフレームから消えてしまうという残念な結果に。

 

手持ちのカメラでは追うことはできても流石に2台のカメラは操作できません。

 

 

右方向へ飛翔したガンの群れは旋回するように正面側へ。

 

頭上を飛ぶ個体も多く四方八方から聞こえるガンの鳴き声。

 

 

ガンの群れによって視界が覆われていく瞬間です。

 

 

間もなく見るもの全てがガンに埋め尽くされる状況になりましたが、どのシーンも素晴らしいの一言。

 

 

多くの個体が塒を離れると思いきや大多数の個体が高度を下げ、再び塒へ戻りつつありました。

 

 

この時に塒を離れた個体は総数の1/4ほどだったでしょうか。

 

手持ちでの撮影が一段落したところで動画を確認したところ、やはり飛び立ちの直後はフレームアウトしていたもののそれなりに臨場感のあるものになっていました。

 

これまでの様子を映した動画はこちらから。

 

 

僅か数分の出来事ですが、ガンの塒立ちは活字では表現することのできない感動があり遠方から観察に来られる方も多いことでしょう。

 

 

朝陽が眩しく感じた頃、再び塒立ちを期待しましたが飛ぶ気配を全く感じられず…

 

 

この頃になると小群で塒を離れる個体が目立つようになり其々の餌場に向かっているようでした。

 

 

雲に太陽が覆われると霧の影響も相俟って塒はモノトーンの景色に…

 

良い絵面が撮れなくなったと判断したためかカメラマンは徐々に減り、私はポジションを変えて次の塒立ちを待ってみることに。

 

 

塒立ちがゆっくりなハクチョウでさえも塒を離れるようになり「今日は一斉に飛び立つことはないのだろうか」と思っていた矢先、ようやく塒立ちの場面が訪れました。

 

時刻は7時21分。

 

 

この時も少数の個体は塒へ戻ったものの、ほとんどの個体は其々の餌場へ向かったようです。

 

 

このようにして塒立ちの観察を終えましたが、ロケーションはどうであれ塒立ちの観察はどのような状況であっても感動があると思わされた一日に。

 

塒立ちの観察を終えてからは田んぼで採餌するガンの群れを眺め、渡りの珍鳥探しに移行しましたが見事に空振りという結果に終わってしまいました。

 

 

26日の観察についてはここまでとなりますが、おまけ的に翌27日の話題を。

 

前日の様子から男鹿半島まで足を伸ばす気になれず27日は自宅周辺で探鳥を行いましたが、田畑、河川敷、河口と様々な環境を見て回ったものの空振りの連続…

 

半ば諦めの気持ちで雑木林へ向かいましたが、ここで耳にしたのはムジセッカの鳴き声。

鳴き声を頼りに探してみると樹木の上部を動き回っており、動向は掴めるものの枝葉が混み合いはっきりと姿を見ることができません。

 

 

相当な苦労を強いられましたが、粘りに粘って撮影できた画像がこちら。

 

 

私にとっては田んぼでムネアカタヒバリの群れを見つけて以来のヒットです。

 

付近では沢山のウグイスが見られ地鳴きの違いを感じ取ることができましたが、今になって考えてみると鳴き声を録音するべきだったと少々後悔。

 

こちらはムジセッカに似るものの内野ゴロのウグイス。

 

 

この日はメジャーリーグのドジャース対ヤンキース戦で盛り上がる一日でしたが、いつの日か特大のホームラン級の記録を出してみたいものです。

 

本日の観察日記はここまで。